防災用LEDランタン|1部屋を照らせる明るさの目安

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「1000ルーメン」と書かれていても、それが部屋のどのくらいの明るさなのか、私にはまるで想像がつきませんでした。ワット数なら「60Wの電球ね」で通じるのに、ルーメンは基準になる体験がない。

なので実際にやってみました。防災用に買ったLEDランタンを、照明を全部消したリビングで点けて、どこまで生活できるかを試したんです。結論から言うと、10畳のリビングを「不便なく過ごせる」レベルにするには、体感で400〜600ルーメンが下限。最大の1000ルーメンは、正直まぶしすぎて使いどころが限られます。その実験で分かったことと、ランタン選びで一度失敗した話を書いていきます。

照明を全部消したリビングで、1000ルーメンを点けてみた

我が家のリビングは約10畳。天井のシーリングライトは12畳用で、カタログ値は5,000ルーメンほどです。まずこの数字を基準にすると話が分かりやすくなります。

防災用ランタンの1000ルーメンは、その5分の1。「暗すぎるのでは」と思っていたんですが、点けてみると印象が違いました。シーリングライトは天井から部屋全体に均一に配るのに対して、ランタンはテーブルの1点から光る。近くはむしろ明るいくらいで、部屋の隅が暗くなる配分です。

ダイニングテーブルの中央に置いて1000ルーメンで点けたときの感想は、「まぶしい」。裸電球を至近距離で見ているのに近い。目線より下にあるので、光源が直接視界に入ってくる。ご飯を食べるどころか、正面に座った妻の顔が逆光で見づらい。

そこからダイヤルを絞って、いくつかの明るさで生活動作を試しました。体感はこんな感じです。

  • 100ルーメン前後:足元と手元は見える。部屋の隅は真っ暗。移動はできるが作業は無理
  • 300ルーメン前後:テーブルの上の作業はできる。文庫本は読めるが目が疲れる
  • 500ルーメン前後:食事も片付けもできる。部屋の輪郭がはっきりする。ここが実用の分かれ目
  • 1000ルーメン:まぶしい。天井に向けて反射させるなら使える

つまり「1部屋を照らす」目的なら、最大500ルーメン程度が出せて、そこから絞れるのが理想のライン。1000ルーメンというスペックは、明るさそのものより「余裕があるぶん好きな明るさを選べる」という意味で価値があります。カタログの最大値は、そのまま使う数字ではなく上限値。

意外だったのは光の色です。停電中の部屋で白い光を浴びていると、非常事態感が増す。暖色だと同じ明るさでも空気が落ち着きます。数値には出ませんが、見ておいて損はない項目。

明るすぎると眩しくて、かえって疲れる

私が最初に買ったランタンは、調光が「強・弱」の2段階しかないタイプでした。2,000円の安いやつ。これが使いにくい。

強は明るすぎて直視できない、弱は暗すぎて手元が見えない。夜中にミルクを作るとき、強で点けると部屋全体が起きるし、弱だと哺乳瓶の目盛りが読めません。結局スマホのライトを併用することになって、「何のために買ったんだ」と。今は物置です。

無段階調光に買い直して、この不満は消えました。停電中の夜って、意外といろんな明るさが要るんです。食事のときは明るく、寝る前は絞る、トイレに立つときは足元だけ。

一番ありがたかったのが、子どもが夜中に泣いたときでした。当時生後5ヶ月。停電テストでブレーカーを落として一晩過ごした日に、真っ暗な部屋で急に泣き出したんです。抱き上げて顔を見たいけれど、明るい光をいきなり当てたら余計に泣く。

そこでランタンをかなり絞って、常夜灯くらいの明るさで枕元に置きました。数十ルーメンあるかないか。顔の表情が分かる程度の明かりで落ち着いてくれた。真っ暗だと親も不安になるし、明るすぎると子どもが覚醒する。その中間を出せるかは、乳児がいる家では地味に重要な条件です。

懐中電灯とランタンは、代わりになる道具ではない

防災グッズを揃え始めたころ、私は「懐中電灯があるからランタンはいらない」と思っていました。完全に間違いでした。

両者は光の出し方が違います。懐中電灯は点で照らす道具。レンズで光を前方に集中させて、遠くの一点を明るくする。暗い廊下の先や分電盤を見に行くのに向いていて、指向性が高いぶん少ない電力で遠くまで届く。

ランタンは面で照らす道具です。全方向に拡散させて、置いた場所を中心に空間を明るくする。両手が空くのも大きな違いで、テーブルに置いておけば料理も片付けもできる。懐中電灯を口にくわえて作業した経験がある人なら、この差は分かると思います。

停電テストでも使い分けは自然に決まりました。リビングにいる間はランタン。トイレや玄関に行くときは懐中電灯かヘッドライト。ランタンを持って歩くと光源が視界に入って前が見づらいし、懐中電灯をテーブルに置いても天井に丸い光の輪ができるだけ。両方いる、というのが結論です。

天井から吊るすと、影が消える

買ってから気づいたことなんですが、置く高さで使い勝手がまるで変わります。テーブルに直接置くと、光源が手元より低い位置にきます。すると手や物の影が上に向かって長く伸びる。哺乳瓶を持てばその影がテーブルに広がるし、本を読めば手の影がページにかかる。吊るすとこれが解消されます。普段のシーリングライトと同じ状態になるので、影が足元に短く落ちるだけ。明るさのムラも減る。同じ500ルーメンでも、体感で1段階明るくなる感覚がありました。我が家はカーテンレールや、キッチンの吊り戸棚の取っ手に掛けています。賃貸で天井にフックを打てないので、突っ張り棒を渡して掛けるのが今の解です。

だから買うときは、上部にフックか取っ手が付いているかを必ず見た方がいい。フックも取っ手もない円筒形は、置く以外の使い方ができません。私が最初に買った安いやつがまさにそれで、値段以外の理由でも失敗でした。

リビングに置いているランタンと、正直な不満

買い直して今使っているのは、充電式のLEDランタンです。1000ルーメンで無段階調光、暖色に対応していて、上部にハンドルが付いているタイプ。価格は3,580円。ここまでに書いた条件をひととおり満たして、この値段なのが決め手でした。

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半年使った感想を。無段階調光は期待どおりで、常夜灯くらいの弱い光から食事ができる明るさまでダイヤル1つで動きます。防水なので洗面所やベランダでも気を使わない。ハンドルは折りたたみ式で、伸ばすとそのまま引っ掛けられます。

不満もあります。最大輝度での連続点灯時間が短いこと。1000ルーメンで点けっぱなしにすると、体感3〜4時間で目に見えて暗くなってきます。実用上は300〜500ルーメンで運用するので、それなら十数時間は保つ。それでも1000ルーメンで一晩使えると思っていると裏切られます。

もうひとつ、USB充電式なので停電が長引くと詰みます

充電式と乾電池式は、両方持っておく

充電式は普段の管理が楽です。ケーブルを挿せば満充電だし、電池の買い置きも要らない。ただし停電中は充電する手段がありません。モバイルバッテリーから給電できますが、そのバッテリーはスマホにも使いたい。取り合いです。数時間で復旧するなら問題ありませんが、大きな地震や台風では数日から1週間以上かかることもあるとされています。3日目にランタンが切れてバッテリーの残量も減っている、という状況は普通に起こり得る。

なので我が家は、充電式を1台、乾電池式を1台という構成にしました。普段は充電式を使って、長期化したら乾電池式に切り替える。アルカリ乾電池なら未開封で数年は保つ製品がほとんどです。

その乾電池式を選ぶとき、気をつけたことがひとつ。家じゅうの防災グッズで電池のサイズを揃えることです。我が家は単3で統一して、ランタン、ヘッドライト、ラジオを全部単3で動くものにしました。サイズがバラバラだと、どれがどれだけ残っているか把握しきれない。単3に揃えておけば、ストックを1箇所にまとめて数えるだけで済むし、足りなくなったらほかの機器から融通できます。

ロウソクだけは、防災グッズから外しました

停電時の明かりというと、ロウソクを思い浮かべる人もいると思います。防災セットにロウソクとマッチが入った商品もある。我が家にも一時期ありましたが、今は外しました。

理由は余震です。地震で停電したなら、その後に余震が来る可能性がある。テーブルの上のロウソクは揺れれば簡単に倒れます。倒れた先に紙やカーテンがあれば火が出る。停電中は消防への通報も、初期消火の水道も、平常時どおりに使えるとは限りません。

過去の大きな地震では、停電の復旧時に倒れた電気ストーブや配線から火が出る「通電火災」も問題になっています。もともと火災リスクが高い状況で、わざわざ裸火を持ち込む理由がない。乳児がいる家ならなおさらです。

LEDなら、このリスクがまるごとゼロです。倒れても消えるだけ、触っても熱くない、酸素も消費しないので締め切った部屋でも使える。明るさもロウソク1本(およそ10〜15ルーメン程度と言われます)とは比べものになりません。雰囲気を楽しむキャンドルは別として、防災用としては選ぶ理由がない道具だと思っています。

最後に

ルーメンは、5,000ルーメンのシーリングライトを基準にすると一気に分かりやすくなります。その10分の1の500ルーメンで、10畳の部屋はなんとか生活できる。100ルーメンなら移動できるだけ。この2つを覚えておけば、スペック表から実際の明るさが想像できます。

そのうえで大事なのは、最大値より下げられる幅の方。あとは、置くだけでなく吊るせること。充電式に頼りきらないこと。ロウソクを持ち込まないこと。2,000円の失敗を経て辿り着いた条件は、この4つでした。

停電した夜に、リビングでいつもどおり家族3人で座っていられるか。ランタン1台で、そこはかなり変わります。

この記事は防災グッズの個別レビューです。3人家族で実際に揃えたもの全体と買う優先順位は防災グッズ 本当に必要なものリスト|3人家族で実際に揃えた全部にまとめています。

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