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アイロン台を捨てました。正確には、実家に引き取ってもらいました。幅70cmほどのスタンド式で、賃貸2LDKのクローゼットの中でずっと邪魔だったやつです。代わりに買ったのが衣類スチーマー。週に1回だけある出社日のシャツのために、あの台を出して広げてアイロンをかけて畳んでしまう、という一連の作業がどうしても続かなかったんですよね。半年使って、置き換えて正解だった部分と、正直これは無理だという部分がはっきり分かったので書いておきます。
週1のシャツのために、20分の儀式をやっていた
在宅勤務が中心になってから、シャツを着る日は木曜だけになりました。月に4回。この頻度が微妙なんです。
毎日着るなら、アイロン台を出しっぱなしにする運用が成立します。まったく着ないなら、そもそも悩まない。週1というのは、道具を出す手間が完全に無駄に感じられる頻度でした。台を引っ張り出して脚を広げ、アイロンに水を入れて温まるのを待ち、かけて、冷まして、片付ける。実測すると準備と片付けだけで8分、かける時間が2分。作業の8割が段取りです。
そして子どもが生まれてから、この20分が本当に取れなくなりました。夜にやろうとすると寝かしつけとぶつかる。朝にやろうとすると、アイロンの熱源を出している間、子どもから目を離せない。結果どうなったかというと、しわのあるシャツの上からジャケットを羽織って出社する、という妥協が3週続きました。妻に「それ、ずっと同じ折り目ついてるよ」と言われたのが買い替えの直接のきっかけです。
ハンガーにかけたまま、というのが本質だった
買ったのはパナソニックの衣類スチーマー NI-FS70A-K。カームブラックの、片手で持てるサイズのやつです。
使い方は単純で、シャツをハンガーにかけたまま、片手で裾を軽く引っ張って、もう片方の手でスチームを当てながら上から下へ滑らせるだけ。クローゼットの扉に引っ掛けたまま処理できます。台がいらないので、立ったまま、1分半で終わる。
この「置く場所がいらない」という点が、思っていたよりずっと重要でした。賃貸のリビングには、アイロン台を安全に広げられる余白がそもそもありません。ベビーマットとプレイジムとおむつのストックで床は埋まっています。作業スペースを要求しない道具は、それだけで生活に入り込みやすいんですよね。
立ち上がりは約30秒。カタログの数字どおりで、コンセントに挿してスチームのランプが点くまでの間に、シャツをハンガーに掛け直す時間くらいしかありません。ここが3分かかる機種だったら、たぶん結局使わなくなっていたと思います。
360度スチームの意味が、使って初めて分かった
スペック表に「360°パワフルスチーム」と書いてあって、買う前は正直ピンときていませんでした。上向きでも下向きでもスチームが出る、というだけの話だろうと。
実際に使うと、これは姿勢の自由度の話でした。ハンガーにかけた服の脇や袖の内側を処理するとき、本体はどうしても斜めや逆さに近い角度になります。傾けるとスチームが止まる機種だと、そのたびに持ち替えることになる。うちの使い方だと、襟の裏と袖口が一番しわになるので、ここを角度を気にせず処理できるのは実用的な差でした。
それと、脱臭のほうが出番が多い。焼肉に行った翌日のジャケット、押し入れにしまっていた冬物のにおい。子どもの吐き戻しがついた自分のTシャツを、洗濯までのつなぎでスチームだけかける、みたいな使い方もしています。洗える素材ならもちろん洗ったほうがいいですが、ウールのニットは毎回洗えないので。
折り目はつかない。ここは正直に書いておく
一番の短所です。スチーマーはしわを伸ばす道具であって、形をつける道具ではありません。
スラックスのセンタープレス、シャツの袖の折り目、シャツの襟をパリッと立てる。このあたりは、スチームだけでは再現できません。私のシャツは襟が柔らかいカジュアル寄りのものが多いので困っていませんが、ビジネス色の強い職場でクリースの入ったスラックスを穿く必要があるなら、スチーマー単体では足りないと思います。
買った機種はプレスもできる2WAYで、平らな面に押し当ててアイロンのように使うこともできます。ただ、底面積が普通のアイロンよりずっと小さいので、シャツ1枚を全面プレスするのは現実的ではありません。襟先だけ、袖口だけ、といった部分的な補強に使うものだと考えたほうがいい。
厚手には力不足で、水漏れもする
もうひとつ。デニムのシャツと、厚手のコットンのシャツは苦手です。生地が重いぶん、スチームの水分が繊維の奥まで入る前に表面で逃げてしまう感じがあって、同じ場所を3往復しても薄く跡が残ります。薄手の綿シャツやポリエステル混のブラウスは1往復できれいになるので、素材による差がはっきり出ます。
水漏れも起きます。予熱が足りないうちにトリガーを引いたとき、スチームに混じって水滴が落ちる。濃い色のシャツだと水染みになって、乾くまで待つはめになります。対策は単純で、ランプが点いてから10秒ほど余分に待って、最初の3回は服から離してスチームを空打ちすること。これを習慣にしてから、ほぼ起きなくなりました。
タンク容量は約130mLで、シャツ2枚分くらいで一度切れます。連続でシャツ5枚を処理する家庭だと、途中の給水が面倒に感じるかもしれません。うちは1回1枚なので気になっていません。
水は水道水を入れています。ミネラルウォーターや浄水器を通した水のほうがよさそうな気がして、最初は浄水を使っていたんですが、取扱説明書を読んだら逆でした。水道水に含まれる塩素が雑菌の繁殖を抑えるので、水道水が推奨されている。良かれと思ってやったことが説明書と逆だった、という典型例です。使い終わったらタンクの水は毎回捨てる。これも面倒ですが、ノズルが詰まって噴射が弱くなるのを防ぐには必要な手間でした。
アイロンを完全に置き換えられるかは、服装で決まる
半年使った結論として、うちの場合はアイロンを手放して問題ありませんでした。私は週1のシャツ、妻は在宅がほとんどで、たまにワンピースやブラウスのしわを取る程度。この用途なら、スチーマー1台で足ります。
逆に、毎日ドレスシャツを着る、スーツのパンツにプレスが必要、リネンの服が多い。このどれかに当てはまるなら、アイロンとアイロン台は残しておいたほうがいいと思います。スチーマーは追加で持つと便利な道具であって、上位互換ではないので。
私の失敗を1つ書いておくと、最初に手を出したのは3,000円台のノーブランドのスチーマーでした。立ち上がりが公称60秒、実際は2分近くかかって、スチーム量も安定しない。2週間で使わなくなって、結局買い直しています。この手の道具は、待たされた瞬間に生活から外れる。安さで選んだぶんを丸ごと捨てた形になりました。
クローゼットの床が空いて、そこに子どものおもちゃの箱が入りました。家電を1つ増やして家具を1つ減らす、という交換ができたのが、この買い物で一番よかった部分かもしれません。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

