工事不要の食洗機|賃貸に置いた実際の記録

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賃貸のキッチンに食洗機は無理だと、去年まで本気で思っていました。分岐水栓の工事が要る、シンク下の配管をいじる、原状回復でもめる。そういうイメージだったからです。実際、管理会社に問い合わせたら「水回りへの器具取り付けは事前申請が必要で、承認まで2〜3週間」と言われて、その時点で心が折れました。

それが変わったのは、タンク式という選択肢を知ってからです。給水も排水もホースを繋がず、上から水を注いで、使った水はシンクにホースで流すだけ。工事はゼロ。うちは3〜4人用で食器40点が入るモデルを約3万円で買って、いま9ヶ月目です。設置の実測から給水の面倒さ、洗えない食器まで、実際の記録として書きます。

分岐水栓を諦めてタンク式に切り替えるまで

最初に検討したのはビルトインでも据置きでもなく、分岐水栓タイプでした。給水が自動なので手間がない。ただ、うちのキッチン水栓は既製の分岐水栓の適合表に載っていない型で、メーカーに問い合わせても「現物を見ないと判断できない」という回答。そこに管理会社の申請が乗ってくると、設置までに1ヶ月かかる計算になりました。

タンク式に切り替えた決め手は、退去のときに何も残らないことです。置いてあるだけなので、引っ越すときはコンセントを抜いて運ぶだけ。賃貸で家電を選ぶとき、この「元に戻せるか」はけっこう重い条件だと思っています。

先に失敗談を書いておきます。実は一度、1人用の小型タンク式を買っています。幅31cmでシンク横にすっぽり収まって、値段も1万9千円と手頃だった。ところが届いてみると、内寸の関係で26cmのフライパンも直径24cmの鍋も入らない。茶碗と皿だけ洗える機械になってしまいました。結局2ヶ月使ってフリマで売って、いまの3〜4人用を買い直しています。2人暮らし+乳児でも、選ぶなら3人用以上です。

置けるかどうかは3つ測れば分かる

買う前に測ったのは、幅、奥行、そして扉を開けたときの前方スペースです。この3つ目を忘れると詰みます。

いまのモデルは本体が幅42cm、奥行42cm、高さ47cm。うちのキッチンはシンク横の作業台が幅80cm、奥行55cmだったので、幅は問題なし。奥行も余ります。問題は扉でした。手前に開くタイプなので、開いた状態で本体前に40cmほどの空間が要る。キッチンの通路幅が90cmあってぎりぎり通れましたが、80cm台の家だと扉を開けた瞬間に通行不能になります。

高さも一度確認してください。うちは吊り戸棚の下端まで68cmあったので47cmの本体は入りましたが、排気の関係で上に10cm以上の空きが要ります。蒸気が真上に抜ける機種を吊り戸棚の直下に置くと、戸棚の底板が湿気でやられる。実際、蒸気の抜け方を見たかったので最初の3回は戸棚の底に手をかざして温度を確かめました。

それから耐荷重。本体が約22kg、そこに水5Lと食器が乗るので、稼働時はおよそ30kgです。うちは天板が人工大理石のカウンターだったので問題ありませんでしたが、後付けのラックやワゴンに乗せる場合は耐荷重表示を確認したほうがいい。30kgを支えられないラックは普通にあります。

食洗機 3~4人用 独立乾燥モード搭載 工事不要 食器洗い乾燥機 食洗器 食器乾燥 高温洗浄 洗浄タンク式 simplus シンプラス SP

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給水の手間。これが唯一にして最大の欠点

正直に言うと、タンク式の欠点は給水がすべてです。それ以外に大きな不満はありません。

1回の運転で約5L。付属の給水カップが1.2Lくらいなので、4回か5回、シンクで汲んで注ぎ口に入れる作業が発生します。時間にして1分半ほど。たった1分半なんですが、これが毎日となると存在感がある。特に夜、疲れているときにこの1分半が来ると、ちょっと嫌な気持ちになります。

慣れてからは、片手鍋に水を張って一気に注ぐようにしました。2Lの片手鍋なら3回で済むので、これで45秒くらいに縮んでいます。注ぎ口に漏斗が付いている機種なら鍋から直接注いでもこぼれません。それでも最初の2週間は毎回こぼしていて、カウンターを拭く布巾を横に置いていました。

あと地味に効くのが、給水を忘れると途中で止まることです。水位センサーが働いてブザーが鳴る。寝る前にセットして、朝起きたら「給水してください」の表示で止まっていた、というのを最初の1ヶ月で3回やりました。いまは注いでからボタンを押す順番に固定しています。

水道代は下がったが、電気代は上がった

手洗いのときに一度、水量を測ってみたことがあります。うちの蛇口を普段使う勢いで開けると1分あたりおよそ12L。夕食後の洗い物は流しっぱなしにしている時間が正味4〜5分あったので、1回あたり50〜60Lくらい使っていた計算になります。

食洗機は1回5L。単純比較で10分の1以下です。実際の請求書だと、2ヶ月ごとの水道料金が導入前後で約1,800円下がりました。月に900円ほど。

一方で電気代は上がります。うちの機種は洗浄で75℃までお湯を沸かして、そのあとヒーターで乾燥まで持っていくので、1回あたりの消費電力量は0.7〜0.8kWh程度。毎日1回として月に22kWh前後、金額にすると700円くらい増えました。差し引きすると月200円ほど得している計算ですが、正直この金額は誤差です。光熱費で元を取る家電ではありません。買う理由は時間のほうにあります。

洗えない食器がそれなりにある

導入して最初に困ったのが、洗えないものの多さでした。木製が全部だめです。うちは味噌汁の椀が漆塗りの木製で、これは食洗機に入れると塗りが白く曇る。取り扱い説明書にもはっきり書いてありました。木の箸も同じ理由で手洗いのままです。

樹脂は耐熱温度次第。庫内は乾燥時に70〜80℃近くまで上がるので、耐熱90℃未満の表示があるものは避けています。100円ショップで買ったプラスチックの保存容器を1つ、確認せずに入れて、蓋が波打って戻らなくなりました。ポリプロピレンの離乳食用の器は耐熱120℃だったので、こちらは問題なく洗えています。ただし食洗機で洗えることと哺乳瓶の消毒になることは別の話で、消毒は別途やっています。

あとはアルミの雪平鍋。洗剤のアルカリで黒く変色します。金彩や銀彩の入った器も剥がれる。結果として、うちでは食器の8割くらいが食洗機行き、残り2割は手洗いという運用に落ち着きました。ゼロにはならない、というのは知っておいたほうがいいです。

夜に回して朝に片付く、という生活の変化

一番変わったのはリズムでした。以前は夕食が終わってから洗い物をして、その間に妻が子どもを風呂に入れる、という分担だったんですが、洗い物の20分が寝かしつけの時間に完全にかぶっていた。手が2つ足りない時間帯です。

いまは食事が終わったら食器をラックに並べて、水を注いで、ボタンを押す。3分で終わります。そこから2人とも子どもの側にいられる。運転は約90分かかりますが、その間に何もしなくていいので時間として認識されません。

寝る前に運転が終わっていれば扉を少し開けて、朝に食器を戻す。この「少し開ける」が地味に大事で、閉じたままにしておくと翌朝に庫内が生乾きの匂いになります。うちは運転終了から2時間放置しただけで匂ったことがあって、それ以来タイマーを工夫して、寝る直前に終わるように回しています。

週に1回、庫内の底にある残菜フィルターを外して洗う手入れも要ります。5分程度。米粒と野菜のかけらが溜まるので、ここをサボると匂いの原因になります。

最後に

賃貸で食洗機を諦めている人には、タンク式は普通に現実的な選択肢だと思います。工事なし、原状回復の心配なし、3万円前後。給水の1分半さえ許せるなら、洗い物という家事は消えます。

ただ、サイズ選びだけは慎重にしてください。私は小さいのを買って2万円を無駄にしています。鍋とフライパンが入らない食洗機は、想像よりずっと使えません。設置場所を測って、置けるなかで一番大きいものを選ぶ。それが一番失敗しない買い方でした。

この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

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