台風対策 ベランダ|飛ぶものを無くすところから

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台風が地震と決定的に違うのは、来ることが数日前に分かる点です。進路も、いつ最接近するかも、おおよその強さも予報で出る。つまり準備の時間が与えられている災害なんですよね。

その時間で何をするかというと、うちの場合は9割がベランダの作業です。マンションの8階なので、地上より風が強い。去年の台風のとき、隣の棟のベランダからサンダルが飛んでいくのを見て、あれが窓に当たっていたらと思うとぞっとしました。

この記事は、我が家が台風の前にやっている手順をそのまま書いたものです。前日の夕方から当日の朝までにやることを時系列で並べます。特別な道具はほとんど要りません。

飛ぶものを無くす。それが対策の8割

台風で窓が割れる原因は、風圧そのものより飛来物の衝突であることが多いとされています。強風で飛んだ物が窓に当たって割れる。割れた窓から風が入って、室内の気圧が上がって屋根や他の窓を押し出す。この連鎖が怖い。

で、その飛来物はどこから来るかというと、かなりの割合が近所のベランダや庭です。つまり自分のベランダを片付けることは、自分の窓を守ると同時に、近所の窓を守る作業でもある。ここが腑に落ちてから、面倒くさがらずにやるようになりました。

実際にうちのベランダにあったものを数えたら、植木鉢3つ、物干し竿2本、洗濯ばさみのハンガー2個、サンダル2足、折りたたみの物干しスタンド1台、子どものベビーバス。合計で11点です。このうち風速30m/sで動かないと言い切れるものは、正直ひとつもありませんでした。

直径20cmの素焼き鉢は、土が入った状態で5kgくらいあります。重いから大丈夫だと思っていたんですが、強風で転がって手すりに当たれば、それだけで下に落ちる可能性がある。8階から5kgの鉢が落ちたら、と考えると置いておけません。

前日の夕方までにやること

作業は明るいうちに終わらせるのが鉄則です。風が出てから慌ててベランダに出るのが一番危ない。うちは最接近の前日、日没までを締め切りにしています。

まずベランダの物を全部、室内に入れられるものは入れます。植木鉢、サンダル、子ども用品、掃除道具。玄関のたたきに新聞紙を敷いて、そこに植木鉢を並べています。土がこぼれるので、この一手間があるかないかで後片付けの手間が変わる。

次に、入れられないものを固定します。うちの場合は物干し竿と物干しスタンドです。竿は取り外して床に寝かせ、手すりの支柱に結束バンドか紐で縛る。長さ2mの竿がそのまま飛ぶと、槍と同じです。スタンドは畳んで同様に。エアコンの室外機は基本的に動きませんが、置き型で足元がぐらついているなら、ブロックを置くなり固定を確認しておいたほうがいい。

ここで一度失敗しています。竿を手すりに縛ったとき、細いビニール紐を使ったんですが、翌朝見たら擦れて切れかけていました。強風下では紐が振動で削れる。今は結束バンドを2本ずつ、竿の両端に近い位置で締めています。1本で足りるように見えても、必ず2箇所以上。これは覚えておいて損がないです。

最後に、洗濯物を室内に入れて、窓の鍵を全部かけます。鍵をかけるのは防犯ではなく、サッシのがたつきを減らして雨の吹き込みを抑えるためです。クレセント錠をかけると窓が枠に密着するので、隙間からの浸水が明らかに減りました。

養生テープは貼るべきか、正直に書く

台風のたびに議論になるやつです。結論から書くと、飛散防止フィルムほどの効果はありません。ただし、やらないよりはましという程度には意味があります。

誤解されやすいのは、テープを貼れば窓が割れなくなる、という理解です。それは違います。ガラスの強度が上がるわけではないので、飛来物が当たれば普通に割れる。テープが効くのは割れたあとで、破片がその場に留まりやすくなるぶん、飛び散る範囲が小さくなる可能性がある、という話です。

貼り方は、内側から米印か井桁状に。外側に貼ると雨で剥がれるうえ、剥がすときに危険なので内側です。ガラス全面に貼る必要はなくて、うちはベランダの掃き出し窓1枚に対して縦2本・横2本・斜め2本の計6本にしています。

使っているのはアイリスオーヤマの養生テープで、50mm幅×25mのフィルムタイプ。720円でした。ホームセンターで買える普通の緑のやつです。

養生テープ 55mm テープ 台風対策 台風 50mm × 25m 固定 防災 防災対策 窓ガラス ガラス 飛散防止 仮止め 養生 フィルム

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短所もあります。まず、長期間貼りっぱなしにすると糊が残る。台風が過ぎたらその日のうちに剥がすのが前提です。うちは一度、忙しくて1週間放置して、糊の跡を落とすのにシール剥がしを使う羽目になりました。それから、紙テープタイプは雨に弱いので、窓に使うならフィルムタイプのほうがいい。あとは幅50mmだと1枚の窓に6本貼って約4m使うので、25m巻でも窓6枚分くらいで終わります。家中の窓に貼るつもりなら本数を計算してから買ったほうがいい。

それと、これは強調しておきたいんですが、本気で窓を守りたいなら雨戸かシャッター、次点で飛散防止フィルムです。養生テープはあくまで、何も対策していない窓に対する当日の応急処置。順番を間違えないほうがいいと思います。

排水口の掃除。詰まると水が室内に入る

ベランダの床には排水口があります。うちのは隅に1箇所だけ。ここが詰まると、降った雨が流れずにベランダに溜まって、掃き出し窓のサッシを越えて室内に入ってきます。

実際、台風の日にベランダの水位を見ていたら、10分ほどで2cmくらい溜まりました。サッシの立ち上がりはうちで約4cmです。排水が完全に止まれば、20分そこそこで室内に入る計算になる。想像していたよりずっと余裕がなかった。

詰まりの原因は、落ち葉、砂ぼこり、洗濯ばさみの破片、そして植木鉢から流れた土です。うちは月に一度も掃除していなかったので、排水口のふたを外したら黒い泥が固まっていました。

台風前の作業としては、ふたを外して、たまっている泥や葉を割り箸か古歯ブラシでかき出し、バケツ1杯の水を流して抜けを確認する。5分で終わります。ふたを外したままにしておくと流れがよくなりますが、台風の風でふた自体が飛ぶこともあるので、外したら室内に入れておくのを忘れずに。

あわせて、ベランダの床の砂ぼこりもざっと掃いておくと、雨のあいだに排水口へ流れ込む量が減ります。うちはここまでやると、台風のあとに水が残っていることがなくなりました。

賃貸のベランダは、どこまで手を出していいか

忘れがちですが、マンションのベランダは共用部分です。専有部分ではなく、居住者が専用で使うことを許されているだけ。避難経路として使われる場所なので、扱いにルールがあります。

具体的には、隣戸との境の仕切り板(蹴破り戸)の前に物を置いてはいけない。避難ハッチの上も同じです。台風前に物を移動させるとき、仕切り板の前に植木鉢を寄せてしまうのは典型的なNGなので、室内に入れるか、避難経路にかからない位置に固定します。

手すりへの固定も、原則としてビス留めのような加工はできません。うちは結束バンドと紐だけで済ませています。ネットを張りたい場合も、穴を開けずに済む方法を選ぶ必要がある。

それから、雨戸やシャッターの後付けは、外観の変更にあたるので基本的に管理組合の承認が要ります。賃貸ならまず管理会社に相談です。うちは飛散防止フィルムを内側に貼る形で落ち着きました。これなら室内側の作業なので問題になりません。

共用部の排水溝(廊下側の側溝など)が詰まっている場合は、自分で掃除するより管理会社に連絡したほうが早いです。台風前は問い合わせが混むので、気づいた時点で連絡しておくのがいい。

最後に

やることを並べると多く見えますが、実際にかかる時間は1時間ちょっとです。ベランダの片付けに30分、排水口に5分、養生テープに15分、窓の施錠と洗濯物で10分。前日の夕方にこれを済ませておけば、当日は家の中にいるだけで済みます。

台風の日にベランダへ出るのは、それ自体が危険な行為です。飛んできた物に当たる、風にあおられる、ドアが閉まって閉じ込められる。当日にやることを残さないのが、この準備の一番の目的だと思っています。

うちは去年から、進路予報で自分の地域が予報円に入った時点でベランダを片付けるようにしました。空振りに終わることも多いですが、片付けたベランダはそのまま数日過ごせるので、実害はほとんどない。判断を早めに倒しておくほうが、結果的に楽でした。

この記事は防災グッズの個別レビューです。在宅避難という選択肢と備え全体は在宅避難という選択肢|避難所に行かない備えのつくり方にまとめています。

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