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子どもが昼寝している90分は、在宅勤務の私にとって唯一まとまった作業ができる時間です。ただ、その90分を寝室のドアの前で座って過ごすわけにはいかない。リビングのデスクに戻りたい。けれど扉を1枚隔てただけで、寝返りの音も、鼻が詰まったときの唸り声も聞こえなくなるんですよね。生後6ヶ月に入って寝返りが完成してから、この「聞こえない」が急に怖くなりました。ベビーモニターを買ったのはそれが理由です。スマホアプリ型と専用モニター型で1週間迷って、専用機にしました。その判断の中身と、3ヶ月使って出てきた不満を書きます。
耳で見張る運用が、寝返りで限界を迎えた
それまでは寝室のドアを10cmほど開けて、リビングから耳で拾っていました。うちは2LDKで、寝室とリビングは廊下を挟んで4mくらい。泣けば聞こえます。実際、生後3ヶ月くらいまではそれで足りていました。
変わったのは寝返りを覚えてからです。泣かずに、うつ伏せになったまま静かにしている時間が発生するようになった。ある日、様子を見に行ったら顔が半分マットレスに埋まった格好で寝ていて、心臓が止まりかけました。本人はよく寝ていたので何事もなかったんですが、あの時に「泣いてないから大丈夫」という前提が崩れました。
音だけだと、静かに起きている状態と、静かに困っている状態の区別がつきません。映像がいるな、と観念したのがこのタイミングです。
スマホアプリ型と専用モニター型、判断軸は3つだった
いま売られているベビーモニターは大きく2種類あります。ひとつはWi-Fi経由でクラウドにつなぎ、スマホアプリで映像を見るタイプ。もうひとつはカメラと専用モニターがセットで、両者が直接電波でつながるタイプ(2.4GHz帯のFHSSなどを使う)です。
アプリ型は安い機種が3,000円台からあって、外出先からも見られます。妻が買い物に出ているときに映像を共有できるのは、率直に魅力でした。専用機はカメラとモニターの2台構成なので、どうしても1万円前後からになります。
私が比較の軸に置いたのは、遅延、通知の埋もれ方、そして家のネット環境が落ちたときにどうなるか。この3つです。仕事柄クラウド前提のサービスを作っている側なので、逆にクラウドを挟む構成の弱点が想像できてしまうんですよね。
専用機にした決め手は「通知に埋もれない」ことだった
アプリ型を試用したのは実質2日です。知人から借りた機種をセットして、平日の日中に使ってみました。映像はきれいでした。問題は、モニターがスマホだったことです。
私のスマホには、SlackもGitHubもカレンダーも通知を投げてきます。集中して作業しているときは通知センターを畳んでいるので、そこにベビーモニターの動体検知が1行として並んでも、正直気づけません。逆に気づく設定にすると、今度は仕事の通知全部が重くなる。同じ画面に、優先度の違うものを混ぜてはいけないという、当たり前の結論に行き着きました。
もうひとつ、うちのマンションは半年に1回くらい光回線が数十分落ちます。落ちている間、クラウド経由の映像は当然見られない。頻度は低いですが、落ちるタイミングを選べないのが困る。
それで選んだのがパナソニックのスマ@ホーム KX-HC705-Wです。カメラと4.3インチの専用モニターのセットで、Wi-Fiの設定をしなくても箱から出して直接つながる仕様。設置に使ったのは10分弱でした。
モニターは充電式のスタンドに立てて、デスクの左端に置いています。視界の隅に常に映像がある状態。通知として飛んでくるのではなく、目を上げれば見えるという形になったのが、私には合っていました。
暗視と双方向通話、実際によく使うのはどっちか
機能表に並ぶもののうち、うちで毎日使っているのは暗視だけです。寝室は昼でも遮光カーテンを閉めるので、常時ナイトモードで白黒の映像になっています。顔の向きと、掛け布団がどこにあるかは十分わかる解像度です。
双方向通話は、期待していたより使いません。試しに寝ぼけて泣き始めたときに声をかけてみたら、その場は少し静かになったものの、結局は本人が起き切って余計に大きく泣きました。声だけ聞こえて姿がないのは、赤ちゃんからすると不気味なんじゃないかと思います。いまは妻がカメラの前でおむつ替えをしているときに「タオル持っていく?」と聞くくらいの、大人同士の内線として使っています。
子守唄の再生機能も付いていますが、こちらは1週間で使わなくなりました。音源が数種類しかなく、うちの子は3日目にはもう反応しません。音で寝かせる話は、うちでは別の道具の担当になっています。
温度表示は地味に効きました。寝室のエアコンの設定温度と、実際にベッド上で測れる温度は1度以上ずれます。夏場、設定26度でベッド脇の実測が28度だったので、風向きを変えました。
誤検知でアラートが鳴りすぎた最初の2週間
正直に書くと、最初の2週間はかなりうるさかったです。
動体検知の感度が初期設定で高めになっていて、カーテンの揺れと、加湿器の湯気と、私が寝室に入る動作、全部で鳴りました。1日に20回以上鳴った日があって、3日目には反射的に消音していました。これが一番危ない状態です。狼少年になったアラートは、本当に鳴ってほしいときに無視されます。
結局、動体検知はオフにして、音の検知だけを中くらいの感度で残す運用に落ち着きました。うつ伏せの発見を目的にするなら、検知に頼るより自分が定期的に画面を見るほうが確実だと割り切っています。検知はあくまで補助で、これさえあれば見守りが完結する道具ではありません。
設置場所で1回失敗した
最初、カメラをベビーベッドの柵にクリップで留めました。真上から顔が見えるので、映像としては理想的です。3日でやめました。手が届くからです。生後6ヶ月の腕のリーチを完全になめていました。ケーブルを引っ張られた時点で、これは事故になると判断しました。
いまはベッドから150cmほど離れた棚の上に置いて、斜め上から撮っています。顔の細かい表情は見えませんが、体の向きと動きは十分わかる。カメラも電源ケーブルも、子どもの手が届く範囲には絶対に置かない。ここは譲らないほうがいいです。
Wi-Fi接続型を選ぶ場合は、初期パスワードを必ず変更して、ファームウェアの更新も確認してください。家の中の映像を扱う機器なので、ここを放置するのはネットワークカメラを外に晒すのと同じことです。専用機を選んだ理由のひとつが、この管理を1つ減らせることでした。
最後に
ベビーモニターを入れて変わったのは、安心したことではなく、寝室を何度も往復しなくなったことです。以前は30分に1回、そっとドアを開けて確認していて、そのたびに物音で起こすリスクがありました。いまは画面を見れば済む。往復がゼロになった分だけ、90分がちゃんと90分になりました。
ただ、画面があると今度は見すぎます。作業中に無意識で映像を見ている自分に気づくことがあって、これはこれで生産性を削っている気もするんですよね。道具は問題を解決すると同時に、必ず別の癖を作る。そこは織り込んで使っています。
この記事は個別のレビューです。生後6ヶ月までに買ったもの全体は生後6ヶ月までに買ったもの・買わなかったもので振り返っています。

