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玄関で鍵を出す動作は、両手が空いている人にとっては3秒で終わります。ベビーカーを押していて、片手にスーパーの袋を持っていて、子どもが寝ている状態だと、これが5分近くかかることがある。うちがスマートロックを入れたのは、この5分をなくすためでした。ただ、賃貸なので取り付けられるかどうかの確認から始まっていますし、電池切れと締め出しという別のリスクも背負うことになります。半年使って分かった、良かったところと気をつけるべきところをまとめます。
鍵を出せない5分間が、思っていたより多かった
いちばん典型的なのが散歩からの帰宅です。片手でベビーカーを押していて、もう片方には買い物の袋。子どもはだいたい寝ています。マンションの共用廊下でここから鍵を出そうとすると、まずベビーカーから手を離すことになる。廊下は完全にフラットではないので、手を離すのが単純に怖いんですよね。袋を床に置いて、上着かバッグを探って、鍵を見つけて、鍵穴に挿す。途中で子どもが起きて泣き出したことが、導入前の1ヶ月で4回ありました。
もうひとつが抱っこ紐での帰宅です。抱っこ紐だと自分の腰まわりが子どもの脚で埋まるので、ズボンのポケットに手が入りません。上着の胸ポケットに鍵を移す運用にしていたんですが、これはこれで落としそうで落ち着かない。
ゴミ出しのような、数十秒だけ外に出る場面も地味に面倒でした。手ぶらで出たいのに鍵だけは持たないといけない。この3つが、玄関の鍵を何とかしたいと思った理由です。
賃貸で付けられるかを、先に3つ確認した
うちは2LDKの賃貸なので、まずここが関門でした。確認したのは3つです。
ひとつめがサムターンの形状。スマートロックは室内側のつまみを機械で回すので、そのつまみの形と寸法が適合していないと動きません。メーカーのサイトに適合確認のページがあって、サムターンの幅、高さ、ドア面からつまみまでの距離、それとサムターンの中心からドア枠までの余白を実測して照合しました。うちのは幅18mm、高さ25mmくらいの標準的な形で、問題なく候補内でした。ここで合わなければアダプタが必要になるか、そもそも諦めることになります。
ふたつめが取り付け方法です。工事不要で両面テープで貼るタイプを選びました。ドアに穴を開けないので、原状回復の観点ではいちばん安全です。実際に退去時は、テープを温めながらゆっくり剥がして、残った糊をアルコールで拭き取る想定でいます。
みっつめが管理会社への確認。穴を開けないなら不要ではという気もしたんですが、一応電話しました。返ってきた答えは「シリンダーそのものを交換しないなら問題ない、ただし退去時にきれいに戻すこと」。5分で終わる電話なので、やっておいたほうが精神的に楽です。共用部の防火ドアだと別の判断になる可能性もあります。
選んだのはSwitchBotのLiteと指紋認証パッドのセット
買ったのはSwitchBotのスマートロック Liteと指紋認証パッドのセットで、楽天で14,980円でした。工事不要の後付け型で、既存のサムターンにかぶせて貼るタイプ。解錠方法は指紋、暗証番号、それにSuicaやPASMOといったICカードに対応しています。
比較検討したのはキャンディハウスのセサミ5です。値段はこちらのほうが安く済むケースもあって最後まで迷ったんですが、うちは指紋パッドとセットで一度に揃えたかったのと、家にすでにSwitchBotの機器があってアプリを増やさずに済むという理由でこちらにしました。アプリが増えると妻が使わなくなる、というのは実際に起きた問題なので、そこそこ重い判断基準です。
導入して変わったのは、帰宅時に鍵を意識しなくなったことです。ベビーカーを押したまま玄関前まで行って、パッドに親指を当てる。所要は1秒ほど。袋を置く動作も、ベビーカーから手を離す動作もなくなりました。
取り付け位置が数ミリずれて、空回りした
最初の取り付けは失敗しています。
両面テープを貼るとき、付属の位置合わせ用のガイドを使わずに目測でやりました。サムターンの中心と本体の回転軸がだいたい合っていればいいだろう、と考えたんですが、実際には数ミリのずれで噛み合いが甘くなります。施錠の指示を出すとモーターは回るのに、途中で空回りして鍵が半分しか動かない。アプリ上は施錠済みになっているのに、実際は掛かっていないという、いちばん危ない状態でした。
気づいたのは、外出先からアプリで確認したときにドアが開いていないか不安になって、途中で引き返したときです。触ったらドアが開きました。貼り直して、今度はガイドどおりに位置を出したら安定しています。テープを剥がすときにドア面の塗装が少し持っていかれそうになったので、2回目からはドライヤーで温めてから剥がすようにしました。
それと夏場に一度、粘着が緩んで本体がわずかに傾いたことがあります。玄関ドアは日中かなり温度が上がるので、季節の変わり目に手で押さえて確認する習慣がつきました。
指紋の認識率と、暗証番号を使う場面
指紋認証は、体感で10回に9回は一発で通ります。残りの1回は、だいたい原因がはっきりしていて、手が濡れているか、冬に指先が乾燥しているか、抱っこで体がねじれていて指を当てる角度が変になっているかのどれかです。
対策として、右の親指と人差し指、それに左の親指の3本を登録しました。角度が悪いときは別の指に切り替えれば通ります。これで失敗はかなり減りました。妻の指も同じように3本入れています。
暗証番号は、手が濡れているときと、子どもを両手で抱えていて手のひらしか使えないときに出番があります。パッドの数字は暗い場所だと光るので、夜でも押せます。ただ、番号を入力する動作は他人から見えるので、うちでは入力したい番号の前後に適当な数字を足しても解錠できる仕組みのほうを使っています。宅配の人が後ろにいるときに、そのまま押すのは気持ちが悪いので。
不満もあります。パッドの反応は指紋のほうが明らかに速くて、暗証番号は入力を終えてから解錠まで1秒ほど待たされる感覚があります。それと、これは仕方ないんですが、パッドは屋外に貼るので雨がかかる位置だと濡れます。うちは玄関が引っ込んだ構造で助かりました。
電池切れと締め出し。物理鍵をやめられない理由
スマートロックを入れても、物理鍵は今も必ず持ち歩いています。理由は2つです。
ひとつめが電池切れ。電池で動く以上、いつかは切れます。残量はアプリから確認できて通知も来ますが、その通知を見落とす可能性は普通にあるんですよね。うちは導入から半年で交換にはまだ至っていませんが、予備の電池は玄関の靴箱に常備しています。外出先で切れたら、物理鍵がなければ入れません。ここは仕組み上どうにもならないので、鍵を持たない運用にするのは諦めました。スマートロックは鍵を捨てるための道具ではなくて、鍵を出す回数を減らすための道具だと考えたほうが安全です。
ふたつめが締め出しです。うちは一度やりました。ドアが閉まってから一定時間で自動的に施錠するオートロック設定を30秒にしていて、ゴミ出しに手ぶらで出たときにそのまま閉め出されています。指紋パッドがあるので実害はゼロだったんですが、もしパッド側の電池が切れていたら詰んでいました。今はオートロックの時間を長めに変えて、短時間の外出でも必ずスマホは持って出るようにしています。子どもを部屋に残して出ることは絶対にないので、そこだけは家庭内で明確に線を引いています。
半年使って、鍵に対する感覚が変わった
いちばん大きい変化は、帰宅時の焦りが消えたことでした。子どもが寝ているベビーカーの前でゴソゴソする時間がなくなると、それだけで玄関にたどり着いた時点の勝ち負けが決まらなくなる。数字にすれば1回あたり数十秒の短縮ですが、その数十秒が起きるか寝続けるかの分かれ目になっていたわけです。
逆に、増えた仕事もあります。電池残量を気にすること、季節ごとにテープの浮きを確認すること、それと妻と共有アカウントの設定を合わせること。手放しで楽になったとは言えません。それでも、賃貸で工事をせず、退去時に元へ戻せる範囲でこれだけ変わるなら、うちの状況には合っていました。
この記事は個別のレビューです。育児中に効いたスマートホーム機器の全体はスマートホーム|育児中に本当に効いたもので振り返っています。

