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4年前は、深夜までコードを書いても翌朝ふつうに起きられていました。いまは違います。在宅勤務が中心になって、1日の座り時間はだいたい9時間。通勤がなくなった分、歩く距離も一緒に消えました。
その結果、20代のころは意識したこともなかった場所が、順番に主張を始めます。腰、肩、目、そして睡眠。どこかが劇的に壊れるわけではなく、底がじわじわ下がっていく感じなんですよね。この記事は、モバイルアプリの仕事を4年続けた自分の体を部位ごとに棚卸しして、どの順番で手を付けたかを並べたものです。道具の細かい比較は別記事に回して、ここは地図を作ることに徹します。
最初に来たのは腰。靴下を履く姿勢で気づいた
異変に気づいたのは、朝の身支度でした。ベッドの端に座って靴下を履こうとしたとき、右の腰の奥に鈍い抵抗がある。痛いというより、動きの途中で一段引っかかる感じです。2年目の冬でした。
日中の座り仕事だと、90分を超えたあたりから腰の奥が重くなります。集中しているときは気づかないんですが、コーヒーを取りに立ち上がる瞬間に「あ、固まってる」と分かる。私の場合、痛みのピークは作業中ではなく、立ち上がった直後の3秒くらいでした。
最初に考えたのは椅子の買い替えです。ただ、10万円前後のワークチェアをいきなり買う踏ん切りはつかなかった。そこで先に座面だけ変えました。楽天でよく見かけるikstarのチェアクッションが3,980円前後で、これを1枚敷いてみるところから始めています。
数千円で座り心地の当たりを付けられるのは、単純に助かりました。ただし厚みが5cmほどあるので、そのぶん座面が上がって肘の高さが変わります。この副作用込みの話は腰痛グッズの記事で細かく書きました。
腰まわりでもうひとつ気づいたのが、座っている時間そのものの偏りです。試しに1週間、席を立った時刻をメモしてみました。結果は、連続で3時間以上座っていた日が2日、2時間超えが4日。自分では小まめに休んでいるつもりだったので、この数字はけっこう堪えました。道具の前に、まず記録を取るところから始めたほうがいいタイプの問題だったわけです。
肩は「重い」から「動かない」に変わった
腰の次に来たのが肩です。こちらは順番が分かりやすくて、生後6ヶ月の子どもを縦抱きするようになってから一気に自覚しました。10分も抱いていると右の肩甲骨の内側が張ってくる。仕事で固めた肩に、育児の負荷が上乗せされた形です。
デュアルモニターの配置も原因のひとつだと思っています。サブの27インチを右斜め45度に置いていて、1日のうち何十回もそちらに首を振る。左右で疲れ方が明確に違うので、これは机の配置の問題だと後から気づきました。
自分でほぐす道具としては、マッサージガンを使っています。楽天で医療機器認証を取っているuFitのRELEASERが22,800円。正直これは高いので、私が最初に買ったのはAmazonで1万円を切る小型のものでした。
注意点として、当てていい場所と避けるべき場所が製品ごとに指定されています。首の前側や骨の上などは対象外になっていることが多いので、取扱説明書の記載に従うのが前提です。あと、深夜に使うと振動音で子どもが起きます。これは1回やらかしました。
肩に関しては、道具より先に机の配置を直したほうが早かったという反省もあります。サブモニターを右斜めから正面寄りに10cmだけ寄せて、首を振る角度を減らした。それだけで夕方の張り方が変わったように感じました。原因が姿勢の癖にある場合、ほぐす側の道具だけ増やしても追いつきません。
目の疲れは、夕方のタイポの数に出る
体の話をしていると後回しになりがちですが、仕事の質に一番直結していたのは目でした。15時を過ぎたあたりから、変数名のタイプミスが増える。1文字違いのプロパティ名を延々と探して、10分後にコンパイラに指摘されるようなことが週に何度もありました。
27インチのモニター2枚に、手元でiPhoneの実機を見て、たまにMacBookの画面も開く。画面を見る時間を減らす、という選択肢が仕事上ありません。だから対処のほうを増やすしかない、と割り切りました。
いちばん習慣として定着したのが、蒸気の出るホットアイマスクです。めぐりズムの16枚入りを箱で置いていて、1枚あたり60円台。繰り返し使う充電式のタイプも4,280円前後で売っていて、こちらも試しました。
温めると、そのあと少し楽になったように感じます。ただ使い捨てはゴミが毎日出るのと、毎晩使うと月に2,000円近くかかるのが難点。使い分けの話は目のケアの記事にまとめています。
目については、道具を増やす前に画面側でやれることもありました。モニターの輝度を朝と夜で変える、文字サイズを1段上げる、フォントを変える。私はエディタの行間を広げただけで、夕方の読み返しが少し楽になりました。ここは無料でできるので、先に一通り触っておくといいと思います。
睡眠は、長さより「朝の首」で判断するようになった
4つ目が睡眠です。子どもが生まれてから、夜中に2回は起きます。まとまって寝られるのは長くて3時間。その状態が半年続くと、睡眠時間そのものを増やすのは無理だと分かってきました。
問題は、短い睡眠から起きたときに首が痛いことでした。左を下にして横向きで寝る癖があるんですが、そのときに枕が低すぎて首が横に折れている。仰向けと横向きで必要な高さが違う、というのを4年目にして知りました。
いま使っているのは高さを4段階で変えられるタイプです。返品保証が付いた19,800円のものもあって、枕は合う合わないの当たり外れが大きいので、返品条件は先に読んでおいたほうがいいと思います。
私は最初、素材だけで選んで失敗しています。低反発と書いてあれば良いだろうと6,000円のものを買い、高さが合わずに1週間で押し入れ行き。厚みの数字を見ていませんでした。
睡眠が細切れだと、寝具の良し悪しが分かりにくいという難しさもあります。3時間で起こされるので、朝まで通した感覚が手に入らない。私はスマートウォッチで記録を取るようにして、ようやく「寝つきではなく中途覚醒の回数が問題」と整理できました。あくまで目安の数値なので鵜呑みにはしていませんが、比較の軸がひとつあるだけで判断は楽になります。
育児が始まって、自分のケアが最後尾に回った
ここまで4つ並べましたが、実際の生活で難しいのは道具選びではありません。優先順位です。子どもが生まれてから、自分の体は完全に最後尾になりました。
朝は離乳食の準備と保育園に出す書類。日中は仕事。夕方は風呂と寝かしつけ。自分のストレッチに使える時間は、夜21時から22時のあいだに10分あるかどうか。しかもその10分は、子どもが寝付かなければ簡単に消えます。
だから私は、生活の動線に埋め込めるものしか続きませんでした。椅子に敷くクッションは、座れば勝手に使われる。アイマスクは寝る前に1枚。逆に、床にマットを敷いて15分ストレッチする、みたいな段取りが必要なものは3日でやめました。フォームローラーを買って最初の1週間で3回しか使わなかったのは、置き場所をクローゼットにしたせいです。
自分で判断しないほうがいい線引き
ここは道具の話とは分けて書きます。私がやっているのは、あくまで疲れの範囲での自己ケアです。
一般的に、安静にしていても痛みが引かない、手足にしびれや力の入りにくさがある、痛みが数週間以上続く、発熱を伴う、といった場合は自己判断でグッズを試すより先に整形外科などの医療機関で診てもらうべきだとされています。目についても、かすみや視野の異常、目の奥の痛みが続くなら眼科です。
私自身、腰の重さが1ヶ月続いた時期に一度整形外科でレントゲンを撮ってもらいました。結果として大きな異常はなかったんですが、それが分かった状態で自己ケアをするのと、分からないまま市販品を買い続けるのとでは、気持ちの負担がまったく違います。3,000円くらいの受診料で不安がひとつ減るなら、先に行っておく価値はあったと思っています。
私が手を付けた順番と、その理由
4年かけて分かったのは、費用対効果の順番が「座っている時間の長い場所から」だったということです。1日9時間触れているものを1枚変えるほうが、週に2回のケアより生活に効きました。
実際の順番は、座面のクッション、目のケア、枕、肩のケアの4つ。金額でいうと、最初の3つは合計で3万円弱です。マッサージガンは最後に回しました。使う時間が1日5分程度で、生活に占める割合が小さいからです。
いま振り返ると、道具を買うより先にやるべきだったのは、1時間ごとに立つことでした。タイマーを45分に設定して、鳴ったら台所まで歩く。これに1円もかかっていません。道具は、それをやってもなお残るものへの対処として置くのがちょうどいい距離感だと思っています。
4年でガタが来た、と書きましたが、正確には4年かけて生活の形が変わったということなんだと思います。通勤がなくなって、家の中の移動距離が1日500歩を切る日もある。体のほうはその変化に合わせてくれません。次の4年で同じ棚卸しをしたとき、増えている項目が少なければ上出来だと思っています。
部位別の詳しい記事
この記事で触れたものは、それぞれ単体でも詳しく書いています。気になったものがあれば個別記事も読んでみてください。
- 腰痛対策グッズ|椅子を替える前に試すもの
- 骨盤サポートクッション|今の椅子のまま改善する
- ストレッチポール|1日5分でも変わるか
- マッサージガン|自分でほぐせる範囲
- 肩を温める道具|冷えていることに気づいていなかった
- ネックマッサージャー|使い続けられるかで選ぶ
- 目を温める|眼精疲労に一番効いた
- ブルーライトカット眼鏡|効果を過信しない
- 目薬とアイケア|画面を見る時間が減らせない前提で
- 枕の選び方|高さが合わないと首に来る
- マットレス|腰痛と睡眠の質
- 睡眠トラッカー|測って分かった細切れ睡眠
- アイマスクと耳栓|細切れ睡眠の質を上げる
- リストレスト|手首の角度を戻す
- 手のケア|握力と指の疲れ
- 着圧ソックス|夕方の足のむくみ
- 家でできる運動器具|置き場所と続けやすさ
- 体幹トレーニング|腰痛予防として始めた
- プロテインと栄養|食事が雑になる時期の補い方

