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子どもが生まれる前、空気清浄機は「あれば安心」くらいの家電だと思っていました。今は少し違います。生後6ヶ月の子どもは、1日のうち14時間くらいを寝室で過ごしていて、その部屋の空気は完全に親の管理下にある。ならスペックの前に、まず何を優先するかを決めるべきだった、というのが半年かけて出した結論です。適用畳数、加湿機能の有無、静音性、フィルター代。この4つの優先順位を、うちの場合はどう決めたかを書きます。
適用畳数は「部屋の広さ」で選ぶと足りない
まず最初につまずいたのがここです。寝室は6畳。だから「8畳対応」を買えばいい、と思っていました。
調べてみると、日本の空気清浄機の適用畳数は、日本電機工業会の基準で「30分でその広さの空気をきれいにできる能力」として表示されているものです。つまり、表示畳数ぴったりの部屋で使うと、きれいになるまで30分かかる計算になる。しかもこれは最大風量で運転した場合の数値です。
夜、寝室で使うときに最大風量では回せません。静音や弱で運転すると、風量は数分の1になります。ということは、実際の浄化速度は表示よりずっと遅い。6畳の部屋なら、13畳や20畳対応くらいを選んで、弱運転で余裕を持たせる。これが実際の使い方に合った選び方でした。
もうひとつ、賃貸の間取りの問題があります。うちは寝室とリビングが引き戸1枚でつながっていて、日中は開けっぱなし。この状態だと6畳の閉じた空間ではなく、実質15畳くらいの連続した空間として考える必要があります。ドアを閉めない生活をしているなら、その分も足したほうがいい。
加湿一体型を選ぶかどうかで、一番迷った
次の分岐がこれでした。加湿機能付きの空気清浄機は、1台で2つの役割をこなします。置き場所が1つで済むのは、2LDKの賃貸にとって明確な利点です。
ただ、手入れは確実に増えます。加湿トレーには水が溜まりっぱなしになるので、放置すればぬめりが出るしカビも生えます。加湿フィルターは水垢で固くなり、定期的にクエン酸でつけ置きする必要がある。空気をきれいにするための機械が、内部で雑菌を育てていたら本末転倒なんですよね。
私の答えは、一体型を買って、加湿は使いたい時期だけオンにするというものでした。加湿タンクとトレーの水を抜いておけば、残りの半年はただの空気清浄機として動きます。冬の3ヶ月だけ加湿を使い、その間は週1でトレーを洗う。これなら手入れの総量が読めます。
逆に、加湿を本気でやりたいなら専用機を別に買ったほうがいいとも思っています。一体型の加湿能力は500mL/h前後で、乾燥する日のリビングには足りません。1台で全部やろうとすると、どちらも中途半端になります。
結局、寝室に置いたのはこれ
選んだのはシャープの KC-J50C-H です。プラズマクラスター7000搭載で、適用畳数は13畳、加湿は500mL/h。6畳の寝室に対して倍以上の余裕がある計算になります。
決め手は薄さでした。奥行きが薄い設計で、ベビーベッドと壁の間の細い隙間に収まる。背面全体で吸い込む構造なので、壁からある程度離す必要はありますが、前面に大きなスペースを要求しないのは賃貸だと効いてきます。
集じんフィルターは10年交換不要とされているタイプ。ここも比較検討では大きな要素でした。詳しくは後述します。
静音性を最優先にした理由
夜通し回す機械の音は、性能表のどの数字よりも生活に影響します。ここは断言できます。
うちが選んだ機種の静音運転は、公称で20dB台前半。実際に枕元1.5mの位置に置いて寝てみると、意識すれば聞こえる程度の低い風切り音があります。慣れれば気になりません。問題は自動運転のほうで、料理のにおいやほこりを検知すると勝手に風量が上がる。深夜に急に「ゴー」と鳴って、子どもが起きたことが2回ありました。
それ以来、日中は自動運転、就寝前に静音固定へ切り替える運用にしています。手動で切り替える一手間はありますが、夜中に子どもを起こされるコストと比べれば安いものです。夜間自動で暗くなると静かになる機種もありますが、検知次第で上がる設計に変わりはないので、寝室で使うなら固定運転できるかを確認したほうがいいと思います。
あと、LEDの明るさも見ておくといい。空気の汚れを色で示すランプが青く光り続けるタイプは、暗い寝室だと結構まぶしいです。うちの機種は表示を消灯できるので助かりました。
フィルター代を10年で割ってみた
本体価格だけで比べると判断を間違えます。維持費を年額に直すと、機種間の差が見えてきました。
うちの機種は集じんフィルターが10年交換不要とされていて、脱臭フィルターも同様。定期的にやるのは、プレフィルターのほこりを掃除機で吸うこと(2週間に1回が目安)と、加湿フィルターの手入れくらいです。加湿フィルターは1〜2年で交換する消耗品で、2,000円前後。
これに対して、海外メーカーの一部モデルは高性能なぶん、フィルターが1年ごとの交換で、1回8,000円から1万円かかるものがあります。10年で8万円。本体が2万円安くても、5年で逆転します。ランニングコストを含めた総額で比べると、判断が変わることがあるんですよね。
電気代も見ておきます。うちの機種の消費電力は、静音運転でおよそ5W前後、最大でも50W程度。仮に1日20時間を静音で回して、月に100円いくかどうかという水準です。24時間つけっぱなしにする前提の家電なので、ここが安いのは安心材料でした。逆に、消費電力が数百Wになるタイプは、常時運転すると年単位で効いてきます。
ただし「10年交換不要」は、あくまで規定の条件下での目安です。ペットがいる家や喫煙者がいる家では寿命は短くなりますし、においが取れなくなってきたら年数に関係なく交換したほうがいい。うちの場合、半年で集じんフィルターの表面はうっすら灰色になっていました。
不満と、買う前に確認すべきこと
本体は薄いとはいえ、幅40cm弱、高さ60cm強はあります。床面積を確実に取る家電なので、置き場所を決めてから買ったほうがいい。私は買ってから、コンセントの位置とベビーベッドの位置の関係でコードが子どもの手の届く高さを横切ることに気づいて、家具の配置を組み替えました。
加湿を使う時期のカビリスクは、やはりゼロにはなりません。うちは1度、2週間放置したトレーの底がぬるっとして、慌てて分解洗浄しました。使わない時期は必ず水を抜いて乾かす。これを守れないなら、加湿なしのモデルのほうが幸せだと思います。
最後に、これは効果の話ではなく気持ちの話ですが、空気清浄機を置いたからといって、部屋のほこりが消えるわけではありません。床に落ちたほこりは吸い込まれないので、掃除機をかける頻度は変わっていない。子どもがいる部屋の空気で本当に効いたのは、換気とこまめな床掃除と、その上での空気清浄機という順番でした。優先順位を逆にしないほうがいいと思います。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

