※ この記事にはプロモーションが含まれています。
炊飯器に3万円出すのは高いのか。これをずっと決めかねていました。1万円のマイコン炊飯器でも米は炊けます。味の差は確かにあるらしいけれど、その差に2万円の価値があるのか、数字で説明できない。エンジニアの職業病かもしれませんが、根拠なく高いものを買うのが苦手なんですよね。結局、使用回数で割るという単純な計算をして納得しました。その考え方と、方式ごとの実際の違い、そして離乳食が始まった今の使い方を書きます。
1日1回、10年。使用回数で割ると見え方が変わる
うちは毎日炊きます。共働きで平日は帰宅が遅いので、タイマーで朝に炊いて、朝食と弁当と夕食に分けて使う。年間で350回くらいは炊いている計算です。
炊飯器の寿命は一般的に6〜10年程度とされています。仮に7年使うとして、350回×7年で2,450回。3万円の炊飯器なら1回あたり12円、1万円なら4円。差は1回8円です。
この8円をどう見るか。缶コーヒー1本より安い金額で、毎日食べるごはんの味が上がるなら払う価値がある、と私は判断しました。逆に、週に2回しか炊かない家庭なら、同じ計算で1回あたりの差は30円近くになります。使用頻度が高いほど、高い機種の元は取りやすい。当たり前の話ですが、この計算をするまで決められませんでした。
ちなみに、外食やパックごはんとの比較もしてみました。パックごはん1食が150円前後、自炊なら米代だけで50円程度。炊飯器の差額2万円は、パックごはんとの差で計算すると200食ほどで回収できます。半年ちょっとです。
マイコン、IH、圧力IH。味の差はどこに出るか
方式を整理します。ここは仕組みを理解すると、味の違いの理由が納得できました。
マイコン式は、釜の底にあるヒーターで加熱する方式。熱源が一箇所なので、釜全体を均一に高温にするのが苦手です。価格は1万円前後から。3合以下の少量を炊く用途や、一人暮らしなら十分に成立します。
IH式は、釜そのものを電磁誘導で発熱させる方式。釜全体が熱源になるので、大火力で対流を起こせる。米が釜の中でしっかり動くと、粒の一つひとつに均一に熱が入ります。マイコンとの差はここが一番大きい。
圧力IH式は、IHに加えて釜の中を加圧する方式。圧力をかけると水の沸点が100度を超えるので、より高温で炊ける。米の芯まで熱が入りやすく、もちもちした食感になりやすい。玄米や雑穀のように硬い米を炊くときの差が特に出ます。
味の方向性でいうと、圧力IHはもちもち、非圧力のIHはしゃっきり、という傾向があります。だから圧力IHが常に上位というわけでもなくて、粒立ちのいいごはんが好きなら非圧力のIHのほうが好みに合う、ということが普通に起きます。うちは妻がもちもち派、私がどちらでもいい派だったので、圧力なしのIHでも十分だろうという話になりました。
選んだのは非圧力の5.5合IH
パナソニックのおどり炊き SR-N310D-K です。5.5合炊き、大火力包み加熱をうたうIHタイプ。
圧力IHの上位機種と最後まで迷いました。決め手は2つあります。ひとつは、圧力機構があるとパーツが増えて手入れの点数が増えること。蒸気口のユニットや圧力弁を毎回洗う機種があります。毎日使うものだから、洗う部品が1つ少ないほうがいい。
もうひとつは、炊飯時間です。圧力IHは加圧と減圧の工程があるぶん、普通に炊くと1時間近くかかる機種があります。非圧力のIHのほうが短い傾向で、うちの機種は通常炊飯で45分ほど。急ぐときの高速モードなら30分を切ります。帰宅後に「あ、炊いてない」と気づく日が月に何度かあるので、この15分は実際に効いています。
本体サイズは幅26cm、奥行き35cm弱。蓋を開けたときの高さがあるので、吊り戸棚の下に置くなら開けられるかを確認したほうがいいです。うちはレンジ台の下段のスライド棚に置いて、炊くときだけ引き出しています。
少量炊きは、どの機種も得意ではない
意外と語られないのがこれです。5.5合炊きの炊飯器で1合を炊くと、うまく炊けないことがある。
理由は単純で、釜が大きすぎるからです。水の量が少ないと対流が起きにくく、熱の入り方にムラが出る。実際、うちで1合を通常モードで炊くと、上のほうが少し硬めに仕上がることがありました。
対策としては、少量専用のモードがある機種を選ぶこと。うちのものには少量炊きのメニューがあって、火力と時間を調整してくれます。これを使うと1合でもだいぶ安定しました。ただ完璧ではありません。毎回1合しか炊かないなら、3合炊きの機種を買ったほうが素直です。私は「多く炊けるほうが便利」という理由で5.5合にしましたが、その判断は家族が増える前提だったから正解だった、という程度です。
逆に、5.5合を目一杯炊くのも実は得意ではありません。多すぎるとやはりムラが出やすい。3〜4合あたりが一番おいしく炊ける、というのが半年使った実感です。
おかゆモードが、今まさに毎日動いている
買ったときにはまったく意識していなかった機能が、離乳食が始まって主役になりました。
生後6ヶ月の離乳食は、10倍がゆから始まります。米1に対して水10。これを鍋で作ると、吹きこぼれの見張りが必要で、焦げ付きの心配もあって、20分くらいコンロの前に立つことになる。それを炊飯器のおかゆモードに投げられるのは、想像以上に大きかった。
うちのやり方は、週末に1回、おかゆモードで10倍がゆをまとめて炊いて、製氷皿に小分けして冷凍する。1週間分が1回で作れます。平日はそれをレンジで解凍するだけ。コンロを1口分空けられるのも、朝の忙しい時間だと地味に効きます。
注意点として、おかゆは通常の炊飯より水位線が別に引かれています。最初、普通の目盛りで水を入れて、ただの柔らかいごはんになりました。釜の内側に「おかゆ」用の線があるので、そちらを見る必要があります。
短所は3つ。内釜と、保温と、大きさ
内釜のコーティングは消耗品です。フッ素系のコーティングは、金属のしゃもじや、米を釜の中で研ぐ習慣で確実に傷みます。剥がれてくると、ごはんがくっつくようになる。うちはボウルで研いでから釜に移す運用にして、洗うときもスポンジの柔らかい面だけを使っています。それでも数年で劣化するもので、内釜だけ買い替えると1万円前後することがある。ここは本体価格に含めて考えておいたほうがいいと思います。
保温も万能ではありません。長時間の保温はごはんが黄色くなり、においも出ます。うちは炊いたらすぐ小分けにして冷凍し、保温は基本的に使いません。保温性能を売りにしている機種もありますが、そもそも保温しない運用なら、その性能に払う意味は薄いです。
最後に大きさ。5.5合炊きは、キッチンの一等地を占領します。蒸気も出るので、吊り戸棚の真下に置きっぱなしにすると棚の底が傷みます。賃貸だとこういうところが退去時に響くので、置き場所は慎重に決めたほうがいい。
3万円という金額そのものは、今も安いとは思っていません。ただ、1回8円の差を毎日払っていると考えると、納得できる買い物ではありました。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

