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防災用の水を買おうとして、まず必要量を計算しました。3人家族で1週間分。答えは63リットル。2リットルのペットボトルで32本。ダンボール箱にすると6箱です。
ここまでは電卓で3分の作業でした。手が止まったのはその後。この6箱を家のどこに置くのか、という段階でまったく答えが出なかったんですよね。うちは都内近郊の賃貸2LDK。押し入れは布団とベビー用品で埋まっていて、クローゼットは冬物とスーツケース。空いている床なんてありません。
先に結論を書きます。保存水は「何リットル要るか」より先に「何センチの隙間があるか」から選んだほうがいい。必要量から入ると、たいてい買いすぎて廊下に積むことになります。私がまさにそれをやりました。
63リットルという数字がどこから出てくるのか
備蓄水の目安は、一般的に1人1日3リットルとされています。飲用だけでなく、調理や歯磨き、簡単な洗い物まで含めた量です。飲むだけなら1日1.5リットル程度でも足りますが、断水中はご飯を炊くのにも水を使うので、3リットルで見ておくのが無難とされています。
日数は最低3日分、推奨は1週間分。大きな災害だと断水が数日から1週間以上続くこともあるので、可能なら1週間を目指す、という考え方です。
これをうちの3人(私・妻・生後6ヶ月の子ども)に当てはめると、こうなります。
- 最低ライン:3リットル × 3人 × 3日 = 27リットル(2Lボトルで14本/6本入り箱で約2.3箱)
- 推奨ライン:3リットル × 3人 × 7日 = 63リットル(2Lボトルで32本/6本入り箱で約5.3箱=実質6箱)
乳児は体が小さいぶん飲む量は少ないですが、ミルクを作るのに毎回きれいな水が必要になるので、私は大人と同じ3リットルで計算しました。多めに見ておいて困ることはないので。
そして重さ。2リットル×6本の箱は、中身だけで12キロ。容器と段ボールを入れると実測12.6キロありました。6箱で約75キロ。これはもう「収納する」というより「床に置ける場所を探す」話です。マンションの床荷重が問題になる重さではないですが、1箱を持って階段を上がるのはけっこうしんどい。玄関からリビングまで運ぶだけで腕がだるくなりました。
箱の実寸を測ってから、家の隙間を測った
まず買う予定の箱のサイズを調べました。2リットル×6本の一般的なケースは、うちに届いたもので幅31cm × 奥行21cm × 高さ33cm。3本×2列で並んでいて、高さは2リットルペットボトル1本ぶんそのままです。
この「高さ33cm」がくせ者でした。以下、うちで実際にメジャーを当てた結果です。
押し入れ下段:入るが、奥は取り出せない
和室の押し入れ下段は幅168cm、奥行75cm、高さ48cm。高さ33cmの箱なら余裕で入ります。奥行75cmあるので、箱を奥行き方向に3列並べることも計算上は可能。
ただ、実際にやってみるといちばん奥の列は完全に死蔵になります。手前の箱を全部どかさないと届かない。ローリングストックで期限が近いものから使っていくつもりなら、奥に置いた箱は事実上使えません。結局、手前2列までにして、押し入れには3箱を置きました。
ベッド下:測る前は入ると思っていた
ここがいちばんの誤算でした。寝室のベッド下は最初「かなり空いてる」という印象だったんですが、実測したら床からフレーム下端まで18cm。2Lケースの33cmはもちろん、500mlの箱(うちで測ったもので高さ24cm)も入りません。
箱から出してペットボトルを横倒しにすれば18cmには収まりますが、そうすると期限の管理が一気に面倒になります。何本あるのか把握できないし、ラベルの印字も見えない。ここは早々にあきらめて、ベッド下は軽い衣類ケースのままにしました。
玄関の土間とシューズクローク下:1箱ぶんだけ
玄関の靴箱の下、幅40cm・奥行30cm・高さ35cmの空間がありました。ここに1箱だけぴったり収まります。玄関は避難時に真っ先に通る場所なので、持ち出す想定の水を置くには理想的。
ただし夏場の玄関は室温が上がります。うちは西向きで、8月の日中にドア付近を測ったら33度ありました。保存水は基本的に高温多湿と直射日光を避けて保管するよう書かれているので、玄関に置くのは1箱までと決めています。大半は室内の温度が安定した場所に。
キッチンの食器棚横:45cmの隙間
食器棚と壁のあいだに45cmの隙間があり、ここに2箱を縦に積みました。箱の幅31cmなので余裕あり。キッチンなので日常的に使いやすく、ローリングストックの入り口としてはここがいちばん機能しています。
合計すると、押し入れ3箱、玄関1箱、キッチン2箱で、ちょうど6箱。ただしこれは3週間かけて置き場所を作りながら少しずつ買い足した結果です。最初にやったのは、その逆でした。
6箱を一度に注文して、廊下に積んだ話
最初、私は必要量を計算した勢いのまま、6箱をまとめて注文しました。計算は正しいし、まとめ買いのほうが1箱あたりの送料負担も軽い。合理的だと思ったんですよね。
届いた日、玄関に段ボールが6つ積まれた瞬間に間違いに気づきました。置き場所を1ミリも用意していなかった。とりあえず廊下の壁際に2段×3列で積んだところ、廊下の有効幅が78cmから47cmになりました。ベビーカーが通れない。夜中に子どもを抱いて歩くと足をぶつける。妻に「これ、いつどける?」と聞かれて何も言えませんでした。
結局2週間ほど廊下に置いたまま、週末ごとに押し入れの中身を整理して1箱ずつ移していきました。手間としてはたいしたことないんですが、先に測っていれば発生しなかった手間です。もう一度やるなら、まず2箱だけ買って置いてみて、そこから足していきます。3日分=3箱を先に確保して、残りは月1箱ずつでも1週間分には届くので。
実際に買ったのはこれ
最終的に選んだのがサーフビバレッジの長期保存水(保存期間5年・2Lペットボトル×6本入)です。国産の軟水で、PFAS検査済みと明記されているのが決め手になりました。うちは子どものミルクにも使う可能性があるので、そのあたりの表示がはっきりしているものにしたかったんですよね。
価格は6本で1,268円。1リットルあたり約106円です。5年保存水としては安いほうだと思います。味は完全に無味というよりごくわずかに甘さを感じる程度で、常温でも飲みにくさはありませんでした。子どものミルク用のお湯を作るのにも使いましたが、特に問題は出ていません。
不満もあります。まず段ボールが薄い。輸送用としては十分ですが、3段積むと下の箱の側面がわずかにたわみます。うちは押し入れで2段までにしていますが、長期間積みっぱなしにするなら2段が限度だと思います。
それと賞味期限の印字が見つけにくい。箱にも記載はありますが、ボトル側はラベル脇の小さな印字なので、押し入れの奥から引っ張り出して読むのはけっこう面倒です。私は届いた日に太いマジックで箱の側面に「2030.7」と大書きしました。これは全部の箱でやっておいたほうがいいです。
あとこれは商品というより長期保存水全般の話ですが、手元に届いた時点で製造から数ヶ月経っていることがある。「5年保存」でも、実際に残っているのが4年半ということはふつうにあります。届いたら期限を確認して、5年後ではなく実際の期限日で入れ替え時期を考えたほうが安全です。
2Lだけで揃えなかった理由
コストだけ見れば、全部2リットルで揃えるのがいちばん安い。それでも私は500mlを1ケース(24本)だけ別に買っています。
理由は2つあって、ひとつは持ち出し。避難所や車に移動するとき、2リットルボトルはリュックに入れると重量バランスが崩れるし、そもそも1本2kgです。子どもを抱っこして持てるものではありません。500mlなら妻のリュックにも2本、私のリュックにも3本と分散できます。
もうひとつは衛生面。断水中に2リットルを開栓すると、飲みきるまでに時間がかかります。夏場に口をつけたボトルを常温で置いておくのは避けたい。500mlなら1回で使い切れるので、開けっぱなしのボトルが増えません。乳児のミルクに使うぶんは、特にここを気にしました。
価格差は正直あります。同じ5年保存水でも、500mlは1リットルあたりに直すと2リットルの1.5倍前後になることが多い。全量を500mlにすると予算が跳ね上がるので、2リットルを主力にして、500mlは持ち出し用に1ケースだけという配分に落ち着きました。うちの場合、63リットルのうち12リットルぶんが500mlです。
普通のミネラルウォーターを回すという選択肢
そもそも5年保存水じゃなくてもいいのでは、という話も検討しました。いわゆるローリングストックです。普通のミネラルウォーターを多めに買っておいて、日常的に飲みながら減った分を買い足していく。
価格を比べると、スーパーで買う2リットル×6本の一般的なミネラルウォーターが600〜900円前後。1リットルあたり50〜75円です。今回の5年保存水が1リットル約106円なので、だいたい1.5〜2倍の差があります。63リットル分で計算すると、差額は2,000〜3,500円くらい。思ったほど大きくはありません。
じゃあどっちがいいのか。私は両方使うことにしました。理由は管理コストです。ローリングストックは安いかわりに、賞味期限が半年から2年程度なので、年に何度も入れ替えの判断が発生する。キッチンに置いて日常的に飲むぶんなら自然に回りますが、押し入れの奥に入れた箱を年2回引っ張り出して期限を確認する作業は、正直続く気がしませんでした。
なので、キッチンに置いている手の届きやすい2箱は普通のミネラルウォーターにして日常的に消費し、押し入れと玄関の動かさない4箱を5年保存水にしています。取り出しにくい場所ほど長期保存にする。この振り分けにしてから、期限管理でバタバタすることがなくなりました。
最後に
買う前にやっておくといいのは、家の中で水を置けそうな場所を3ヶ所ぶん、幅・奥行・高さの3辺を測っておくことだけです。5分で終わります。そのうえで「高さ33cm、幅31cm、奥行21cmの箱が何個入るか」を数える。その数が、いま無理なく持てる備蓄量です。
63リットルという数字は目標としては正しいけれど、置き場所がないまま買ってもうまくいきません。うちみたいに廊下が半分になるだけです。3日分の3箱から始めて、置き場所を作りながら1週間分に近づけていくほうが、結果的に長続きすると思います。
ちなみに今、次に気になっているのは水の重さの分散です。6箱を押し入れ1ヶ所に集めると、そこが使えなくなったときに全部失う。部屋を分けて置くほうがいいらしく、そのあたりは配置を見直しているところです。
この記事は防災グッズの個別レビューです。3人家族で実際に揃えたもの全体と買う優先順位は防災グッズ 本当に必要なものリスト|3人家族で実際に揃えた全部にまとめています。

