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実家の押し入れに、大きな首肩用のマッサージ機が入っています。両親が10年ほど前に3万円くらいで買ったもので、最初の1か月は毎晩使っていたそうです。今は年に1回、正月に誰かが引っ張り出して終わり。
この話がずっと頭にあったので、私が自分用に買うときの基準は「性能」ではなく「出しっぱなしにできるか」でした。半年使ってみて、この基準は間違っていなかったと思っています。
押し入れに入った瞬間に、その道具は終わる
実家のマッサージ機は、悪い製品ではありませんでした。もみ玉が4つ付いていて、首から肩、背中まで届く。ヒーターも入っている。ただ、大きいんです。座椅子ほどではないにしろ、リビングの床に置きっぱなしにするには存在感がありすぎた。
だから使わないときは押し入れに戻す。戻すと、次に出すのが億劫になる。「今日は肩が張ってるな」と思ってから、押し入れを開けて、上の段の布団をどかして、コードを差して、という工程が5つある。この5工程を越えられる日は、月に1回もありません。
私の場合、在宅勤務のデスクは動きません。だから、デスクの脇に置けるサイズかどうかが最初の条件になりました。具体的には、幅30cm、厚み10cm以内。これならモニターの横のスペースに立てておけます。
装着したまま歩けるかどうかは、けっこう大きい
首に掛けるタイプの製品を選んだ理由がこれです。ヘッドホンのように首に乗せて、手を離しても落ちない。
実際にやっているのは、洗い物です。夜、子どもを寝かせたあとにシンクの食器を片付ける15分。この間に装着したままにしています。座って何もせずに15分過ごす余裕がないので、何かをしながら使えるかどうかで、実際の使用回数が変わりました。
洗濯物をたたむとき、乾燥機から出したものをソファでさばくときも同じです。据置型だと、この使い方はできません。
ただし、子どもを抱いているときは使いません。振動があると腕の感覚が鈍るし、そもそも子どもの近くで機械を動かす理由がない。抱っこと同時にケアしようという発想は、一度考えて、やめました。ここは分けたほうがいいと思います。
あとは、動作音との兼ね合いもあります。首に掛けるタイプは耳のすぐ近くで動くので、音そのものは小さくても、自分にはよく聞こえる。私のものは、静かな部屋なら動作音が分かる程度です。テレビをつけている時間帯なら気になりません。オンライン会議中に使おうとして、マイクが低い唸りを拾ったことがあって、それ以来、仕事中には付けないようにしています。
強さは4段階目まで、温熱は使う
私が使っているのはNIPLUXのNECK RELAX 1Sです。首に掛ける形で、モードが6つ、重量は300g台。温熱機能が付いています。
モードは6つありますが、実際に使うのは弱いほうの2つと、温熱だけのモードです。強い設定は、私には刺激が強すぎました。首の横に電気が走るような感覚があって、これが苦手な人はけっこういると思います。
温熱は40℃台まで上がる設定で、これが個人的には一番ありがたい機能でした。冬の朝、デスクに座って最初の10分に付けておくと、肩まわりが動かしやすく感じます。感じます、というのが正確なところで、それ以上のことは言えません。
楽天だと、もみ玉ではさむ「はさみもみ」タイプが19,800円前後で出ています。物理的に押す方式なので、EMS系の電気刺激が苦手な人はこちらのほうが合うと思います。私が買った価格帯とは2万円近い差がありますが、この差は方式の違いと、もみ玉の駆動機構が入っている分の構造の差でした。
使う前に、禁止事項を必ず確認する
この手の製品には、使ってはいけない条件が明記されています。
私の製品の取扱説明書には、心臓ペースメーカーなどの体内植込み型医用電気機器を使用している方、心電計など装着型の医用電気機器を使用している方は使用できない、という趣旨の記載がありました。これは製品ごとに条件が異なるので、必ず自分が買ったものの説明書を読んでください。ネットの記事に書かれている内容ではなく、箱に入っている紙のほうが正しいです。
持病がある方、治療中の方、体調がすぐれない方は、使用前に医師に相談することも書かれています。私は自分の判断で使っていますが、首の張りが何週間も続いたり、腕にしびれが出るような場合は、器具でどうにかしようとする前に整形外科などを受診したほうがいいと思います。首は神経が通っている場所なので、自己判断で強い刺激を続けるのは避けたい。
使用時間も、1回15分程度までと決められている製品が多いです。私のものにはオートオフが付いていて、15分で勝手に止まります。この機能があるかどうかは、地味に確認したほうがいい項目でした。
半年使って出てきた不満
いちばん困っているのは充電です。私のモデルは満充電で3時間ほど動きますが、週に3回ほどの使用だと、次に使いたいときに切れている。切れていると「まあいいか」となって、その日は使いません。これが2回続くと、3日は触らないことになる。
対策として、デスクの下にUSB-Cケーブルを1本垂らして、使い終わったらそこに挿す運用に変えました。挿す場所を固定するだけで、使わない日がかなり減っています。
もうひとつは装着位置です。首に掛けるタイプは、動いているうちに前にずれてきます。洗い物をしていると、10分で位置が変わって、当たってほしい場所から外れる。手で戻すんですが、濡れた手で触ることになるのが地味に嫌です。
髪が絡む話もよく見かけます。私は短髪なので経験していませんが、首の後ろに接する構造なので、髪が長い人は結んでから使うことになると思います。
手入れの面も、買う前は考えていませんでした。首に直接触れる部分なので、夏はそこそこ汗が付きます。私は使い終わったら乾いた布で拭いていますが、カバーが外せない構造なので、水で洗うことはできません。この点は、カバーが取り外せて洗えるタイプのほうが長く使えると思います。半年で気になり始めた程度なので、致命的ではないんですが。
2万円の差より、置き場所の差のほうが大きい
結局のところ、この手の製品は使わなければ0円分の価値です。19,800円のはさみもみタイプが、押し入れに入って年1回しか使われないなら、デスクの横に置きっぱなしの1万円台のものより価値が低い。
私が半年で使った回数は、記録している範囲で68回でした。週に3回弱です。据置型を買っていたら、この数字は絶対に出ていません。1回あたりのコストで考えると、1万円台の製品を68回使って150円ちょっと。実家の3万円のものは、10年で50回として600円です。
これから買う人が確認したほうがいいのは、たぶんモードの数ではなくて、自分の部屋のどこに置くかと、どのタイミングで使うかの2つです。私の場合は「洗い物の15分」という枠が先にあって、そこに入る道具を選んだ。枠がない状態で買うと、実家の押し入れと同じ結末になる気がします。
この記事は個別の対処法です。座り仕事で出てくる不調の全体像は座り仕事の体|4年でガタが来た場所を並べるにまとめています。

