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子どもが生まれてから半年分の写真フォルダを、一度真面目に数えたことがあります。全部で3,140枚。そのうち私が写っているものは38枚でした。1.2%です。妻が写っているのは900枚以上ありました。理由は単純で、撮っているのがほぼ私だからです。撮る人は写らない。当たり前なんですが、数字にして初めて事の重大さに気づきました。この非対称を解決するのに買ったのが、1,380円のミニ三脚です。安いぶん問題もあるので、そこも書きます。
父親が写っている写真が、半年で38枚だった
38枚の内訳もひどいもので、大半は妻が撮ってくれた抱っこの写真か、自撮りで無理やり2人を入れたやつでした。自撮りは腕を伸ばす関係でどうしても顔がアップになるし、子どもの全身が入りません。あと単純に構図が下手になる。
将来この子がアルバムを見返したとき、父親がほとんど出てこないのは寂しいなと思いました。それに、抱っこして揺らしている時間とか、離乳食を食べさせている時間とか、日常のほうが残っていない。イベントの写真ばかりで、平日の夕方が一枚もないんです。
手持ちで撮る限り、この構造は変わりません。撮影者が固定される。だから、置いて撮る道具が必要でした。
カメラを向けると固まるので、置きっぱなしにした
三脚を買ったもうひとつの理由が、表情です。
生後5ヶ月あたりから、スマホを構えると子どもがこっちを見るようになりました。じっと見る。そして動きが止まる。撮りたかったのは、おもちゃを掴もうとして失敗する瞬間とか、ひとりで足を持って遊んでいる顔なんですが、レンズを向けた時点でそれが終わる。ハイハイの手前の時期は、こっちに寄ってこようとして画面から消えることもありました。
そこで、朝の30分だけプレイマットの脇に三脚を立てて、動画を回しっぱなしにする運用にしました。最初の1〜2分はスマホを気にするんですが、そのあとは完全に無視します。存在が景色になる。この状態で撮れた映像が、手持ちのときとは明らかに違いました。あとで見返して使えるのは全体の1割もありませんが、その1割が良い。
買ったのはサンワダイレクトの200-DGCAM018というスマホ三脚です。楽天で1,380円。重量80gで、360°回転します。
80gという軽さは、両方向に効く
この製品の一番の特徴は軽さです。80gはスマホのケース2枚ぶんくらいで、マザーズバッグの外ポケットに入れても存在を忘れます。折りたたむと手のひらサイズなので、公園にも実家にも持って行きました。持ち運びを面倒に感じない道具は、結局使う回数が多くなる。ここは素直に良かった点です。
ただ、軽いということは倒れやすいということでもあります。ミニ三脚は脚が短いので、そもそも支える底面が小さい。そこにスマホの重さが上に乗ります。うちのiPhoneはケース込みで240gくらいなので、三脚の3倍の重量が頭にある状態です。重心が完全に上。
対策として覚えたのが、脚を開く角度でした。最初は3本を均等に開いて置いていたんですが、これだとスマホが向いている方向、つまり前方に倒れます。脚のうち1本をスマホの向きと同じ方向に伸ばして置くと、前に倒れる力をその脚が受けてくれる。これに気づくまで3回倒しました。
もうひとつ厄介なのが絨毯です。うちのリビングにはプレイマットの上に厚手のラグを敷いているんですが、この上だと脚の先が沈みます。3本が均等に沈めばいいものの、実際には片方だけ沈んで、時間をかけてじわじわ傾く。撮り終わって確認したら、開始5分で構図が斜めになっていたことがありました。今はラグの上に硬い絵本を1冊置いて、その上に三脚を立てています。見た目は悪いですが確実です。
生後6ヶ月の手は、思ったより高いところまで届く
そして本題です。子どもは三脚を倒します。
ミニ三脚を伸ばした状態の高さは、うちの使い方だと床から20cmほど。座った赤ちゃんの手の高さと完全に一致します。生後6ヶ月で寝返りとお座りができるようになった時点で、これは完全に射程圏内でした。
置いた瞬間は興味を示さないんですが、5分もすると近づいてきます。掴む。引っ張る。倒れる。一度、フローリングの上で前方に倒れて、画面から先に落ちました。ケースの縁が当たってくれたので割れませんでしたが、拾い上げたときに手が冷たくなりました。あれが角度1つ違っていたら、修理見積もりの話になっていたはずです。
それ以来、置く場所を変えました。床に置くのをやめて、テレビ台の上か、子どもの手が届かない棚の縁に置いています。高い位置から見下ろす角度になるので、映像としてはやや監視カメラっぽくなります。表情も少し撮りにくい。でも、割るリスクと引き換えなら受け入れられる妥協でした。子どもの成長に合わせて、置ける高さは毎月上がっていく。ここは想定しておいたほうがいいです。
三脚ネジの規格を知っておくと、後で無駄がない
エンジニアとして地味に嬉しかったのが、この三脚がカメラ用の三脚ネジに対応していたことです。
カメラ業界の三脚ネジは1/4インチ(正確には1/4-20 UNC)という規格で統一されています。ミラーレスでも一眼レフでもアクションカメラでも、底面のネジ穴はこれ。だから、スマホホルダー部分を外せば普通のカメラも載せられるし、逆に別のスマホホルダーを買ってきてこの三脚に付けることもできます。
実際、私は後からもう少し掴む力の強いホルダーを別途買って、載せ替えて使っています。ネジ規格が共通なので、こういう組み替えが効く。1,380円の製品でも規格に乗っているだけで寿命が延びるというのは、ソフトウェアの世界と同じ話だなと思いました。ちなみに大型の業務用三脚には3/8インチという太いネジもありますが、スマホ用の周辺機器で出てくるのはほぼ1/4インチです。
ワイヤレスリモコンは便利だが、切れる
置いて撮るなら、離れた場所からシャッターを切りたくなります。この三脚にはリモコンが付いていないので、別売りのBluetoothリモコンを買いました。500円くらいの、ボタンが2つだけのやつです。
仕組みは単純で、Bluetoothキーボードとしてスマホに接続され、音量アップのキー信号を送っているだけ。カメラアプリは音量ボタンでシャッターが切れるので、それを利用しています。この構造を知っていると、うまく動かないときの切り分けが速い。
問題は接続が切れることでした。省電力のために一定時間で自動的にスリープに入る仕様で、うちのは3分ほど放置すると落ちます。しかも復帰するのにボタンを押してから2〜3秒かかる。子どもが良い顔をした瞬間に押しても、その2秒で終わっているんですよね。何度か「今のを撮りたかったのに」となりました。
結局、静止画をリモコンで狙うのはあきらめて、動画を長めに回して後から静止画を切り出す方法に変えました。iPhoneなら4K動画から静止画を書き出せば、ある程度の画質は残ります。リモコンは今、集合写真を撮るときだけ使っています。年始に実家で祖父母と4人で撮ったとき、これだけは役に立ちました。
半年経って、私が写っている写真は300枚を超えました。うち200枚以上は三脚で撮った動画から切り出したものです。写りは正直よくない。寝癖はついているし、部屋着だし、顔も半分切れているものが多い。それでも、抱っこして歩き回っている自分がそこにいるのは、38枚だった頃よりずっといい状態だと思っています。
この記事は個別のレビューです。育児中に効いたスマートホーム機器の全体はスマートホーム|育児中に本当に効いたもので振り返っています。

