デスクの時計|スマホを見ない時間を作る

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時間を確認するためにスマホを手に取って、5分後にSNSを見ている。この現象に名前があるのか知りませんが、私は在宅勤務を始めてから毎日やっていました。1日に何回スマホを持ち上げているか数えたら、午前中だけで14回。そのうち「時間を見るためだけ」に持ったのが9回でした。9回のうち、そのままスマホを触り続けた回数が5回。デスクに時計を置いただけでこれが解決したので、その話を書きます。

スマホは「時計」として最悪の道具だった

Macで作業しているならメニューバーに時刻が出ているので、そもそもスマホを見る必要はありません。私もそう思っていました。実際に記録を取ってみると、そう単純ではなかったんです。

時間を確認したくなる場面には2種類ありました。ひとつは、作業中に「いま何時だ」とふと思う瞬間。これはメニューバーで足りる。もうひとつが、作業から離れているときです。コーヒーを淹れに立つとき、子どもを見に行って戻ってきたとき、椅子にもたれて考えているとき。この状態でMacの画面は視界に入っていないか、スリープしています。

で、この2つ目のときにスマホを取る。ロック画面に通知が3件出ている。1件がSlackで、内容を確認するためにアプリを開く。ついでにX(旧Twitter)を開く。これで5分。

問題はスマホのロック画面が時刻と通知を同じ場所に表示することでした。時刻を見るという行為が、必ず通知を見る行為とセットになっている。この構造がある限り、意志の力ではどうにもならないと思いました。

最初に買ったのはスマートディスプレイで、失敗した

時計を買おうと思ったとき、私が最初に手を出したのはスマートディスプレイでした。7インチくらいの画面がある、音声アシスタント付きのやつです。1万円ちょっと。時刻も出るし天気も出るし、声で操作できる。多機能なほうが得だと思ったんですよね。

2週間で撤去しました。理由は3つあって、まず画面が明るすぎること。夜、部屋を暗くして作業していると、視界の端で白い板が光っている状態になります。明るさの自動調整はあるんですが、最低輝度でもモニターの黒い部分より明るい。

次に、時刻の表示が固定ではないこと。待機画面がスライドショーになっていて、写真や天気やニュースが順番に流れる。時刻を見たいときに時刻が出ていない、という状況が普通にありました。設定で固定できるモデルもあるらしいんですが、私が買ったものはできませんでした。

そして決定的だったのが、通知が出ることです。スマホから逃げるために買ったのに、同じ通知が机の上の画面にも出る。これでは何も解決していません。時計に必要なのは機能ではなく、時刻以外を表示しないことだと、1万円払って学びました。

置き時計を選ぶ基準は「首を動かさずに読めるか」だけ

買うにあたって、デザインの好みは一旦置いておきました。試しに手持ちの目覚まし時計をデスクの隅に置いてみたら、文字が小さくて結局スマホを取る、ということが起きたからです。

基準はひとつに絞りました。座った姿勢から、首を動かさずに、眼鏡なしで読めること。私は視力が0.6くらいで、デスクでは眼鏡をかけていません。この条件だと、40cmの距離で数字の高さが20mm以上は欲しい。

アナログかデジタルかは少し迷いました。アナログのほうが部屋に馴染むし、針の位置で残り時間が直感的に分かるという話も聞きます。ただ、私の場合は「あと何分か」を数字で知りたい場面がほとんどでした。会議まで7分なのか12分なのかで、始める作業が変わる。針を読んで暗算する0.5秒が惜しかったので、デジタルにしました。

選んだのはMAGのT-779A、ノア精密の小型の置き時計です。デジタル表示で、温度とカレンダーも一緒に出る。アラームとスヌーズ、それとライトが付いています。

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実際に置いてみて、40cmの距離なら眼鏡なしで問題なく読めます。ただ不満もあって、いちばん大きいのはバックライトが常時点灯ではないことです。ボタンを押している間だけ光る仕組みなので、夜に間接照明だけで作業しているときは読めません。私は結局、デスクライトの光が当たる位置に移動させました。暗い部屋で使う想定なら、常時点灯タイプを選んだほうがいいと思います。

あと温度表示は、あくまでおまけです。エアコンの吹き出し口に近い位置に置くと、実際の室温より2度くらい低く出ました。部屋の温湿度を真面目に管理したいなら、専用の計測器を別に置いたほうがいい。時計に付いている温度計は、目安として眺めるものだと思っています。

アラームは「会議5分前」にしか使っていない

買う前は、アラーム機能をあまり重視していませんでした。カレンダーの通知があるので不要だろうと。使い始めて、これが一番使う機能になりました。

理由は、カレンダーの通知がMacとスマホの両方に出るからです。Macに出れば作業が中断されるし、スマホに出れば結局スマホを見ることになる。時計のアラームは音だけが鳴って、画面は何も変わらない。この違いが思ったより大きかったんです。

設定しているのは、その日の最初の会議の5分前だけ。1日1回。5分あれば、書きかけのコードをコミットして、飲み物を用意して、カメラの前に座れます。これより早いと待ち時間が生まれるし、遅いと慌てる。3ヶ月くらい調整して5分に落ち着きました。

ただし電子音がわりと大きいです。音量調節が段階式で、いちばん小さくしてもリビングには普通に響く。子どもが昼寝している時間帯には使えませんでした。

子どもの昼寝と、時計の音の折り合い

生後6ヶ月になって、うちの子の昼寝は午前と午後の2回、それぞれ1時間半くらいです。寝室で寝かせていますが、うちは2LDKでリビングと寝室が壁一枚。デスクはリビングにあります。

昼寝の時間帯にアラームを鳴らして起こしたことが、2回あります。2回目のあと、運用を変えました。昼寝が始まったら時計のアラームをオフにして、その時間帯だけはApple Watchの振動に切り替える。手首の振動なら、隣の部屋には何も届きません。

面倒といえば面倒です。ただ、時計のアラームスイッチは本体の背面にあって、指で切り替えるだけなので2秒で終わります。物理スイッチであることが、この用途ではむしろ利点でした。アプリだと画面を開く必要があり、そこでまた通知に捕まる。

結果として、私のデスクの時計は日中の8割の時間、ただ時刻を表示しているだけの道具です。それでいいと思っています。

スマホを持ち上げる回数が、9回から2回になった

導入して1ヶ月後、また同じ記録を取ってみました。午前中にスマホを持ち上げた回数は6回。うち「時間を見るためだけ」だったのは2回でした。9回から2回です。

ゼロにならなかったのは、キッチンにいるときや洗濯物を干しているときは時計が見えないからです。これはもう仕方がない。デスクにいる間に限れば、時間確認でスマホを取ることはほぼなくなりました。

副次的な効果として、スマホをデスクの上に置かなくなりました。以前は「時計として必要だから」という名目で手の届く位置に置いていたんですが、その名目が消えたので、いまは部屋の反対側の棚に置いています。取りに行くのに5歩。この5歩が、けっこう効いています。

3,000円台の時計でスマホ依存が直る、という話ではありません。私の場合、時刻という情報を通知から切り離しただけです。ただ、その分離が想像以上に効いた。デスクの上に置くもので、投資対効果がいちばん良かったのはこれかもしれません。

この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

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