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去年の秋ごろ、右の手首の下側に赤い線が入るようになりました。ちょうど天板の手前の角が当たる位置です。痛いというほどではない。ただ、30分に一度くらい無意識に手を持ち上げて位置を変えている。その動きに気づいたとき、集中を削っていたのはこれかと思いました。買ったのは1,780円のデスクマットです。リストレストでもアームレストでもなく、天板そのものを覆う布。これで赤い線は消えました。ただし完璧な道具ではなくて、半年使って不満もはっきり出ています。
手首が痛かった原因は、椅子でもキーボードでもなく天板の角だった
最初に疑ったのは椅子の高さでした。次にキーボードの傾斜。パームレストも一度買っています。木製の、キーボードの手前に置くタイプのやつ。2,500円くらいでした。
これは半分だけ効きました。キーボードを打っているときは楽になる。でもマウスに手を伸ばした瞬間、右手首はパームレストの外に出て、また天板の角に乗る。問題が起きていたのはキーボードの前ではなく、マウスの手前だったんですよね。私の机はIKEAの木製天板で、面取りはされているものの角は角です。エッジの丸みはせいぜい2〜3mm。そこに体重が乗った手首を数時間押し付ければ、そりゃ跡もつく。
つまり必要だったのは「手首を持ち上げる道具」ではなく「エッジをなくす道具」でした。マットを1枚敷いて、その端が天板の手前まで垂れていれば、角の稜線が布1枚分だけ丸くなる。厚さ2mmでも、あの直線的な当たりは消えます。
マウスパッドとデスクマットは、そもそも守っているものが違う
名前が似ているので混同しがちですが、目的が別です。マウスパッドはセンサーの読み取り面を作るもの。デスクマットは作業面そのものを作り替えるもの。
私が使っていたのは20cm四方くらいの普通のマウスパッドでした。当然、キーボードの下も手首の下も素の天板です。これを大判に置き換えると、副産物として天板の傷防止がついてくる。私の机はもともとキーボードを引きずった細かい擦り傷と、ノギスを置いたときの打痕がありました。賃貸の備え付けではなく自分の机なので売るときの価値は気にしていないけど、傷が増えないだけで机への雑さが減る。ハサミを直に置ける、カッターマット代わりに軽い工作もできる。
もうひとつ、大判にして初めて気づいた効果があります。机の上の物の置き場所が固定されること。マットの外側は「作業領域じゃない」と体が判断するようになって、書類や充電ケーブルが自然とマットの外に追いやられる。線を1本引いただけなのに、キーボードの周りに物が積み上がる頻度が減りました。これは狙って買ったわけではない副産物です。
サイズは実測で決めました。私の場合、キーボード(幅29cm)とマウスの可動域を合わせて横70cm、奥行きはモニターアームのクランプ位置まで含めて40cm弱。ここに余裕を足して100×50cmにしています。90×43cmでも足りたと思いますが、コーヒーカップを置く場所まで含めたかった。
PUレザー、フェルト、ラバー。3種類触って選んだ結果
素材で性格がかなり変わります。実際に手元で試したのはPUレザーとフェルト、それと元から持っていたラバーのマウスパッドです。
フェルトは手触りが一番いい。柔らかくて、手首が沈む感じがあります。ただ二つ問題があって、ひとつはマウスの滑りが重いこと。もうひとつが致命的で、コーヒーの水滴が落ちるとそのまま吸います。染みになるし、乾くまで硬くなる。うちには生後6ヶ月の子どもがいて、抱っこしながら片手でマグを持つ場面がある。この時点でフェルトは脱落しました。
ラバーは滑走面としては優秀です。ゲーミング用の布ラバーは特に安定する。でも大判だと重いし、巻いた癖が強く出て、端が浮きます。
結局選んだのがPUレザーの両面タイプでした。表がグレー、裏がダークブラウンで気分によって返して使える100×50cm、1,780円。表面はわずかに粗いシボ加工で、光学マウスの読み取りは問題なし。滑りはフェルトとラバーの中間で、少し軽い。手首に当たる感触は、ラバーほど硬くなくフェルトほど沈まない、というちょうどいい位置にいます。
あと地味に効いたのが掃除のしやすさです。フェルトだと髪の毛やパンくずが繊維に絡んで粘着ローラーが要りますが、PUレザーは濡らしたティッシュで一拭きで終わる。離乳食が始まってから、机に何かが飛んでくる頻度が明らかに上がったので、この差は大きい。
コーヒーを倒した日に、防水性の意味が分かった
導入から2ヶ月ほど経った平日の朝、Slackを読みながら肘でマグを倒しました。150mlくらい残っていたアイスコーヒーが、キーボードの手前に全部出た。
PUレザーは表面が樹脂なので、水は玉になってその場に留まります。私はマットの端を持ち上げて液体をシンクに流し、拭いて終わりました。作業の中断は3分。もしフェルトだったら全部吸って洗濯コース、素の天板だったらキーボードの隙間に流れ込んでいた可能性が高い。木製天板は水に弱くて、拭き残すと輪染みが残ります。1,780円の元はこの日に取ったと思っています。
ただ誤解しないでほしいのは、防水なのは「表面」であって縁ではないこと。マットの端から溢れれば普通に天板に届きます。あくまで数秒の猶予をくれる保険です。
半年使って出てきた不満は3つある
まず、大判は洗えない。これが一番の弱点です。100×50cmを洗面台で洗うのは無理があるし、PUレザーは洗濯機に入れられません。日々は拭き掃除で済みますが、皮脂が蓄積して手首が当たる部分だけ色が濃くなってきました。半年でこれなので、2年は保たない気がします。消耗品と割り切るしかない。
次に、ずれます。裏面には滑り止め加工がありますが、ラバー製のマウスパッドほどの吸着力はない。マウスを勢いよく振ると、数日で数ミリずつ左にずれていく。私は週末に位置を直す前提で使っています。天板がガラスやメラミンなら、もっとずれると思います。
三つめが、巻き癖と角の反り。届いた直後は筒状に丸まっていて、平らになるまで3日かかりました。重い本を四隅に置いて放置する方式です。そして半年経った今、右手前の角が数ミリ浮いてきています。ここはマウスを持つ手が毎日引っかかる場所で、めくれ癖がつきやすい。PUレザーは表面の樹脂層と裏の基布を貼り合わせた構造なので、曲げ伸ばしが続く場所から順に離れていくんだと思います。角が反ったマットは、天板の角より不快です。今は本体を少し奥にずらして、反った角が手首に当たらない位置に逃がしています。
それでも机の上で一番安い投資だったと思う
私の机の上には、3万円台のキーボードと2万円のモニターアームが載っています。その中で1,780円の布が一番地味で、一番毎日効いている。手首の赤い線は敷いた翌週には消えました。
選ぶときに見るべきなのは、正直この3つだけです。天板の実測より少し大きいサイズにすること、飲み物をこぼす自覚があるならPUレザーかラバーにすること、そして安いものは巻き癖が強いので届いてから数日は使えないと見込んでおくこと。この3つを外さなければ、数千円の買い物で失敗する余地はあまりありません。
もし手首の下に跡がついているなら、椅子を買い替える前に机を1枚覆ってみるほうが早いし安い。私はそれに1年半かかりました。
この記事は開発環境の個別レビューです。モニター選びの判断基準そのものは開発用モニターの選び方|4K・WQHD・ウルトラワイドをコードを書く視点でで整理しています。

