作業用BGMと環境音|集中できた音、できなかった音

※ この記事にはプロモーションが含まれています。

集中するには無音がいい、と長いあいだ思っていました。実際に静かな部屋で作業してみて、それが自分には当てはまらないと気づいたのは在宅勤務が定着してからです。無音の部屋だと、冷蔵庫のコンプレッサーが動き出す音とか、上の階の足音とか、単発の音がやたら大きく聞こえる。1時間で3回くらい意識が持っていかれていました。音を消すのではなく、一定の音で床を張るほうが私には合っていました。

無音が集中に向かない理由は、たぶん音量差にある

静かな部屋というのは、音がゼロなのではなく、暗騒音が小さい状態です。うちのリビングを騒音計アプリで測ったら、何もしていない状態で32dBくらいでした。この状態で子どもの寝室のドアがカチャッと鳴ると、瞬間的に55dB近くまで跳ねます。差が20dB以上ある。

この差が、注意を持っていく正体だと私は考えています。人間は音の絶対値より変化に反応するので、静かであればあるほど、単発の物音が目立つ。図書館でページをめくる音が気になるのと同じ理屈です。

逆に、部屋全体に45dB前後の一定した音が鳴っていると、同じドアの音が鳴っても差が10dB程度に縮まります。気づきはするけれど、思考が止まるほどではない。音を足すことで、音の目立ちにくさを作るという発想に切り替えたのが転機でした。

試して駄目だった音、続いた音

順番に試したので、駄目だったものから書きます。

まず歌詞のある曲は完全に駄目でした。日本語はもちろん、英語もアウト。これは自分でも意外だったのですが、コードを書きながら英語の歌詞が流れていると、変数名を打つ手が止まります。言語処理の回路が取り合いになっている感覚がありました。Slackの返信を書いているときは特にひどくて、歌詞の単語がそのまま文章に混ざりかけたことが何度かあります。

次にインストゥルメンタルのジャズ。これは歌詞がないので大丈夫かと思いきや、曲の展開があるので駄目でした。ドラムのフィルとかサックスのソロとか、盛り上がる箇所で必ず耳が持っていかれます。展開があるものは、音楽として良ければ良いほど邪魔になる。

作業用BGMとして配信されているLo-fi系は、ある程度使えました。展開が薄いので邪魔にはなりにくい。ただ動画配信サービスで流していると、たまに広告が入ります。あれで一気に現実に戻されるのが致命的で、有料契約するほどではないと判断して離れました。

最終的に残ったのが、雨音と川の音、それとホワイトノイズです。展開がなく、始まりも終わりもない。3時間流していても内容を意識しません。

スマホから流すのをやめてサウンドマシンにした

環境音自体はスマホのアプリでも流せます。実際、半年くらいはそうしていました。やめた理由は3つあります。

ひとつは、スマホが机の上にある状態そのものが良くなかったこと。音を止めたり音量を変えたりするために画面を触ると、そこに通知が並んでいます。音のために手に取ったはずが、5分後にはニュースを読んでいる。

ふたつめは、スマホのスピーカーだと音が細いこと。特に雨音のような低い成分がある音は、内蔵スピーカーだとシャーというノイズにしか聞こえません。低音が出ないと、暗騒音の床としては機能しませんでした。

みっつめは、子どもの寝かしつけに使いたかったこと。うちの子は寝かしつけのときにホワイトノイズが効くタイプで、これも当時はスマホで流していました。ただ寝室にスマホを持ち込むと、夜中に着信音や画面の光で起こすリスクがあります。専用機に分けたほうがいい、と妻と話して決めました。

そこで買ったのが、オーム電機のAudioComm、ホワイトノイズや自然音を内蔵したサウンドマシンです。Bluetoothスピーカーとしても使えるタイプで、私は日中は内蔵の自然音、夜は寝室に持っていって寝かしつけ、という使い分けをしています。

Bluetooth スピーカー 18時間再生 ワイヤレススピーカー TWS対応 アウトドア AUXケーブル付属 ハンズフリー通話 Micro

Bluetooth スピーカー 18時間再生 ワイヤレススピーカー TWS対応 アウトドア AUXケーブル付属 ハンズフリー通話 Micro

Amazonで見る楽天市場で見る

使ってみて分かった良い点と、はっきりした不満

良かったのは、電源を入れてボタンを押すだけで音が出ることでした。スマホを触らない。アプリを開かない。この摩擦のなさが、思っていたよりずっと大きかったです。私は朝、机に座ってまずこれの再生ボタンを押します。押した時点で作業モードに入る、という条件づけができました。

音量のつまみが物理なのも良いです。会議が始まるときに、画面を見ずに手探りで絞れる。Web会議のたびにスマホのロックを解除していた頃と比べると、動作が3つくらい減っています。

不満もあります。まず内蔵音源の数が多いように書かれていますが、実際に使うのは2つか3つです。私は雨音とホワイトノイズしか使っていません。焚き火の音は薪が爆ぜる音が不規則で駄目でしたし、鳥のさえずり系は展開があるので集中には向きませんでした。音源の数はカタログスペックとしては効きますが、選ぶ基準にはしないほうがいいと思います。

それと内蔵音源のループが分かることです。雨音を2時間くらい流していると、同じパターンが繰り返されているのに気づく瞬間があります。一度気づくと、しばらくそれが耳につきます。ここはさすがに専用機の限界で、より長い音源が欲しければBluetoothで外から流すしかありません。

あとLEDのイルミネーション機能は、私は完全にオフにしています。子どもの寝かしつけには常夜灯として使えるのですが、日中の作業机で光る必要はまったくないので。

ヘッドホンを外していられることの価値

スピーカーで環境音を流す一番の理由は、耳を塞がなくていいことです。私はノイズキャンセリングのヘッドホンも持っていますが、在宅で終日つけていると、夕方に耳の上が痛くなります。それ以上に問題なのが、子どもの声が聞こえないこと。

妻がワンオペで見ている時間帯でも、泣き方によっては私が出たほうがいい場面があります。ヘッドホンをしていると、その判断ができません。妻が私の部屋のドアを開けて呼びに来る、という一手間が発生していました。

スピーカーで45dB程度の環境音を流している状態なら、子どもの泣き声も妻の呼びかけも普通に聞こえます。集中を守ることと、家の状況を把握していることを両立させたかったというのが、結局この形になった理由です。会議のときと、どうしても静かにしたいときだけヘッドホンを使う。使い分けができるようになってから、耳の負担も減りました。

音は環境設備だと考えるようになった

3,000円台の機械で作業効率が劇的に変わるかというと、そこまでの主張はしません。ただ、単発の物音で切れていた集中が、体感で1日に数回ぶんは減りました。もともとが1時間に3回だったので、それが1回になるくらいの変化です。

そして寝かしつけへの流用が想定外に効きました。寝室でこれを流し始めてから、寝入るまでの時間が短くなったと妻も言っています。もともと作業用に買ったものが、育児のほうで日常的に使われている。

デスクの上のガジェットに何万円か使ってきましたが、部屋の音をどうするかという観点は完全に抜けていました。照明や空調と同じで、音も部屋の環境設備です。そう考えるようになってから、機材の話ではなく部屋の話として選べるようになりました。

この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

タイトルとURLをコピーしました