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加湿器選びで一番大事なのは加湿能力ではありません。手入れの重さです。これは1台目で完全に失敗して学びました。加湿量400mL/hの性能に惹かれて買ったスチーム式は、内部の水垢が半年でびっしり固まり、掃除が億劫になって使わなくなり、2年目の冬には押し入れの奥にありました。手入れが面倒な加湿器は使われなくなり、使われないまま放置された加湿器は不衛生になる。生後6ヶ月の子どもが同じ部屋で寝ている今、この失敗はもう繰り返せません。だから方式ごとの「手入れの重さ」だけを軸に比較しました。
加湿方式は4つ。手入れの重さは全部違う
まず整理します。市販の加湿器はだいたい次の4方式に分かれます。
スチーム式は、水をヒーターで沸騰させて蒸気を出すもの。煮沸するので水は清潔に保たれ、加湿力も強い。ただし、沸騰させる部分にカルキが白く固着します。うちで挫折したのはこれで、クエン酸洗浄が推奨されるのは1〜2ヶ月に1回。これを冬の間ずっと続けられるかどうかが分かれ目です。
気化式は、濡れたフィルターに風を当てて水を蒸発させる方式。熱を使わないので電気代が安く、蒸気が熱くない。手入れの中心は加湿フィルターで、水垢で固くなるとつけ置き洗いが必要になり、1〜2年で交換する消耗品でもあります。
超音波式は、振動で水を細かい霧にして飛ばす方式。構造が単純で本体が安く、静か。ただし水をそのまま霧にするので、タンクの中が汚れていればそれも一緒に飛びます。だから毎日の水の入れ替えが前提になります。
ハイブリッド式は、気化式や超音波式にヒーターを足したもの。立ち上がりが速く、加湿力も出せる。手入れは元の方式に準じます。
「手入れが軽い」は、頻度ではなく難易度で決まる
ここで気づいたことがあります。手入れの重さを比べるとき、みんな「週1回か、月1回か」という頻度で考えがちです。でも実際に続くかどうかを決めているのは、頻度ではなく1回あたりの難易度でした。
タンクの水を捨てて新しい水を入れる。この作業は毎日でもできます。1分で終わるし、道具も要らない。一方、クエン酸を溶かして2時間つけ置きし、細いブラシで底の隅をこする作業は、月1回でも面倒に感じる。毎日30秒より、月1回の30分のほうが挫折する。これがうちで出した結論でした。
加えて、分解できるかどうか。タンクの給水口が狭くて手が入らない機種は、内側のぬめりを拭き取れません。買う前に、給水口に自分の手が入るか、パーツがいくつに分かれるかを確認しておくと後で効きます。
上部給水にしただけで、稼働率が変わった
もうひとつ譲れなかったのが給水方式です。
下部にタンクがあるタイプは、水がなくなるたびにタンクを抜き取って、逆さにして持って台所まで運び、蛇口から入れて、こぼさないように戻す。この工程が1日1〜2回発生します。子どもを抱いたまま片手ではできません。
上から注げるタイプなら、水を入れたピッチャーやペットボトルを本体の上から流し込むだけ。片手で20秒。抱っこしたまま給水できます。これは実用上とても大きな差で、給水が楽になっただけで運転時間が明らかに伸びました。
結局選んだのは、Homvana の3.6Lタンクの超音波式です。上から給水できて、公称16dBの静音、連続稼働は最長25時間。18畳まで対応と書かれていますが、うちは6畳の寝室で使っているので能力には余裕があります。
寝室で夜通し回すことを前提にすると、超音波式の静かさは大きな武器です。ヒーターもファンの高速回転もないので、動作音は水の跳ねる音くらい。子どもが寝ている横で使う機械として、この点は譲りたくありませんでした。
超音波式の「白い粉」は本当に出るのか
出ます。これは正直に書いておきます。
超音波式は水を加熱せずそのまま霧にするので、水道水に含まれるミネラル分も一緒に飛びます。それが空中で乾いて、周囲の家具や床に白い粉として積もる。うちでは加湿器から50cmくらいの範囲にある黒いスピーカーの天板に、2週間でうっすら白い膜ができました。
対策はいくつかあります。ミストの噴出口を上向きにして、家具の上に直接吹きかけない位置に置く。壁や家電から30cm以上離す。気になるならフィルター付きのモデルを選ぶ。うちは置き場所を変えて、月1回その周辺を拭くことで折り合いをつけています。
もっと重要なのは衛生面です。加熱しない方式は、タンク内で雑菌が増えればそれもミストに乗ります。だから毎日水を全部捨てて、タンクを軽くすすいでから新しい水を入れるのが必須条件。これができない人は超音波式を選ばないほうがいいと思います。逆に言えば、この30秒さえ習慣にできるなら、手入れが最も軽い方式でもあります。
方式ごとの短所を、うちの基準で整理する
スチーム式は、水を沸騰させるぶん電気代が高い。消費電力が300Wを超える機種も珍しくなく、1日8時間で月に2,000円近くいくことがあります。それと吹出口から出るのが熱い蒸気なので、ハイハイを始めた子どもがいる家では置き場所を真剣に考える必要がある。うちが今スチーム式を選べない理由はここです。
気化式は、加湿の立ち上がりが穏やかです。乾燥した部屋を短時間で湿らせたいときには物足りない。加湿フィルターの交換代が年に2,000円前後かかり、においが出ることもあります。ただ、熱くならず電気代も安いので、長時間つけっぱなしにする用途では合理的です。
超音波式は前述の白い粉と、毎日の水替えが前提であること。ハイブリッド式は良いとこ取りに見えますが、そのぶん構造が複雑で本体価格が上がり、掃除する部品も増えます。
タンク容量も一応見ておきます。うちの3.6Lは、6畳の寝室で夜間に弱運転する使い方だと2晩は持ちます。大容量は給水回数が減って楽ですが、水が入った状態が長く続くということでもある。1日で使い切れる容量にして毎日入れ替えるほうが、衛生面では素直です。私は最大量では入れず、7割くらいで運用しています。
湿度は上げすぎない。これも失敗して学んだ
最後に、加湿器そのものの話ではないんですが。
子どもが生まれた最初の冬、乾燥が怖くて加湿を強めに回していたら、朝、寝室の窓ガラスが全面結露していました。放っておくと窓枠のゴムパッキンが黒くなります。実際、賃貸の寝室の窓の下側に、うっすらカビの跡を作ってしまいました。
一般的に、室内の快適な湿度は40〜60%程度とされています。60%を大きく超えると結露やカビのリスクが上がるので、湿度計を1つ置いて、数字を見ながら運転を止める運用に変えました。1,000円ちょっとの温湿度計が、加湿器本体の性能差より効いた気がしています。
置き場所も見直しました。加湿器を壁際やカーテンの近くに置くと、そこだけ湿ってカビます。エアコンの風が直接当たる場所も避けたほうがいい。湿度センサーが乾いた風を拾って、部屋がもう十分湿っているのに運転を続けます。うちは部屋の中央寄り、床から少し高い棚の上に置いています。床置きだと足元だけ湿って、上の空気は乾いたまま、ということが起きるので。
加湿器は、性能で選ぶと使わなくなり、手入れの軽さで選ぶと使い続けられる。冬を2回越えて、それだけははっきりしました。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

