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掃除機を持っているのに、床が汚い。この矛盾がうちの日常でした。理由は単純で、掃除機を出してくるのが面倒だからです。性能の問題ではなく、起動コストの問題。
もうひとつ大きいのが音です。生後6ヶ月の子どもが昼寝している時間帯に掃除機を回すと、かなりの確率で起きます。起きたら寝かしつけに20分。10分の掃除のために20分を失うので、掃除しないほうが合理的、という結論になってしまう。
そこで、平日の床掃除は掃除機を使わない方向に振り切りました。半年やってみた結果を書きます。
床の汚れの質が、離乳食で変わった
子どもが生まれる前、うちの床の汚れはほぼ埃と髪の毛でした。これは掃除機の得意分野です。
離乳食が始まってから、汚れの性質が変わりました。おかゆの飛び散り、野菜のペースト、麦茶。乾くと床に張りつきます。これは吸っても取れません。掃除機のヘッドで擦って伸ばすだけで、むしろ悪化する。
つまり、吸う掃除から拭く掃除に比重を移す必要があったんです。ハイハイを始めた子どもが床に顔を近づけて動き回るようになったこともあって、床の清潔さの基準そのものが上がりました。以前は週2回で気にならなかったのが、毎日拭かないと気持ち悪い。
ウェットシートに落ち着くまでに試したもの
最初に試したのは雑巾がけです。バケツに水を張って、絞って、拭いて、すすいで、絞る。結論から言うと3日で挫折しました。汚れは一番よく落ちるんですが、準備と後片付けで10分近くかかる。毎日はやれません。
次にドライシートのフローリングワイパー。これは埃には強いのですが、乾いた食べこぼしにはほぼ無力でした。滑らせても跡が残る。
その次に、水拭き用のモップを買いました。タンクに水を入れてレバーで噴射するタイプです。悪くなかったのですが、モップの布を毎回洗って干す必要があって、その工程が続きませんでした。結局、洗った布が乾かないまま次の日を迎えて、生乾きの臭いがする。うちには合わなかった。
今はレックの「水の激落ち」の超厚ウェットシートを使っています。20枚入りが4個パックで届くので、ストック切れの心配がない。アルカリ電解水を含ませたタイプで、洗剤不使用と書かれています。乾いた麦茶の跡やベタつきに対しては、ドライシートとは比べものにならない落ち方をします。
不満は乾きの早さです。超厚とはいえ、拭いているうちに水分が減る。うちの実測だと1枚で6畳ぶんが快適な限界で、リビングと廊下を続けて拭くなら2枚使う前提です。ケチって1枚で全部やろうとすると、後半はただ床を撫でているだけになります。
それと、シート代がかかります。1日1枚として月30枚。80枚入りだと2ヶ月半ちょっと。ランニングコストがゼロの雑巾と比べると当然高い。ただ、私はその差額で毎日拭ける状態を買っていると思っています。
あと注意点として、洗剤不使用とはいえアルカリ性なので、無垢材やワックス仕上げの床には向きません。賃貸の標準的な複合フローリングなら問題ないと思いますが、心配なら目立たないところで試してからのほうがいいです。うちは入居時の床材を管理会社に確認しました。
出しっぱなしにしたら、使用回数が3倍になった
道具を変えたこと以上に効いたのが、置き場所でした。
以前は、ワイパーを洗面所の隙間に立てて、シートは洗面台の下の棚にしまっていました。使うたびに洗面所へ行き、棚を開け、シートを1枚出し、ヘッドに装着する。この一連が90秒くらいかかります。90秒は短いようで、やる気の閾値を超えるには十分な長さでした。
今は、キッチンとリビングの境の壁に立てかけっぱなしです。シートはワイパーの柄に引っ掛けたポーチに5枚だけ入れています。取り出して装着するまで10秒。
使用回数は週2回から毎日に増えました。同じ道具、同じ人間、変えたのは置き場所だけです。見た目の生活感と引き換えに、頻度を買ったという感覚があります。妻からは最初「そこに置く?」と言われましたが、床がきれいになったので今は何も言われません。
音を立てない掃除には、副次的な効果があった
静かに掃除できることの価値は、想像以上でした。
まず、子どもが寝ている間に堂々と掃除できます。うちは昼寝が11時と15時の2回で、合わせて2時間半ほど。この時間帯は在宅勤務の集中時間でもあるのですが、ちょっとした気分転換に床を拭くようになりました。会議と会議の間の3分でリビングを一往復する、みたいな使い方ができる。
もうひとつ、賃貸の集合住宅で夜に音を出さなくて済むのが大きい。うちは3階で下の階に人が住んでいるので、21時以降に掃除機をかけるのは気が引けます。ワイパーなら無音なので、寝る前に気になったところだけ拭ける。
逆に言うと、ワイパーでは取れないものもあります。カーペットやラグの上、ソファの下の埃の塊、部屋の隅。ここは掃除機の仕事です。うちは土曜の午前中だけ、子どもを妻に見てもらって掃除機をかけています。週1回でも、平日に毎日拭いていれば十分間に合う。
拭く順番を決めたら、時間が半分になった
細かい話ですが、拭く順番を固定してから所要時間が7分から4分になりました。
やり方は、部屋の奥から手前へ、壁際に沿って一筆書きで進むだけです。以前は目についた汚れから拭いていたので、同じ場所を何度も通っていました。汚れを探しながら動くと、判断が入るぶん遅くなる。
それと、シートの面をどこで裏返すかも決めています。うちはリビングを半分拭いたところで裏返す。汚れた面で拭き続けると汚れを広げるだけなので、時間ではなく場所で区切るのがコツでした。
ダイニングテーブルの下だけは例外で、ここは毎回ちゃんと見ます。ベビーチェアの周りは半径1mが確実に汚れている。ここだけは一筆書きから外れて、往復2回拭くようにしています。
ワイパーのヘッドと柄も、地味に選び直した
シートの話ばかりしましたが、本体側にも失敗があります。
最初に使っていたのは、実家から持ってきた古いワイパーでした。柄の長さが固定で、私には短い。私は身長176cmですが、腰をかがめないと力が入らない角度になっていました。3分の作業でも腰にきます。
柄が伸縮するタイプに替えたら、その問題は解決しました。自分の身長に合わせて調整できると、立ったまま真下に体重をかけられる。妻とは10cmほど身長差があるので、伸縮式でないと二人で共有できません。
ヘッドの回転も重要で、うちのは首が360度回るタイプです。ソファの下や、ベビーベッドの脚まわりを拭くときに、ヘッドを寝かせて入れられる。固定式だと、家具のたびにワイパーごと持ち上げて向きを変えることになります。
ちなみに、ヘッドが大きすぎるのも考えものでした。うちは一度、幅が30cm近い大判タイプを試したのですが、2LDKの狭い動線だと壁や家具にぶつかって取り回しが悪い。広いリビングがある家向けだと思います。
掃除機を捨てるという話ではない
誤解のないように書いておくと、掃除機が不要になったわけではありません。ラグやカーペット、玄関まわり、家具の下は掃除機でないと無理です。
変えたのは、掃除機を「毎日の道具」から「週1の道具」に降格させたことでした。毎日の床は拭き掃除、週末に吸う。この二層構造にしてから、床がきれいな状態を維持できるようになっています。
結局のところ、道具の性能より使う回数のほうが効きます。高性能な掃除機を週1回使うより、安いシートを毎日使うほうが、うちの床はきれいでした。頻度で殴るという解決策もある、というのが半年の結論です。
この記事は家事の個別記事です。掃除と洗濯の時間を削る考え方は掃除と洗濯の時間を削る|道具より仕組みで整理しています。

