スマートスピーカー|手が塞がっているときのタイマー

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抱っこ紐で息子を寝かしつけながら、キッチンで湯を沸かしていた深夜1時のことです。沸いた音がしたけど、両手は息子と、その頭を支える手で塞がっている。少しでも動けば起きる。結局、火を止めるまでに8分待ちました。この8分が、うちにスマートスピーカーが入ったきっかけです。導入して4ヶ月、ハンズフリーという言葉の意味が、独身のころに思っていたものとまるで違いました。

「片手が塞がる」ではなく「両手が塞がる」時間帯がある

子どもが生まれる前、私はスマートスピーカーを完全に不要な機械だと思っていました。スマホがポケットにあるのに、なぜ声で話しかける必要があるのか。タイマーくらい自分でセットすればいい。そう思っていた。

この認識が変わったのは、「スマホを取り出す」という動作が物理的に不可能な時間が、1日に何時間もあると気づいたときです。抱っこ紐で寝かしつけている最中、片手で息子の頭を支え、もう片方の手で背中をトントンしている。ポケットからスマホを出せません。出せたとしても、画面を見て操作する動作は上半身を揺らすので、息子が起きる。

授乳のあとに縦抱きでげっぷを待っている15分も同じです。両手で支えていないと落とす。この時間帯に何かをするには、手を使わない方法しかありませんでした。

最初の2週間は、ただのキッチンタイマーだった

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置いたのはダイニングとキッチンの中間にある棚の上。最初の2週間、私がやらせていたことは正直タイマーだけでした。「アレクサ、3分」。それだけ。

ただ、このタイマーが想像以上に効きました。離乳食の野菜を茹でる7分、哺乳瓶を消毒する時間、レトルトを温める2分。これまでスマホのタイマーを開いて数字を入れていた動作が、声だけになった。1回あたり10秒程度の短縮ですが、1日に10回以上あります。しかもその10秒は、たいてい手が濡れているか、息子を抱いているかのどちらかでした。

複数のタイマーを名前付きで並行して動かせるのも、後から効いてきました。「アレクサ、にんじん7分」「アレクサ、ミルク5分」。同時に3つ走らせて、どれが鳴ったのか声で答えてくれる。頭の中で覚えておく必要がなくなりました。

ミルクの3時間を、頭ではなく機械に持たせた

次に定着したのが、授乳の間隔管理です。生後3〜4ヶ月ごろは、3時間おきくらいの授乳を続けていました。前回が何時だったかを覚えているのは、夜中だと本当にきつい。

今は授乳が終わった瞬間に「アレクサ、2時間45分後にアラーム」と言うだけにしています。手はまだ息子で塞がったまま。妻と交代制なので、次に起きる人が自分の記憶に頼らなくてよくなったのが大きい。夜中の3時に「前は何時だっけ」と2人で確認し合う会話が消えました。

ここで一度失敗しています。導入した当初、便利だからと寝室にも1台置きました。結果、夜中にアラームが鳴って、私より先に息子が起きた。寝室に音を出す機械を置くのは、乳児がいる家では悪手でした。今は寝室のものは撤去して、リビングの1台だけにしています。夜中のアラームは音量を最小に落として、ドアを開けた状態で聞こえる程度に調整しました。

照明をつないでから、夜中の動線が変わった

4ヶ月目に足したのがスマート電球です。リビングと廊下の電球を、声で操作できるものに交換しました。1個2,000円台のもの。

これが効くのは、深夜に息子を抱いて寝室からリビングに移動する場面です。以前は暗い廊下を、壁のスイッチを探りながら、片手で息子を支えて進んでいました。スイッチを押した瞬間に廊下が全灯するので、息子が眩しさで完全に覚醒することもあった。

今は「アレクサ、廊下を30%」と言いながら歩きます。明るさを指定できるので、必要なぶんだけつける。夜中に息子を起こさずに移動できるようになったのは、思っていたより大きな変化でした。

音楽もよく使います。息子がぐずり始めたときに、抱っこしたまま「アレクサ、オルゴールの音楽をかけて」と言う。効くときと効かないときがありますが、少なくとも私が焦って部屋の中をうろうろするより、部屋の空気が落ち着きます。

息子がAlexaの声に顔を向けるようになった

いちばん予想していなかったのがこれです。生後6ヶ月の息子は、まだ言葉を話しません。喃語で「あー」「だー」と言うだけです。

ただ、最近になってAlexaが返事をすると、その方向に確実に顔を向けるようになりました。私や妻が話しかけたときと同じ反応です。自分に向けられた声ではないと分かっているのか、笑うわけではないのですが、目で追う。

先週、私が「アレクサ」と呼びかけたあとに、息子が同じような高さの声で「あーえー」と返したことがありました。偶然かもしれません。ただ、この機械が息子にとっては「家にいる声を出す何か」として認識されつつあるのは間違いなくて、そこには少し複雑な気持ちもあります。「アレクサ」が息子の最初の言葉になる可能性が、現実的にある。それが良いことなのか悪いことなのか、私にはまだ判断がついていません。

誤認識と、通らない日本語

短所を書きます。まず誤認識が普通に起きる。テレビのCMで似た音が流れたときに勝手に反応して喋り出すことが、月に数回あります。夜中にこれが起きると心臓に悪い。あと、私と妻が会話している最中に「アレクサ」に近い音が混ざって起動することも。

日本語の指示についても、通る言い方と通らない言い方がはっきりあります。「アレクサ、3分」は通る。「アレクサ、あと3分くらいで教えて」は通らない。人間相手の曖昧な言い方をすると、まず失敗します。慣れると自然と機械向けの短い命令文を使うようになるのですが、これは人間側が学習しているだけで、機械が賢くなったわけではない。抱っこ中に3回言い直すことになった日は、素直にイラッとしました。

もう1つ、避けて通れないのがプライバシーです。常時マイクがオンの機械が、リビングに置いてある。呼びかけの言葉を検知するまで音声はクラウドに送られない仕組みだと説明されていますし、本体のボタンでマイクを物理的に切ることもできます。それでも、家族の会話が行われている部屋にマイクを置く判断そのものは、各家庭で考える必要があると思っています。うちは録音履歴を定期的に削除する設定にして、寝室には置かないという線引きにしました。妻とは導入前に一度、この話をしています。

最後に

4ヶ月使って、うちでのスマートスピーカーの正体は「音声で動くタイマーと照明スイッチ」です。それ以上の高度な使い方はしていません。天気を聞くこともほとんどない。

それでも手放せないのは、両手が塞がっている時間が1日3〜4時間ある生活だからです。独身のときに買っていたら、たぶん半年で棚の奥に行っていた。同じ機械でも、生活のどこに摩擦があるかで価値がまったく変わる。あの深夜1時に8分待った経験がなければ、今も不要な機械だと思っていたはずです。

この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

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