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オンライン会議の録画を見返して、自分の顔が下から見上げる角度で映っているのに気づきました。あごの下がしっかり見えている。表情も暗い。相手からずっとこう見えていたのかと思うと、なかなかきついものがありました。
原因はカメラの性能ではありません。MacBookのカメラが画面の上端に固定されていて、その画面を見下ろす位置に置いているからです。外部モニターを使っていればなおさらで、ノート本体は机の上、視線はモニター。カメラは下から、しかも横から自分を撮り続けることになります。
解決策は外付けのWebカメラでした。ただ、選ぶときに見るべきなのは画素数ではないと思っています。この記事ではそこを中心に。
内蔵カメラの問題は画質ではなく、位置と画角が動かせないこと
最近のノートPCの内蔵カメラは、性能自体は悪くありません。1080pで撮れるものが増えていて、明るい部屋なら普通にきれいです。
問題はカメラの位置を1mmも動かせないことに尽きます。カメラは画面の上端にあるので、カメラの高さは画面の高さで決まる。画面の高さは机の高さと椅子の高さで決まる。つまりカメラの高さを変えたければ、自分の座り方を変えるしかありません。
私の環境だと、外部モニターの横にMacBookを開いて置いています。この配置だと、カメラは正面ではなく斜め45度から私を撮ります。話しているときはモニターを見ているので、映像の中の私はずっと横を向いている。会議で発言していても、相手からは「別の何かを見ながら喋っている人」に見えるわけです。
もうひとつが画角。内蔵カメラは60〜70度前後の画角のものが多く、これは顔と上半身がぎりぎり入るくらいの狭さです。狭いこと自体は悪くないんですが、選べないのが問題で、椅子を後ろに引くと胸から下がスカスカになるし、近づくと顔が画面いっぱいになる。自分が動いて調整するしかないという構造が、そもそも窮屈でした。
画素数より、明るさ補正と画角で選んだほうがいい
Webカメラを探すと、4K対応や500万画素といった数字が目に入ります。私はここを追いかけるのをやめました。
理由は、会議ツール側が映像を圧縮するからです。参加者が5人いる会議で、こちらの映像が相手の画面に表示されるサイズはだいたい数百ピクセル四方。回線状況によっては解像度がさらに落とされます。4Kで送っても、相手が見ているのは4Kではない。この前提を踏まえると、画素数に払うお金の優先順位は下がります。
代わりに効くのが明るさ補正です。カメラ側で逆光や暗さを自動的に補正する機能で、製品によって性能差がはっきり出ます。私の作業部屋は西向きで、午後は窓を背にすると完全に逆光になる。補正が弱いカメラだと顔が真っ黒なシルエットになります。補正がしっかり効く製品だと、多少粒が粗くなっても顔が判別できる明るさまで持ち上げてくれる。顔が見えるかどうかは、解像度ではなく明るさの問題です。
画角も選択肢があるとありがたい。だいたい70度前後が標準で、90度を超えると広角です。広角は複数人で1台のカメラを囲むときには便利ですが、1人で使うと部屋が余計に映ります。私の場合、後ろに洗濯物が干してあることがあるので、狭いほうがむしろ都合がいい。画角を切り替えられる製品なら、場面で使い分けられます。
顔が暗いのはカメラのせいではなく、照明のせい
これは順番を間違えると数万円溶かす話です。
私は最初、映りが暗いのはカメラが安物だからだと思っていました。実際には、部屋の光源が全部天井にあったのが原因です。真上から光が当たると、眉の下と鼻の下とあごの下に影ができます。この影が「疲れて見える顔」の正体でした。
カメラをどれだけ良いものに替えても、光が上からしか来ていない限り影は消えません。カメラは光を受け取る側であって、光を作る側ではないので。
やったのは単純で、正面から顔に光を当てることでした。私はデスクにモニターライトを置いているので、それを一段明るくして手元ではなく顔の方向に少し振る。これだけで映りが変わりました。専用のリングライトを買えばもっと確実で、カメラの周囲から均等に光を当てるので影が出にくい構造になっています。
ひとつ注意点があります。リングライトを正面から強く当てると、眼鏡にリング状の反射が丸ごと映り込みます。私は眼鏡なので、少し上から角度をつけて当てるようにしています。正面ど真ん中は眼鏡ユーザーにとっては最悪の位置です。
オートフォーカスは、手元を映すときに効いてくる
固定焦点のWebカメラは、ある程度の距離ならどこでもそこそこピントが合う設計になっています。会議で顔を映すだけなら、正直これで足ります。
オートフォーカスの価値が出るのは、カメラの前に何かを持ってきたときです。私の場合はモバイルアプリのデバッグで、実機の画面をカメラに向けて「ここでこういう表示が出ます」と説明する場面が月に何度かある。固定焦点だと、スマホを近づけた瞬間に画面がぼやけて文字が読めません。オートフォーカスがあれば、数秒でピントが合います。
もうひとつ、育児中の実用面でも効いています。両親とのビデオ通話で子どもを抱っこして画面に近づけると、固定焦点では顔がぼやけます。オートフォーカスだと追従してくれる。祖父母にとっては孫の顔がはっきり見えるかどうかが全てなので、ここは地味に評価されました。
逆にデメリットもあって、オートフォーカスは迷うことがあります。背景の壁と顔の間でピントが行ったり来たりして、映像がふわふわする。手を動かしたときに反応してしまうことも。気になる場合は、ソフト側で固定できる製品を選んでおくと安心です。
結局、1080pでオートフォーカス付きの定番に落ち着いた
色々調べた末に選んだのは、フルHD1080pでオートフォーカスと自動光補正が付いた、いわゆる定番モデルです。ロジクールのC920nという、発売からかなり経っている製品ですが、この用途では現役だと思っています。
決め手は明るさ補正でした。西日の逆光でも、顔が黒く潰れずに映る。画質そのものは最新の4K機に劣りますが、前述のとおり会議では圧縮されるので差が出ません。ステレオマイクも内蔵されていて、単体でも会議は成立します。三脚穴が付いているのも実用上ありがたいポイントで、モニターの上に乗せるだけでなく、位置を自由に決められます。
短所も書きます。まずクリップがモニターの上端に乗る形なので、置き場所を選びます。ベゼルが極端に細いモニターや、上端が湾曲しているモニターだと安定しません。私は一度ずり落ちて、モニターの前にカメラがぶら下がる状態を会議中に作りました。
次にUSBポートを1つ消費すること。ノートPCのポートは常に足りないので、ハブ経由で挿すことになりますが、ハブによっては映像が途切れることがあります。私は電源付きのハブに変えて解決しました。
そしてプライバシーシャッターがないこと。この製品には物理的にレンズを塞ぐ機構が付いていないので、別売りのカバーを貼っています。常時デスクに向けられたカメラがある環境では、物理的に塞げるかどうかは確認しておいたほうがいいと思います。後継のC922nなら三脚が付属していて、楽天だと11,400円前後。三脚を使って机の上に立てたいならこちらも候補です。
最後に
外付けに替えて一番変わったのは、画質ではなくカメラの位置を自分で決められるようになったことでした。今はモニターの上、目線のわずかに上に置いています。少し見下ろされる角度になるので、顔の輪郭がすっきり映ります。
もし今から選ぶなら、優先順位はこうです。明るさの自動補正があること、画角が自分の部屋に合っていること、オートフォーカスがあること。解像度は1080pで十分だと思っています。
そして、カメラを買う前に部屋の光を見直すこと。これが一番安上がりで、効果が大きい。私はここを最後に回して、遠回りをしました。
この記事は開発環境の個別レビューです。モニター選びの判断基準そのものは開発用モニターの選び方|4K・WQHD・ウルトラワイドをコードを書く視点でで整理しています。

