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寝返りが始まった時点では、まだ余裕がありました。ずり這いになって、生後6ヶ月でハイハイの前段階に入ったあたりから、床が急に気になり始めます。子どもは床にあるものを全部口に入れる。髪の毛も、パンくずも、コードも。床の清潔さが直接、健康に跳ね返るフェーズに入ったということです。
それでロボット掃除機を導入しました。吸引と水拭きの両方ができる薄型モデルで、実売3万円台。使い始めて4ヶ月ですが、期待していた効果と実際に効いた効果がずれていたので、そのあたりを含めて比較します。先に結論だけ書くと、一番大きかったのは掃除の時短ではなく、家族全員が床にものを置かなくなったことでした。
最初に安いのを買って失敗した
比較の話をする前に、失敗から書きます。最初に買ったのは1万5千円ほどのエントリーモデルでした。ランダム走行式で、部屋のマップは作らない。壁に当たったら向きを変えて、また進む。それを繰り返して部屋を埋めるという方式です。
結果はひどいものでした。40分走らせても、リビングの半分くらいしか通っていない。同じ場所を何度も往復する一方で、テレビ台の裏側には一度も行かない。しかも終わったあと、どこを掃除したのか本人も分かっていないので、次に走らせるときもまた同じ偏り方をします。
3週間でフリマに出しました。ここで学んだのは、ロボット掃除機の価値は吸引力ではなく「部屋を漏れなく回れるか」にあるということです。ここを削った機種は、安くても意味がない。
マッピングの方式で価格帯が分かれる
買い直すときに見たのが、部屋の把握方法です。大きく3つに分かれます。
一番安いのがランダム走行。これは前述のとおり避けました。次がジャイロセンサーと加速度センサーで自分の動きを追跡して、直線的に往復しながら部屋を埋めていく方式。3万円前後のモデルはだいたいこれです。一番上がLiDARで、天面のセンサーが回転してレーザーで部屋の形を測り、正確な間取り図を作る。7万円以上のモデルに載っています。
うちが選んだのは真ん中のジャイロ方式で、実売3万円台。2LDKのリビングと寝室を1回で回れるかというと、回れます。走行の軌跡が直線的で、通ったところと通っていないところが見て分かる。安いモデルとはまるで違いました。
ではLiDARが要るかというと、これは家の広さ次第だと思います。LiDARの強みは「部屋ごとに指定して掃除できる」「進入禁止エリアをアプリで線を引いて設定できる」あたり。うちは間取りが単純で、進入させたくないのは寝室のドアの向こうだけなので、ドアを閉めれば済みます。3LDK以上で部屋ごとに使い分けたいなら、LiDAR搭載機のほうが満足度は高いはずです。
吸引だけか、水拭きも要るか
いま使っているのは吸引と水拭きの両用タイプです。本体の裏に水タンクとモップパッドを付けると、吸引しながら後ろで床を拭いていく。
買った当初は正直、水拭きは要らなかったと思っていました。フローリングは吸引だけでもそれなりに綺麗になるし、モップパッドを毎回洗うのが面倒だったからです。評価が変わったのは離乳食が始まってからでした。ベビーチェアの下に落ちるおかゆやバナナは、乾くと吸引では取れません。うっすらとした膜みたいになって床に残る。ここに水拭きが効きます。
ただし期待しすぎないほうがいい。この価格帯の水拭きは、濡れたパッドを引きずっているだけで、押し付ける力はほとんどありません。落ちるのは軽い皮脂汚れと、乾いた食べこぼしの跡くらい。こびりついた汚れは自分で拭くしかない。加圧して回転するモップを積んだ上位機は別物ですが、そちらは10万円前後になります。
カーペットがある家だと話が変わります。水拭きモードでカーペットに乗り上げると濡らしてしまうので、カーペットを検知してモップを持ち上げる機能があるかどうかを見てください。うちはラグを1枚敷いていて、その日は水タンクを外して吸引だけにしています。
段差とコードには、いまだに勝てていない
弱点ははっきりしています。まず段差。乗り越えられるのは2cm程度までで、それ以上は無理です。うちは和室への上がり框が4cmあって、ここは完全に別世界扱いになっています。
逆に落下防止センサーは優秀で、玄関の段差では止まります。ただ黒いマットの上では床がないと誤認して止まったことが2回ありました。センサーが赤外線の反射で判断しているので、濃い色のものは苦手らしい。
そしてコード。これが最大の敵です。スマホの充電ケーブル、加湿器の電源コード、ベビージムの脚のゴムバンド。全部巻き込んで停止します。うちは4ヶ月で7回ほどエラーで止まっていて、そのうち5回がコードでした。ブラシに巻き付いたケーブルをドライバーで外す作業は、地味に10分かかります。
薄さは評価点です。本体高さが7.2cmで、うちのソファは床から9cmなので下に潜れます。ここを人力で掃除するのは相当な手間なので、薄型を選んだのは正解でした。ソファやベッドの下を掃除させたいなら、家具の下の高さを測ってから機種を選んでください。
一番の効果は掃除じゃなく、床にものを置かなくなったこと
ここが本題です。時短効果だけで言えば、うちは1日15分程度しか削れていません。2LDKに掃除機をかけるのは、もともとそんなに時間のかかる作業ではない。
変わったのは行動のほうでした。毎日ロボットが走る前提になると、床にものを置けなくなります。置いたら巻き込まれるか、押し出されて部屋の隅に転がっている。それが何度か起きると、自然と全員が床から離すようになる。
具体的には、ベビージムを畳んでソファの脇に立てるようになり、充電ケーブルを机の脚にまとめるようになり、脱いだ服を床に置かなくなりました。妻から「片付けろ」と言われる回数が明確に減っています。これは4万円分の価値があったと思っています。
そして、ずり這いを始めた子どもにとって、床がフラットで何も落ちていない状態は単純に安全です。誤飲のリスクが下がる。掃除機がけの15分より、この副作用のほうがずっと大きかった。
音がうるさい。これは覚悟が要る
短所で一番効いているのは音です。標準モードで55デシベル前後、強モードだと65デシベルくらい。掃除機よりは静かですが、決して静音ではありません。
寝室のドアを閉めていても、リビングで走っていると子どもが起きます。実際、昼寝中にタイマーで動き出して起こしてしまったことが3回あって、いまはスケジュール運転を切って、外出時か子どもが起きている時間に手動で回しています。自動で毎日走らせる、という理想の運用にはなっていません。
ゴミ捨ての手間もあります。本体のダストボックスは容量が小さいので、週2回は捨てないと吸引が落ちる。捨てるときに細かいホコリが舞うので、うちはベランダで捨てています。この作業が1回2分、週2回。年間で3時間半くらい使っている計算です。
あとは家具の脚にぶつかります。バンパーにクッションはありますが、ダイニングチェアの木製の脚には4ヶ月で薄い擦り傷ができました。気にしない人は気にしないレベルですが、無傷では済みません。
自動ゴミ収集ドックは要るのか
最後に、いま一番気になっている機能について。本体のゴミを親機のドックが吸い上げて、紙パックに溜めてくれる仕組みです。30〜60日はゴミ捨て不要になります。
要るかどうかは、うちの場合は微妙という結論でした。ゴミ捨ての手間は確かに年3時間半ですが、ドック付きモデルは同じ吸引性能でも2万円ほど高くなります。しかも紙パックが消耗品で、1枚あたり300〜400円。年間で6枚使うとして2,000円強のランニングコストが乗る。
それと、ドック自体が大きい。高さが40〜50cmある箱をリビングの壁際に置くことになるので、賃貸の2LDKだと存在感がそれなりにあります。うちは薄型の本体を家具の下に隠せているのが気に入っているので、ここは見送りました。
ただ、ハウスダストのアレルギーがある人や、ゴミ捨てのときに舞うホコリを避けたい人には価値があると思います。子どもが埃に反応するようなら、次はドック付きに買い替えるつもりです。
最後に
比較の軸として一番大事なのは、吸引力でもモップの有無でもなく、部屋を漏れなく回れるかどうかでした。ここを外すと、値段に関係なく使わなくなります。私が1万5千円を捨てた理由がそれです。
そのうえで、フローリング中心で離乳食期の子どもがいるなら水拭き併用型、間取りが複雑ならLiDAR搭載機、ゴミ捨てが苦痛なら自動収集ドック付き。この順で足していくのが無駄が少ないと思います。うちはまだ一番下の構成で足りています。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

