寝室に置く防災グッズ|夜中の地震に備える

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防災用品の点検をしていて、間の抜けたことに気づきました。うちの防災リュックも水も、全部リビングの押し入れに入っている。でも私が1日のうち一番長くいる場所は、寝室です。7時間眠るとして、単純計算で1日の3分の1近く。その時間に地震が来たら、真っ暗な寝室から、割れたガラスを踏まずにリビングまで歩いて、押し入れを開けることになる。無理があります。

夜中の地震に必要なのは、リビングにある立派な防災セットではなく、枕元にある小さな一式でした。順番に、うちが寝室に置いたものと、置くのをやめたものを書いていきます。

夜の地震で最初に困るのは「足元」だった

寝室で被災したときに何が起きるかを、順番に想像してみました。

まず停電します。真っ暗です。都内近郊のマンションで、うちの寝室は北向き。カーテンを閉めていると、外の街灯すら届きません。夜中に息子が泣いて起きるとき、私はいつも手探りでスマホを探しているんですが、あれが揺れた直後の混乱した状態で、しかも家具が動いた後の部屋で起きるわけです。

次に、床に何かが落ちています。うちの寝室にあるガラス物は、窓と、妻の鏡台の鏡くらい。それでも割れれば破片は数メートル飛びます。加えて、クローゼットの中身、本、目覚まし時計、加湿器。床が「歩ける床」である保証がなくなる。

そして、私は裸眼で0.1もありません。眼鏡がないと、避難所の案内板どころか、足元の破片も見えない。暗闇・破片・視力、この3つが同時に来るのが夜の地震です。

ここまで並べてみて、寝室に必要なものはかなり絞れると分かりました。避難生活に必要なものではなく、「寝室から玄関まで安全に移動する」ためのものだけです。避難生活の道具はリビングの持ち出し袋に任せればいい。役割を分けたことで、寝室に置く量はずいぶん減りました。

枕元に置く4つ、それ以外は置かない

うちが枕元に固定したのは、ライト、スリッパ、笛、眼鏡の4つです。

ライトは、手に持ったまま移動できる小型のものを、ベッドの頭側のフレームに紐で括りつけています。ここが重要で、置いてあるだけだと揺れで床に落ちます。実際、震度4の地震があった日の朝、サイドテーブルに置いていた目覚まし時計が60cmほど離れた床に落ちていました。落ちたライトを暗闇の中で探すのは、ライトがないのと同じです。マジックテープでも輪ゴムでもいいので、動かないように留めておく。

スリッパは、底が厚めのものを枕元に。夏場は素足で寝ているので、これがないと最初の一歩が踏み出せません。うちは以前、玄関のスリッパで代用できると思っていたんですが、玄関に行くまでが問題なんだから代用にならない、と妻に指摘されて考えを改めました。

笛は、家具の下敷きになったときに自分の位置を知らせるためのもの。声を出し続けるのは体力的にもたないと言われています。うちは寝室に1つと、リビングに1つ。この話は以前ホイッスルの記事で詳しく書いたので、ここでは深追いしません。

眼鏡は、私にとっては生活必需品です。普段は洗面所に置きっぱなしにする癖があったので、寝室に「眼鏡はここ」というケースを作りました。ケースごと枕の横に固定しています。ケースに入れておかないと、揺れで落ちて踏み割る可能性がある。裸眼のまま眼鏡を踏み割ったら、その日はもう詰みです。

枕元用に買った、1,210円の小さいポーチ

4つを個別に揃えて置いていたんですが、どうしても散らかるし、掃除のたびに位置が変わる。それで、寝室用にまとまっているポーチを1つ買いました。懐中電灯、軍手、ホイッスル、スリッパが入って1,210円の、寝室脱出セットという名前の防災ポーチです。

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いいのはサイズです。うちのはA5より少し小さいくらいで、ベッドとマットレスの隙間に差し込んで固定できる厚みでした。枕の下に押し込んでも寝心地に影響しない。1,210円という価格なので、寝室と、リビングのソファ横と、実家用にもう1つ、と気軽に増やせるのも実際的でした。

ただし、中身の質は正直に言って価格なりです。付属の懐中電灯はボタン電池式の小さいもので、明るさは足元を照らして玄関まで歩くには足りますが、部屋全体を見渡すには全然足りません。うちはこれとは別に、単三電池のライトを寝室に1本置いています。付属スリッパも布製で薄く、ガラスの上を歩くための靴底ではない。あくまで「素足よりまし」のレベルです。

私の失敗は、これを買ったときに「これで寝室は完了」と思い込んだことでした。2週間後に中身を全部出して確認してようやく、ライトの暗さとスリッパの薄さに気づいた。買った当日に一度開けて、中身を実際に使ってみるべきです。暗い部屋で点けてみて、スリッパを履いて廊下を歩いてみる。それをやらないと、値段だけ見て安心してしまう。

ベッド下の収納は、揺れた後に開くのか

寝室の収納で一番あてにしていたのが、ベッド下の引き出しでした。深さのある引き出しが2つあって、季節外の毛布などを入れています。ここに水と非常食を入れておけば、寝室で完結するじゃないかと。

これは検証してやめました。

理由は2つあります。1つ目は、引き出しの手前に何かが落ちると開かないこと。うちの引き出しは手前に40cmほどのスペースがないとフルに引けません。実際に、クローゼットから毛布を1枚落として試したら、引き出しが半分しか開かず、奥に入れたものは取り出せませんでした。夜中の暗闇で、しかも家具が動いた後です。この40cmが確保されている保証はない。

2つ目は、そもそも寝室から避難するときに、水や食料を持ち出す想定が間違っていること。夜中に揺れたら、まず玄関やリビングまで移動して、家の状態を確認して、それから持ち出すか在宅で待つかを判断します。寝室の役割は「安全に出る」までで、そこに備蓄を置く理由はありませんでした。

今はベッド下には季節外の寝具しか入れていません。代わりに、この引き出しの一番手前の浅いところに、予備の電池だけ入れてあります。取り出せなくても困らないものだけを、取り出しにくい場所に置く。この整理は結構すっきりしました。

寝室のレイアウトは、道具より先に直す

道具の話をしてきましたが、順番としてはレイアウトのほうが先です。

うちの寝室には、引っ越し当初、高さ180cmの本棚がありました。ベッドの足元側の壁に置いていて、寝ているときの頭からは2mほど離れている。倒れても直撃はしないだろうと思っていたんですが、息子が生まれるタイミングで、これはリビングに移しました。

理由は単純で、倒れたら通路が塞がるからです。直撃するかどうかより、寝室の出入口までの動線に、倒れうるものがあるかどうかのほうが問題でした。うちの寝室は6畳ほどで、ベッドとベビーベッドを置くと通路は幅70cmくらいしか残りません。ここに本が散乱して本棚が横倒しになったら、抱っこした息子を連れて出るのは相当きつい。

今の寝室にあるのは、ベッド、ベビーベッド、高さ80cmのチェスト、それと壁掛けの時計だけです。チェストは転倒防止のベルトで壁に固定しています。この作業は以前に家具転倒防止の記事で書いたので繰り返しませんが、寝室に関しては「固定する」より「置かない」を優先したほうが早いというのが結論でした。固定していても中身は飛び出しますから。

あと1つ、窓のカーテンは寝る前に必ず閉めるようにしました。ガラスが割れたときに、カーテンがあるかないかで飛散の範囲が変わるそうです。今まで暑い夜は開けたまま寝ていたので、これは習慣を変えるのに少し時間がかかりました。

親の寝室と子どもの寝室が別なら、両方に置く

うちは今、息子が生後6ヶ月で、ベビーベッドは同じ寝室にあります。だから寝室は1つでいい。ただ、これは数年で変わるはずです。

子どもが別の部屋で寝るようになったら、ライトはその部屋にも要ります。親が自分の部屋から子どもの部屋まで暗闇を移動して、それから2人分の足元を確保する、という流れは無理があるからです。ライトは移動する人数ぶん、それぞれの寝る場所に置く。これは今から決めておこうと妻と話しました。

先に実践しているのが、私の実家です。両親が2人で寝ているので、枕元用のポーチを2つ、それぞれの側に置いてもらいました。母は「1つでいいでしょう」と言ったんですが、揺れた直後にベッドを横断してもう1人の側まで取りに行けるかというと、たぶん行けない。1,210円のものを2つ買うだけで解決する話なので、押し切りました。

高齢の親の場合、笛が使えるかという問題もあります。息が続かないと音が出ないタイプがあるので、軽く吹いて音が出るか、実際に試してもらったほうがいい。うちの父は問題なく鳴らせましたが、これも確認するまでは分からないことでした。

最後に

寝室の防災は、量を増やす話ではなく、置き場所を移す話でした。うちの場合、新しく買ったのは1,210円のポーチだけで、あとはリビングにあったライトを1本移しただけ。総額でも2,000円かかっていません。

やることは3つに絞れます。枕元に4点を固定する。寝室の動線から倒れるものをどける。そして、買った当日に一度、暗い部屋で全部使ってみる。3つ目をやらないと、たぶん私と同じように「安いセットを買ったから大丈夫」で止まります。実際に暗くして歩いてみると、足りないものが1つか2つ見つかるはずです。

この記事は防災グッズの個別レビューです。在宅避難という選択肢と備え全体は在宅避難という選択肢|避難所に行かない備えのつくり方にまとめています。

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