まな板と包丁|離乳食で使い分けが要る

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まな板を1枚で回すのは、離乳食が始まった時点で無理になりました。理屈では分かっていたことですが、実際に台所に立つと想像以上に面倒です。

生後6ヶ月の子どもがいる我が家では、大人の夕食用に鶏もも肉を切った直後、同じ場所で子どものにんじんを切るという動作が発生します。洗剤で洗って熱湯をかければ済む、と最初は思っていました。ところが平日の夜、調理に使える時間は20分ちょっと。その中でまな板を洗って乾かして持ち替える工程が挟まると、確実に破綻するんですよね。

結果としてまな板は3枚になりました。増やしたことで生まれた不便も含めて、半年使った実感を書きます。

生肉を切った面で、次に子どもの野菜は切れない

厚生労働省が出している家庭向けの食中毒予防の資料でも、肉や魚と、生で食べるものや加熱しないものはまな板を分けるか、順番を工夫することが推奨されています。一般的に、乳児は大人より少ない菌量で症状が出やすいとされていて、離乳食が始まった家では気にする理由が増えます。

実際に困ったのは、順番の工夫だけでは足りない場面でした。理想は「野菜を先に切って、肉を最後」です。ところが離乳食を作りながら大人の分も並行すると、この順番が守れない。子どもが泣いて中断して、戻ってきたときに何をどこで切ったか分からなくなる。うちは実際に一度、鶏肉を切った面でブロッコリーを切りかけて妻に止められました。

順番で管理するには前提として「集中できる環境」が必要で、それが一番ない家だと気づいたんです。それなら物理的に分けるほうが確実でした。

もうひとつ、離乳食は加熱するから大丈夫だろうという油断もありました。実際にはおかゆに混ぜる前の野菜を刻む工程があって、刻んだあとに加熱するとは限らない。バナナやいちごのように、そのまま潰して出すものもあります。「あとで火を通すから」が通用しない食材が、離乳食には普通にある。この当たり前を、始まってから気づきました。

3枚に増やして、置き場所で役割を固定した

いま使っているのは3枚。生肉と生魚専用の1枚、大人の野菜用の1枚、子どもの離乳食用の1枚です。色が違うものを選んで、それぞれ立てて置く場所も固定しました。手に取る前に迷わないことが目的なので、色より置き場所のほうが効いています。

肉用は使ったらその場で食洗機行き、洗い上がるまで台所に戻ってきません。だから肉用だけは2枚あってもいいかもしれない、というのが今の課題です。日曜に作り置きをする日は、肉用が食洗機の中にいる時間が長すぎる。

増やして困ったのは収納です。2LDKの賃貸で、シンク横のスペースは幅30cm程度しかありません。3枚を立てて置くと、水切りかごとの取り合いになる。シンク上に渡すラックを買って、そこに立てる形でなんとか収まりました。枚数を増やす判断は、置き場所とセットでしか成立しないというのは、買ってから痛感したところです。

食洗機に入るかどうかで、続くかどうかが決まる

3枚運用が続いている最大の理由は、全部が食洗機に対応していることです。手洗いだと、3枚洗う時点で「やっぱり1枚でいいか」に戻ります。

いま気に入っているのはLatuna(ラチュナ)まな板 抗菌 食洗機対応 滑り止め付き エラストマー ベージュ 33.5×23.5cm。エラストマーという弾性のある樹脂素材で、包丁を当てたときの感触がプラスチックの硬い板よりだいぶ柔らかい。裏面に滑り止めが付いていて、濡れた台の上でもずれません。子どもを抱いたまま片手で押さえて切る場面があるので、これは想像以上に効きました。

不満もあります。まずエラストマーは傷が付きやすい。半年使って、包丁の跡が細かく残っています。衛生的に問題があるレベルではないと思いますが、見た目は確実に劣化する。それから、素材の性質上わずかに重い。33.5×23.5cmで実測すると、同サイズの薄いポリプロピレン製より重量感があります。片手で持ち上げて鍋に流し込む動作では、少し腕にきます。

価格も安くはありません。楽天だと似た系統の「Ra Le-Na」というまな板が5,980円で売られていて、この価格帯のまな板を3枚揃えるのは現実的じゃない。うちは1枚だけこれにして、残り2枚は1,000円前後の薄いプラスチック製にしています。毎日一番使う1枚に予算を寄せるという配分です。

抗菌加工は、洗わなくていい理由にはならない

抗菌と書かれた製品を3枚とも選びましたが、これに関しては期待値を下げています。抗菌加工は表面での菌の増殖を抑える方向の機能であって、付いた菌を消してくれるものではありません。生肉の汁が残った状態で放置すれば、抗菌でも普通に汚れます。

だから運用は変えていません。肉を切ったら即座に食器用洗剤で洗って食洗機へ。抗菌加工に払っているお金は、あくまで「洗い残しがあったときの保険」くらいの位置づけです。この線引きをしておかないと、加工を過信して手を抜く方向に流れる気がしています。

ちなみに漂白剤による除菌は、素材によって可否が分かれます。うちの3枚のうち1枚は塩素系不可でした。買うときに確認しておかないと、あとで使えない除菌方法が出てきます。エラストマー製のものは基本的に塩素系漂白剤が使えない場合が多いので、除菌は熱湯か食洗機に頼る形になります。

週に一度、日曜の作り置きが終わったタイミングで3枚まとめて熱湯をかけるのを習慣にしました。やかんで沸かした湯を、シンクに立てた状態で上からかけるだけ。1分もかかりません。頻度を決めた掃除は続くけれど、気づいたときにやる掃除は続かないというのは、台所全般に言えることでした。

包丁は2本で足りた、けど1本だけ買い足した

まな板を増やしたので包丁も増やすべきか迷いましたが、結局2本のままです。三徳包丁1本とペティナイフ1本。肉を切った包丁も、その場で洗ってしまえば持ち替えのコストはまな板ほど高くありません。刃は1本、面は3枚というバランスに落ち着きました。

ただし、離乳食用に小さいペティナイフを1本だけ買い足しました。にんじんを5mm角に刻むような作業を三徳包丁でやると、刃の重さで手元が疲れます。1,500円ほどの安いものですが、これは買ってよかった部類です。

逆に失敗したのが、離乳食セットに付いてくる小型のプラスチック製の調理器具です。専用のものを揃えれば楽になると思って買いましたが、切れ味が足りずに結局包丁に戻りました。専用品が常に正解とは限らない、という話です。

木のまな板は、この時期には諦めた

独身時代はヒノキのまな板を使っていました。刃当たりがよくて、包丁が長持ちする。今も家のどこかにあります。

戻せない理由は単純で、食洗機に入れられないからです。木製は基本的に食洗機非対応で、洗ったら立てて乾かす手間がかかる。乾ききる前に次の調理が来る生活では、カビのリスクを自分で作りにいくようなものです。子どもの食事に関わる道具でそれをやる気にはなれませんでした。

子どもが自分で食べるようになって、調理の同時進行が減ったら、また木のまな板を出す日が来るかもしれません。今は手入れの手数が少ない道具に寄せる時期だと割り切っています。道具の良し悪しではなく、生活のフェーズの問題なんですよね。

この記事は食まわりの個別レビューです。食事をどう回すかの全体像は共働きの食事をどう回すか|1週間の仕組みにまとめています。

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