ホットクック|火を使わない夕飯の作り方

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子どもを抱いたまま、コンロの前には立てません。当たり前のことなんですが、これに気づいたのは生後2ヶ月くらいのときでした。夕方に決まってぐずる時期があって、抱っこしていないと泣く。でも夕飯は作らないといけない。片手で玉ねぎを切ろうとして、これは無理だと思いました。

それで導入したのが自動調理鍋です。1.6Lの2〜4人用で、約3万8千円。材料を入れてメニューを選んでボタンを押すと、かき混ぜまで含めて全部やってくれる。使い始めて7ヶ月、ほぼ毎日動かしています。火を使わない夕飯というのが実際どういう運用になるのか、得意な料理と不得意な料理も含めて書きます。

問題は調理時間じゃなくて、拘束時間だった

時短家電の話をするとき、たいてい「調理時間が何分短縮」という数字が出てきます。でもうちが困っていたのはそこじゃありませんでした。

カレーを作るとして、材料を切るのが10分、炒めるのが5分、煮込むのが20分。合計35分です。このうち、キッチンに立っていないといけないのは炒めるところから煮込み終わりまでの25分。煮込んでいる間も、焦げ付かないように時々かき混ぜに行く必要があるので、その場を離れられません。

25分間キッチンに拘束される、というのが問題でした。抱っこ紐で子どもを前に抱えた状態で火のそばに立つのは危ないし、かといって置いておくと泣く。夕方の1時間が丸ごと「何もできない時間」になっていたわけです。

自動調理鍋を入れて変わったのは、この拘束時間がゼロになったことです。材料を切って鍋に入れる10分だけが自分の仕事で、蓋を閉めてボタンを押したら、あとはリビングに戻れる。調理時間自体は変わりません。むしろ長くなることもある。でも自分がキッチンにいる時間は10分に減りました。

かき混ぜまで機械がやる、というのが効いている

この手の調理家電はいくつかありますが、決め手になったのは自動でかき混ぜてくれることでした。蓋の裏に樹脂のアームが付いていて、調理中に指定のタイミングで鍋の中をかき回してくれる。

これがないと、カレーやシチューのようなとろみのある料理は焦げます。実際、以前スロークッカーを使っていたときは、底が焦げ付いて内鍋をこすり洗いする羽目になっていました。かき混ぜがあるだけで、対応できる料理の幅がまるで違います。

もうひとつ、水を足さずに素材の水分だけで煮る調理ができるのも大きい。トマトと玉ねぎと鶏肉を入れて、水はゼロ。65分後に開けると、ちゃんと汁気のあるカレーになっています。最初にこれをやったとき、私は疑ってレシピを無視して水を200ml足しました。結果、シャバシャバのスープカレーになって妻に笑われています。書いてある通りにやるのが正解でした。

予約調理で、帰ってきたら完成している

もっとも効いている使い方が予約調理です。最大15時間先まで設定できて、指定した時刻に出来上がるように逆算して動いてくれる。

うちの平日はこうなっています。朝、私が在宅勤務を始める前に材料を切って鍋にセットし、18時30分完成で予約を入れる。日中は放置。妻が保育園から帰ってくる時間に、家の中にカレーの匂いがしている。この状態が理想でした。

ここで気になるのが、朝から夕方まで材料が常温で放置されていないかという点です。この機種は予約中も庫内の温度をコントロールしていて、雑菌が増えやすい温度帯を避けるように加熱と保温を制御する仕組みになっています。とはいえ、生の魚介や乳製品を使うメニューは予約非対応になっているので、そこは説明書の対応メニュー表に従っています。夏場に自己判断で対応外のものを予約するのはやめたほうがいいです。

誤算だったのは、予約すると「今日の夕飯を変えられない」ことです。朝に肉じゃがをセットしたら、夕方に「今日はラーメンでいいか」ができない。1回だけ、外食することになって14時間煮込まれた肉じゃがを翌日に食べました。悪くはなかったです。

得意と不得意がはっきり分かれる

7ヶ月使って、この鍋が得意なものと苦手なものがだいたい見えました。

得意なのは煮物とスープです。肉じゃがは35分、鶏肉のトマト煮は50分、豚の角煮は90分かかりますが、いずれも放置で完成します。特に角煮は、コンロでやると火加減を見ながら2時間近く付き添うことになるので、ここは圧倒的に楽になりました。ミネストローネやポトフのようなスープ類も安定して美味しい。

離乳食にも使っています。かぼちゃやにんじんを蒸してからつぶすだけなんですが、蒸し器を出さずに済むのが楽です。野菜スープを大人用と子ども用に分けて作るとき、味付け前にとりわけできるのも都合がいい。

苦手なのは炒め物です。一応「野菜炒め」のメニューはありますが、鍋の中が密閉されているので水分が逃げません。もやしとキャベツを入れると、炒め物というより蒸し野菜になります。3回試して3回とも水っぽくて、いまはやめました。焼き目を付ける料理も全般に不得意です。餃子やハンバーグは普通にフライパンでやったほうが早い。

だから、この鍋に寄せる料理と、コンロでやる料理を分けるのがコツだと思っています。うちは煮物・スープ・カレー系を全部この鍋に投げて、焼き物と炒め物はフライパン。この分担にしてから満足度が上がりました。

短所は大きさと、洗うパーツの多さ

不満はふたつあります。ひとつは置き場所です。

1.6Lモデルで幅36.4cm、奥行28.3cm、高さ24.0cm。重さは約5kg。数字だけ見るとそこまでではないんですが、キッチンの作業台に置くと明確に狭くなります。しかも蓋が上に開くので、上方向に25cmほどの空きも必要。吊り戸棚の下は使えません。うちは食洗機と並べて置いていて、まな板を置くスペースが左端の30cmだけになりました。使うたびに移動させるには重すぎるので、置きっぱなし前提で場所を確保できるかが分かれ目です。

もうひとつが洗い物です。調理のたびに洗うパーツが5つあります。内鍋、内ぶた、かき混ぜ用のアーム、蒸気口のカバー、そして本体下部のつゆ受け。このうちアームは細かい溝があって、カレーを作ったあとは油が残りやすい。食洗機に入れられるパーツと入れられないパーツが混ざっているのも面倒です。うちは内鍋だけ手洗いして、あとは食洗機に放り込んでいます。

1回あたりの洗い物は3分程度なので、致命的ではありません。ただ「セットして放置」の手軽さのあとに、この5点洗いが来るのは少し萎えます。予備の内鍋を5,000円ほどで買い足すと連続で使えて便利、という話もありますが、うちはまだそこまではしていないです。

1.6Lか、2.4Lか

サイズで迷う人は多いと思います。うちは大人2人と乳児1人で1.6Lを選びました。

結論としては正解でしたが、条件付きです。1.6Lは2〜4人分と表記されていますが、実際に作れるのはカレーなら4皿分くらい。大人2人で2食分です。作り置きをたくさんしたいなら足りません。うちは翌日の昼に妻が食べる分まで作りたい日があって、そういう日はぎりぎりです。

2.4Lにすれば容量の問題は解決しますが、幅が39.5cmに増えて奥行も伸びます。うちのキッチンだとその3cmが入らなかった。置き場所が先に決まっていて、そこに入る最大サイズを選ぶ、という順番でした。

子どもが幼児食に移行して3人分作るようになったら、たぶん2.4Lが欲しくなります。長く使うつもりで、置き場所に余裕があるなら大きいほうを勧めます。

最後に

火を使わない夕飯というのは、単に安全というだけの話ではありませんでした。キッチンに立つ時間が10分に減ると、夕方の時間の使い方そのものが変わります。子どもを見ながら仕事の残りを片付けたり、風呂の準備をしたり。

3万8千円は安くありません。炒め物はできないし、置き場所も取るし、洗い物も増える。それでも、抱っこしたまま夕飯の支度が終わるという状態を作れたことに対しては、十分に払う価値がありました。子どもが手を離れる時期になったら、この評価は下がるかもしれません。いまが一番効いている時期だと思って使い倒しています。

この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

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