4Kモニター 27インチ 比較|エディタとシミュレータを並べる前提で選ぶ

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27インチの4Kモニターを調べていると、必ず「文字が小さすぎて使えない」というレビューに当たります。私も買う前は同じことを心配していました。でも実際に使ってみると、その指摘は半分正しくて半分ずれている。等倍で使えば確かに小さい。ただ、そもそも等倍で使う人はほとんどいないんですよね。スケーリングを前提にすると、27インチ4Kは「文字が小さいモニター」ではなく「文字の輪郭が滑らかで、しかも作業領域が広いモニター」になります。私はFlutterとSwiftでアプリを書いていて、エディタとシミュレータを常に横並びにしたい。その用途で27インチ4Kを選ぶまでに考えたことを書きます。

「文字が小さい」問題はスケーリングで消える

27インチで3840×2160だと、画素密度はおよそ163ppiになります。フルHDの27インチが81ppiなので、ちょうど倍。この「ちょうど倍」というのが効いていて、200%スケーリングをかけると1ドットが2×2ピクセルで描かれ、見た目のサイズはフルHD27インチとまったく同じになります。文字だけが異常に滑らかになる。

ただ、200%だと作業領域は1920×1080相当しかありません。それだと4Kを買った意味が薄い。私が常用しているのは、macOSでいう「1920×1080相当」の一段上、2560×1440相当の設定です。この状態でVS Codeのフォントサイズを13pxにすると、行の高さは実測で約20px。40行以上が視界に入ります。フルHD27インチで同じ行数を出そうとすると文字を潰さないと無理で、そうすると今度は輪郭がガタガタになる。

数字で言うと、2560×1440相当の横幅に対して、左のエディタに約1,700px、右のiPhoneシミュレータに約800pxを割り当てています。シミュレータは実機に近い大きさで置きたいので、ここは削れない。フルHDだと右に800px取った時点でエディタが1,120pxになり、コードが折り返し始めます。この差が、27インチ4Kを選んだ一番の理由です。

擬似解像度は少しだけGPUに負荷をかける

2560×1440相当というのは、内部的に5120×2880で描画してから4Kに縮小する処理です。理屈のうえでは負荷が増えます。M系のMacBook Proでは体感差がなかったんですが、以前使っていたIntelのMacBook Proでは、ウィンドウを高速で動かしたときにわずかに引っかかる感じがありました。古いマシンで使う予定なら、ここは知っておいたほうがいい。

27か32かで3週間迷って、机の奥行きで決めた

正直に言うと、最初は32インチのつもりでした。同じ4Kなら大きいほうが文字が大きく見える。32インチ4Kは約138ppiなので、150%程度のスケーリングで自然な大きさになり、そのぶん作業領域も広く取れます。理屈としては32インチのほうが素直なんですよね。

やめた理由は机です。うちのデスクは幅120×奥行60cm。壁にぴったり寄せて、モニターアームで奥に逃がしても、目から画面までは実測で60cmちょっとしか取れませんでした。この距離で32インチを置くと、画面の左端から右端まで見るのに首を振ることになる。家電量販店で似た距離を作って試したとき、5分で「これは毎日は無理だ」と思いました。

27インチなら、視距離60cmで画面全体が視野に収まります。眼球を動かすだけで端まで届く。奥行きが70cm以上ある机なら32インチはかなり良い選択だと思いますが、60cmの机で32インチは、たぶん半年後に後悔する組み合わせです。

光沢パネルを選ばなかった理由

これは迷いませんでした。私の作業机は窓に対して横向きに置いてあり、日中は右側から光が入ります。前に使っていたモニターが半光沢で、午後3時ごろになると画面の右下に窓枠がうっすら映り込んでいました。気づいた瞬間からずっと気になる。カーテンを閉めれば済むんですが、そうすると部屋が暗くなって、今度は別の疲れ方をするんですよね。

それと、夜に部屋の照明を落として作業するとき、光沢だと自分の顔が映ります。黒背景のエディタを使っていると特に。ノングレアは表面に微細な凹凸があるぶん、白がわずかにざらついて見えるという欠点はあります。写真のプリント確認をする人には向かない。ただ、コードとターミナルとブラウザを1日8時間見る用途では、映り込みがゼロであることのほうが圧倒的に大事でした。

パネルの違いを、写真ではなくコードの視点で見る

モニターのレビューはたいてい色域の話から始まります。DCI-P3が何%、Adobe RGBが何%。ただ、私はコードを書くのが仕事で、写真の色を追い込む必要はない。それでもパネルの種類は無視できませんでした。理由は視野角です。

VAパネルは黒が締まってコントラストが高い代わりに、画面の端を斜めから見たときに色が浮きます。27インチくらいだと、正面に座っていても左右の端はそこそこ斜めから見ることになる。私が試した個体では、エディタの背景(濃いグレー)が画面の左端だけ少し明るく見えました。全画面で同じ背景色が敷き詰められるコードエディタは、この不均一さが目立ちやすいんです。写真や動画なら絵柄で気づかないところが、単色だと分かってしまう。

IPSはコントラストで劣り、暗い部屋で黒が少し白っぽく浮きます。映画を観る用途なら不利。でも画面全体の均一さでは有利で、コードを書く用途ではこちらを選びました。色域については、sRGBで99%程度あればUIの色味を確認するには十分です。DCI-P3が98%を超えるような製品はたしかに綺麗ですが、その差額をアプリ開発者が払う理由は、私には見つけられませんでした。

結局こういう構成に落ち着いた

買ったのは27インチ4K、ノングレアのIPS、USB-Cで90W給電できるモデルです。ケーブル1本でMacBook Proに映像と電源を同時に送れるので、机の上のケーブルが1本減りました。sRGBカバー率は99%。スピーカーは付いていますが、正直おまけの音です。音楽はヘッドホンで聴くので使っていません。

BenQ SW272U 27インチ 写真・動画編集向け4Kモニター IPS

BenQ SW272U 27インチ 写真・動画編集向け4Kモニター IPS

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短所も書いておきます。まず、スケーリングを前提にすると表示が崩れるアプリがまだあります。Electron製の一部ツールと、社内の古いJavaアプリで、アイコンだけが等倍サイズのままボケて表示されました。実害はないんですが、気になる人は気になると思います。

もうひとつは価格。同じ27インチでもWQHDなら3万円台から選べるのに対して、USB-C給電付きの4Kとなると実売で5万円台から、色域や輝度にこだわると10万円を超えるモデルも普通にあります。エディタを広く使いたいだけならWQHDでも足りるのは事実です。私の場合は「文字の輪郭が滑らかであること」に価値を感じたので払いましたが、これは完全に好みの問題だと思っています。

あと、USB-C 90W給電は便利な反面、モニターの電源を切るとPCへの給電も止まる仕様の製品があります。私のものは切ってもハブ機能が生きているタイプですが、買う前にここは確認したほうがいい。仕様表の細かいところに小さく書いてあることが多いです。

最後に

27インチ4Kは、等倍で使うものではなく、スケーリングして「フルHDより広くて文字が綺麗な画面」として使うものだと考えると選びやすくなります。逆に、スケーリングを設定するのが面倒だとか、古いアプリを大量に使う環境なら、素直にWQHDのほうが幸せかもしれない。

私は導入から1年ほど経ちましたが、エディタとシミュレータを並べたまま1日を終えられるようになったのが一番大きい変化でした。以前はcommand+tabでウィンドウを切り替えるたびに、頭のなかの状態がわずかにリセットされていた。その小さいロスがなくなっただけで、夕方の疲れ方が違います。

この記事は開発環境の個別レビューです。モニター選びの判断基準そのものは開発用モニターの選び方|4K・WQHD・ウルトラワイドをコードを書く視点でで整理しています。

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