付箋とアイデア出し|デジタルに移せなかったもの

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タスク管理はJiraとNotionでやっています。それでも壁とモニターの縁には付箋が10枚くらい貼ってあります。二重管理だという自覚はあるんですが、やめると困る場面があるんですよね。デジタルのタスク管理が苦手なのは「並べ替えて考える」ことで、逆に付箋が苦手なのは「記録として残す」こと。この役割分担がはっきりしてから、両方使うことに罪悪感がなくなりました。生後6ヶ月の子に剥がされる問題も含めて書きます。

Jiraのチケットを並べ替えても、頭は動かなかった

スプリント計画のとき、私はJiraのバックログを上から下に眺めて優先順位を決めていました。ドラッグで順番を入れ替えられるので、機能としては何の不足もない。それでも毎回1時間近くかかっていました。

理由が分かったのは、あるとき紙でやってみたときです。20枚の付箋にチケット名を書いて、机に広げて並べた。かかった時間は25分。何が違ったかというと、一度に視界に入る数でした。

Jiraのリストは縦一列なので、20件あると画面に収まりません。7件目を見ているとき、1件目のことは忘れている。スクロールして戻り、また忘れる。付箋を机に広げると、20枚が同時に見えます。しかも自由な位置に置けるので、関連するものを近づけたり、独立しているものを端に寄せたりできる。この空間的な配置が、そのまま思考の整理になっていました。

もうひとつ、両手が使えることも大きかったです。左手で1枚動かしながら、右手で別の1枚を動かす。マウスは1つの対象しか掴めない。地味ですが、この差は体感でかなり効きます。

アイデア出しでは「1枚1個」の制約が効く

新機能の案を出すとき、以前はNotionに箇条書きで書いていました。すると必ず起きるのが、1行が長くなっていく現象です。「プッシュ通知を出す(ただし夜間は除く、あと設定でオフにできるようにする)」みたいに、思いつくたびに括弧が増えていく。

付箋だと物理的に書ける量が限られるので、これが起きません。75mm角なら、10文字×3行くらいが限界。長くなりそうなら2枚に分けるしかない。この分けざるを得ない制約が、あとで並べ替えるときに効いてきます。1枚に3つの要素が混ざった付箋は動かせないので。

実際、去年チームでアイデア出しをしたときは、40分で62枚出ました。そのうち採用されたのは4枚。歩留まりは6%くらいですが、これは低いのではなく、そもそも大量に出さないと良い案が出ないという話だと思っています。

使っているのは、S.fields.incの540枚セットです。6色入りで、ハート型や星型、吹き出し型が混ざっている。正直に言うと、私が買った目的は形ではなく色の数と枚数でした。1枚あたり2円台なので、迷わず使い捨てにできる。

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不満は2つあります。ひとつは粘着力で、ポストイットの強粘着に比べると明らかに弱い。垂直な壁に貼ると、2日目くらいで下端が浮いてきます。落ちた付箋を子どもが拾って口に運びかけたことがあって、これはちょっと肝が冷えました。もうひとつは形。ハート型や星型は、正直あまり実用性がありません。中央に文字を書くと形の意味がなくなるし、並べたときに端が揃わない。私が実際に使っているのは、6色のうち普通の四角い色だけです。形が可愛いのは子どもが少し大きくなったら役に立つかもしれません。

色で分けるのをやめたら、運用が続いた

最初は色にルールを持たせようとしました。ピンクは緊急、黄色は通常、青は調査タスク、みたいに。3週間で崩壊しました。

崩壊した理由は単純で、書くときに色を選ぶ手間が発生するからです。何か思いついた瞬間に、まず「これは何色だ」と考える。その0.5秒で、思いついた内容の半分が飛ぶ。しかも緊急度は状況によって変わるので、あとから貼り替えることになる。

いまは、その日に手に取った色をそのまま使っています。色を意味に使うのは、並べ替えるときだけ。20枚並べたあとで「この5枚は同じテーマだな」と気づいたら、そこだけ同じ色に書き直す。分類は書くときではなく、並べたあとにやる。この順番にしてから、付箋を使う頻度が3倍くらいになりました。

デジタルに転記するのは、1日の終わりだけ

二重管理を破綻させないために決めているルールがひとつあります。付箋に書いたものは、その日のうちにJiraかNotionに入れるか、捨てるか。翌日に持ち越さない。

これを決める前は、机の縁に3週間前の付箋が残っていました。書いた本人が内容を思い出せない。「◯◯の件、要確認」とだけ書いてあって、◯◯が何を指すか分からない。付箋は文脈を持たないので、時間が経つと急速に価値を失います。

いまの運用だと、1日に書く付箋は5〜8枚くらい。そのうち3枚くらいがJiraのチケットになり、2枚がNotionのメモになり、残りは捨てます。捨てる枚数のほうが多い日もあって、それでいいと思っています。考えるための道具なので、考え終わったら用済みです。

ちなみに、Jiraに入れるときは付箋に書いた文言をそのまま使いません。付箋は自分にだけ分かればいい省略形で書いているので、チケットにするときは主語と目的を足す。この変換作業自体が、タスクの解像度を上げる工程になっています。

子どもが剥がすので、貼る場所を変えた

生後6ヶ月になって、うちの子はつかまり立ちの手前まで来ています。ずりばいで移動して、目に入った色のついたものに手を伸ばす。付箋は完全にターゲットでした。

最初はデスクの脚の下のほうにも貼っていたんですが、これは即座に全滅。次にモニターの下枠に貼ったら、抱っこしながらデスクの前に立ったときに剥がされました。抱っこ紐で前に抱えていると、子どもの手はちょうどモニターの高さに来るんですよね。

いまは床から135cm以上の場所にしか貼っていません。具体的には、モニターの上枠と、その上の壁。抱っこしていても届かない高さです。ここに落ち着くまでに3ヶ月かかりました。

副作用として、視線を上げないと付箋が見えなくなりました。これが意外と良くて、作業中は視界に入らないので気が散らない。休憩で顔を上げたときだけ目に入る。狙って作った配置ではないんですが、結果的に一番いい位置だったと思います。

付箋が向かないもの

1年半使って、明確に向かないと分かったものが2つあります。

ひとつは、期日のあるタスク。付箋は自分が見たときにしかリマインドしてくれません。締切があるものは通知が飛ぶ場所に置くべきで、これは完全にデジタルの領域です。私は保育園の書類の提出期限を付箋で管理しようとして、1回落としました。

もうひとつは、他人と共有するもの。当たり前ですが、私の机の付箋は私にしか見えない。チームのタスクは全部Jiraに入っています。付箋がカバーするのは、自分の頭の中を外に出して、並べ替えて、また頭に戻すという一往復だけ。その一往復のためだけに540枚を1,000円ちょっとで買った、という話です。まだ半分も減っていません。

この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

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