スタッドレスタイヤ|買うか履き替えないか

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年に1回か2回しか雪が積もらない地域で、スタッドレスタイヤを買うかどうか。答えは人によって変わるので、ここに書くのは私の家の事情での判断です。結論から言うと、うちは買いました。決め手は雪の日の外出ではなくて、夜中に子どもを病院へ運ぶ可能性のほうでした。金額だけを見れば割に合わない買い物です。それでも買った理由と、買う前に真剣に悩んだ保管場所の話を書きます。

「降ったら乗らない」で済まなかった想定

去年までの私は、雪の日は乗らなければいい、と本気で思っていました。実際そのとおりで、平日は在宅勤務なので通勤がない。週末に雪が降っていれば、買い物は歩いて行ける範囲で済ませられます。年間5,000kmしか走らない家で、年に1〜2回の降雪のためにタイヤをもう1組持つのは、どう計算しても無駄に見えた。

考えが変わったのは、子どもが生後2ヶ月のときに38度台の熱を出した夜です。結果的には受診して問題なしだったんですが、あのとき妻と交わした会話が残っています。「これ、雪の日だったらどうしてた?」

救急車を呼ぶほどではない、でも様子がおかしいから今すぐ見てもらいたい。この中間の状態が、乳児だとかなり頻繁に来ます。タクシーは深夜だと配車に時間がかかることがあるし、チャイルドシートもない。そのときに「今日は雪だから車が出せません」という状態を自分で作ってしまっていることが怖い、と思いました。雪の日に出かけるためではなく、出かけられる選択肢を残すために買う。私の中の理屈はそこで固まりました。

ただしこれは、私の家の条件での判断です。近くに歩いて行ける病院がある人、雪が10年降っていない地域の人、そもそも雪の日に絶対に運転しないと決めている人には、まったく違う答えが出ます。断定できる話ではありません。

買ったのはヨコハマのiceGUARD 7

選んだのはヨコハマのiceGUARD 7、型番でいうとiG70の15インチです。氷の上での性能を売りにしているシリーズで、うちの想定はガチガチの凍結路というより、都市部の圧雪と、明け方に凍った橋の上あたり。国内メーカーの現行世代なら大きく外さないだろう、という選び方をしました。

楽天では、ブリヂストンのブリザックをはじめとした4本セットが同じような枠で並んでいます。銘柄の優劣を私が判定できるとは思っていません。何年も乗り比べたわけではないので。ひとつだけ確かなのは、スタッドレスは夏タイヤより高いということです。同じサイズで比べて、体感としては数千円から1万円以上の差が出ます。

短所も並べておきます。スタッドレスは柔らかいゴムで、夏のドライ路面を走ると減りが早いとされています。だから春になったら履き替える前提の商品です。ブレーキの効き方も夏タイヤとは違い、カーブでふらつく感じがある。うちは春先の1ヶ月ほど履きっぱなしにしてしまった年があって、ハンドルの手応えが妙にぬるいのが気になりました。それとゴムの経年で3〜5シーズンほどで性能が落ちるとされていて、溝が残っていても年数で寿命が来ます。使用頻度が低いうちのような家ほど、走り切る前に年数で終わる可能性が高い。ここは正直、痛いところです。

いちばん悩んだのは、性能ではなく置き場所

賃貸マンションの2LDKに、タイヤ4本を置く場所はありません。ベランダは避難経路になっていて物を置けない規約ですし、そもそもゴムの塊を日光に晒すのは保管方法として良くない。駐車場は平置きで月14,000円、当然ながら物置スペースはついていません。

15インチのタイヤは、ホイールなしの単体でも1本10kg前後、ホイール付きだと15kg前後になります。4本で40〜60kg。コンパクトカーの荷室に4本を積むと、後席を倒しても前が見えるかどうかというレベルで、子どもを乗せた状態では運べません。つまり自分で運ぶなら、タイヤだけを運ぶ往復が年2回発生する。

そこで使ったのがタイヤ保管サービスです。購入した店に預けて、シーズンごとに履き替えのタイミングで出してもらう仕組み。料金は年間1万円前後からというのが目安で、店舗やサイズ、ホイール付きかどうかで変わります。私が使っているところは、預かり料に脱着の割引が付く形でした。契約前に、預ける期間の数え方と、途中で解約したときの扱いを確認しておいたほうがいいです。

1回あたりいくらになるのか、割ってみた

数字にしてみないと納得できない性分なので、ざっくり計算しました。タイヤ本体を仮に5万円として、寿命を4シーズンとすると年12,500円。保管料が年10,000円前後。履き替え工賃は1回4,000円前後で年2回だから8,000円。合わせて年間およそ30,000円です。

そして、うちがスタッドレスの出番として想定しているのは年に1〜2回。単純に割ると1回あたり15,000円から30,000円という数字になります。1回タクシーを呼んだほうが安い、という指摘は正しい。

それでも払うことにしたのは、この費用が「雪の日に出かける権利」ではなくて「雪の日でも動ける状態を維持する保険料」だと整理できたからです。保険は使わなければ損に見えるもので、それは車両保険や火災保険と同じ性質のものだと考えました。年3万円の保険料を高いと見るか安いと見るかは、家庭の予算と、近くにどんな医療機関があるかで変わります。私の家は最寄りの小児科まで歩くと20分、坂道です。

オールシーズンタイヤを検討して、やめた理由

実は最初、オールシーズンタイヤに傾いていました。履き替え不要、保管場所不要、年2回の工賃も不要。うちの走り方には理想的に見えます。

調べていくうちに分かったのは、雪の性能はスタッドレスに及ばず、特に氷の上での差が大きいとされていることでした。シャーベット状の雪や浅い積雪までは対応できても、凍結路は守備範囲外だと説明されることが多い。私が想定していたのは明け方の凍った路面だったので、そこが弱いなら意味がない。

見分け方として覚えておくといいのが、側面のマークです。

  • M+S(マッド&スノー)表示だけのものと、雪の結晶が山に描かれたスノーフレークマーク(3PMSF)が付いているものがある
  • 3PMSFは一定の雪上性能試験をクリアした証で、オールシーズンを名乗る製品でもこのマークの有無は分かれる
  • 高速道路などの冬用タイヤ規制やチェーン規制で何が認められるかは、規制の種類と道路管理者によって扱いが変わる。特にチェーン規制のときは冬用タイヤでもチェーンが必要になる場面がある

この規制まわりは、その年の運用や地域で変わるので、出かける前に道路情報を確認するのが確実です。私は長野の妻の実家へ行く可能性があるので、ここは毎年見るようにしています。

12月に慌てて、取り寄せに2週間かかった

失敗談です。1年目、私はオールシーズンで乗り切るつもりでいました。ところが11月末になって、年末に長野へ行く話が持ち上がった。そこから慌ててスタッドレスを探し始めたんですが、12月の店頭は在庫が薄い。175/65R15という、決して珍しくないサイズですら希望の銘柄が見つからず、取り寄せに2週間かかりました。

結果、出発の4日前にようやく履き替え完了。あのときの2週間は、精神的にかなり削られました。冬タイヤを買うなら、10月中に動くのが正解です。11月に入るとキャンペーンで安くなる代わりに、作業予約が埋まります。

最後に、これだけは書いておきます。冬用タイヤを履いていても、凍った路面では滑ります。止まる距離は乾いた路面よりずっと長くなるし、ABSが効いても物理法則は変わらない。私が実際にやっているのは、雪の予報が出た日は出発を1時間早めて、速度を普段の7割くらいに落とすことだけです。装備を買うことと、安全に走れることは別の話でした。

この記事は車まわりの個別レビューです。子どもが生まれて足したもの全体は子どもが生まれて車に足したもの|1年で変わった車内にまとめています。

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