メッシュWi-Fi|家の端まで届かせる

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寝室で仕事をする日があります。子どもの昼寝中、リビングで妻がオンライン英会話をやっているとき。私が寝室の隅にノートPCを持ち込んで、ベビーベッドの横で静かにコードを書く。この運用を始めてすぐ困ったのが、寝室の電波でした。リビングのルーターから壁2枚。速度が出ないというより、ときどき完全に途切れる。中継機を1台足して解決したんですが、その前に一度買い間違えています。

寝室で作業する日ができてしまった

生後6ヶ月にもなると、昼寝のリズムがある程度読めるようになります。うちの子は午後1時前後から1時間半ほど。この時間は家の中で一番静かで、私にとっては集中できる貴重な枠です。

ただ、寝返りを覚えてから目を離しづらくなりました。ベビーモニターは使っているものの、ドスンという音がすると結局見に行くことになる。それなら最初から同じ部屋にいたほうが早い、という結論になって、寝室の隅に折りたたみのローテーブルを置きました。

ここで通信の問題が出ます。うちの間取りは2LDKで、玄関からの廊下を挟んでリビングと寝室が反対側。ルーターはリビングのカラーボックスの上。あいだに壁が2枚と、洗面所のドアが1枚あります。iPhoneのアプリで測ると受信強度は-70dBm前後。ブラウジングは問題ないんですが、Slackのハドルをつなぐと3〜4分に1回、声が金属質に割れる瞬間がありました。

最初に買ったのは、ただの中継機だった

ここで失敗しています。事情を調べずに、家電量販店で一番安かった11acの中継機を3,200円で買いました。

確かに電波は届くようになりました。寝室での受信強度は-70dBmから-52dBmへ。数字だけ見れば大成功です。でも実用は微妙でした。

理由は2つあります。ひとつは速度が半分になること。単純な中継機は、親機から電波を受け取る通信と、子機に送る通信を同じ周波数帯で交互にやります。だから理屈のうえで実効速度がおよそ半分になる。寝室での実測は、直接つないだときの38Mbpsに対して中継経由で19Mbpsでした。

もうひとつが厄介で、SSIDが増えるんです。買った機種は親機とは別のネットワーク名を持つタイプで、寝室に行っても端末が自動で切り替わってくれない。リビングの弱い電波を掴んだまま粘り続けて、手動で選び直すまで遅いままでした。会議の途中でネットワークを切り替えると、当然その瞬間に一度落ちます。

1ヶ月ほど我慢して使って、これは根本的に違うと判断しました。

メッシュと中継機は、切り替えの賢さが違う

調べ直して分かったのが、メッシュWi-Fiと従来型の中継機の差は「電波を伸ばす」という機能そのものではなく、端末をどう乗り換えさせるかにあるという点でした。

従来の中継機は、親機とは別の独立したアクセスポイントとして振る舞います。名前が違えば端末は別のネットワークだと認識するので、勝手には乗り換えない。名前を同じにできる機種でも、乗り換えの判断は端末任せです。iPhoneは電波が弱くなっても、完全に切れる寸前まで粘る傾向があります。

メッシュは、親機と中継機が1つのシステムとして協調します。端末の位置や電波状況を見て、システム側から「そっちに移れ」と促せる。だから歩いて移動しても切れずに追従する。この仕組みを各社が独自にやっていたのを、業界標準にしたのがEasyMeshです。

私が使っているルーターはTP-Link製でEasyMesh対応。メーカーをまたいでも、両方がEasyMeshに対応していれば組めます。これが分かったので、次はEasyMesh対応の機種から選びました。

買い直したのはバッファローのWi-Fi 6中継機

選んだのはバッファローのWEX-3000AX4EA/N。Wi-Fi 6対応で5GHz帯2401Mbps+2.4GHz帯573Mbps、EasyMesh対応の中継機です。コンセントに直挿しするタイプで、外付けアンテナがついているモデルを選びました。

設置は廊下の途中、洗面所の入口横のコンセント。リビングのルーターからも寝室からも、それぞれ壁1枚で届く位置です。中継機の置き場所は「電波が弱い部屋」ではなく「親機の電波がまだ十分強くて、かつ目的の部屋に近い場所」。ここを間違えると、弱い電波を弱いまま増幅するだけになります。私は最初、寝室のコンセントに挿してしまって効果が薄く、廊下に移して正解でした。

TP-Link WiFi 6E対応 ルーター トライバンド メッシュWi-Fiシステム 中継 1Gbpsポートx3 搭載 2402Mbps+

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導入後、寝室での受信強度は-49dBm、実測速度は142Mbps。前の中継機の19Mbpsから7倍以上になりました。リビングから寝室に歩いて移動しても、ハドルはつながったままです。ここは期待どおりでした。

直挿しタイプゆえの、地味な不満

いいことばかりではありません。

まず本体が大きい。コンセントに挿すと、幅がだいたい7cmくらいあって、2口コンセントの下側を完全に塞ぎます。うちは廊下のコンセントが2口しかないので、そこにあった充電器の置き場がなくなりました。延長コードを1本足して対処しています。

次にアンテナが目立つこと。外付けアンテナモデルを選んだのは電波の飛びを優先したからですが、廊下の壁からアンテナが2本生えている見た目は、正直あまり良くない。妻からは一度「これ何とかならない?」と言われました。内蔵アンテナのモデルもあるので、見た目を優先するならそちらでもいいと思います。私は寝室での安定を取りました。

あとは発熱。触ると温かい程度ですが、夏場は常時35度前後になっていました。可燃物の近くには置かないほうがいいです。

子どもが寝ている部屋で仕事をする、という前提

通信を安定させたい理由が「速い回線が欲しいから」ではなく「子どもの横で静かに仕事をしたいから」だったのが、今回の選択の全部だった気がします。

寝室でやる作業には制約があります。声を出せないので、会議はミュートで参加して、チャットで補う。キーボードの打鍵音も気になるので、コードを書くよりドキュメントを読む時間に充てることが多い。それでも、通信が不安定だと画面共有の受信すら怪しくなるので、電波の安定は前提条件でした。

導入から4ヶ月、寝室での作業は週に2〜3回、1回あたり1時間半ほど定着しています。合計すると月に15時間くらい。中継機の値段を考えれば、十分に元は取れたと思っています。最初に安い中継機で3,200円を無駄にした分も含めて、です。

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