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オーブンレンジ選びは、機能から入ると失敗します。うちがそうでした。最初にカタログを見て、過熱水蒸気とノンフライ調理とスチーム発酵に惹かれて、31Lの機種を候補にしていた。ところが賃貸のキッチンで実際にメジャーを当ててみたら、そもそも置けなかったんですよね。賃貸の家電選びは、機能の比較の前に寸法の制約から始まる。置ける範囲の中で何を諦めるか、という順番でしか決められません。離乳食が始まって毎日使うようになった今、その取捨選択が正しかったかを含めて書きます。
まず測る。カタログの寸法では足りない
うちのキッチンには、冷蔵庫の横にレンジ台があります。天板の実寸は幅48cm、奥行き45cm。ここに置ける機種を探す、というのが出発点でした。
ここで見落としがちなのが放熱スペースです。オーブンレンジは動作中に熱を出すので、上と左右と背面に隙間を空ける必要があります。必要な寸法は機種によって違い、うちの候補だと「上方10cm以上、背面10cm以上、左右は不要」というものと、「上方10cm、左右4.5cm、背面0cm」というものがありました。この差は大きい。
つまり必要なのは、本体寸法ではなく本体寸法+放熱スペースの合計です。幅48cmの台に、幅50cmの本体は当然入らないし、幅45cmの本体でも左右4.5cmずつ必要なら合計54cmで入りません。私は最初この計算をせず、本体幅だけ見て「入る」と判断していました。
それともうひとつ、扉が開くスペース。手前に90度開くタイプなら、開いた扉の先に壁や通路がないか。うちは開いた扉が冷蔵庫の扉と干渉する配置だったので、レンジ台の位置ごと5cmずらしています。
高さ方向の制約は、上の棚が決める
幅と奥行きばかり気にしていて、高さで詰まりました。
レンジ台の上には吊り戸棚があって、天板から戸棚の底までが52cm。本体高さ38cmの機種に上方10cmの放熱スペースを足すと48cm。ぎりぎり収まります。でも本体高さ42cmの機種だと52cmで、余白がゼロ。数字上は入っても、実際には奥に押し込むのも引き出すのも一苦労です。
ここで一度、「上に排気しないモデルなら高さの制約が緩い」という選択肢も検討しました。背面排気の機種なら上方のスペースが少なくて済むものがあります。ただ、うちの候補にあったそのタイプは奥行きが大きく、今度は奥行き45cmの台に入らない。制約を1つ緩めると別の制約に当たる、というのを3回くらい繰り返しました。
過熱水蒸気は、本当に使うのか
寸法で候補を絞ったあと、次に考えたのが機能の取捨です。
過熱水蒸気は、100度を超える高温の水蒸気で加熱する仕組み。油を落としながら焼けるとか、余分な塩分を落とせるとか、健康面の訴求が多い機能です。カタログを読むと確かに魅力的に見える。
でも冷静に、自分たちが週に何回それを使うかを考えました。共働きで、平日の夕食は帰宅後30分で作る。凝った料理をする余裕はほぼありません。過熱水蒸気での唐揚げの温め直しは確かに美味しいけれど、それは月に2回あるかどうか。
結論として、過熱水蒸気は「あれば使うが、そのために予算を倍にはしない」機能だと判断しました。逆に、スチームによる温め直しは日常で使う場面がある。パンやごはんの温め、蒸し野菜。ここは押さえたいと思いました。
26Lという妥協点に落ち着いた
買ったのはシャープの RE-SS26B-W です。庫内容量26L、過熱水蒸気に対応していて、コンベクションで2段調理ができるタイプ。フラット庫内でターンテーブルがありません。
26Lというのは、うちの制約の中では上限に近いサイズでした。30L超のモデルは幅も高さも足りず、20L前後だと2段調理ができず、天板に載る量が減る。夫婦2人分の料理を作り置きする用途を考えると、26Lは最低ラインという感覚です。
フラット庫内にしたのは、掃除のしやすさが理由です。ターンテーブルは皿を外して洗える利点がありますが、皿の下にこぼれたものが溜まると分解が必要になる。フラットなら布巾で拭くだけで済みます。あと、角皿を目一杯使えるので庫内を無駄なく使えるのも実用的でした。
離乳食が始まって、毎日使う家電になった
買った当時は「週末に使う家電」でした。今は完全に毎日です。
生後6ヶ月で離乳食が始まってから、1日2回はレンジを開けています。冷凍しておいた10倍がゆのキューブを解凍する、野菜のペーストを人肌まで温める、蒸し器代わりにかぼちゃを柔らかくする。特に温度の細かい調整が要る作業が増えました。
離乳食で困るのが、少量の加熱です。大さじ2杯くらいのおかゆを温めると、加熱ムラで一部だけ熱くなる。センサーが少量を検知しきれないんですよね。うちの対策は、ワット数を600Wではなく200W相当の弱で長めにかけること。時間はかかりますが、ムラがだいぶ減りました。それでも取り出したあとに必ずかき混ぜて、自分の唇で温度を確認してから出しています。ここは機種の性能に頼らないほうがいいと思っています。
あと、哺乳瓶の消毒に電子レンジ用のスチーム消毒ケースを使っています。これが結構かさばるので、庫内の高さも見ておくとよかった点でした。ケースの高さが庫内の高さぎりぎりで、入れるたびに角度を調整しています。
不満は、庫内の掃除と操作の複雑さ
まず掃除。過熱水蒸気やスチームを使う機種は、庫内に水蒸気が回るぶん、汚れが柔らかくなって拭き取りやすい利点があります。ただ、庫内の隅と天井の汚れは結局手で拭くしかない。うちは月1回、水を入れた耐熱容器を数分加熱して蒸気を回してから拭く、という方法でしのいでいます。ヒーターが露出している天井部分は、こすると傷めるので慎重にやる必要があります。
次に操作。多機能な機種の宿命ですが、メニュー番号を覚えていないと使いこなせません。妻はほとんど「あたため」ボタンしか使っていないし、私も自動メニューは3つくらいしか把握していない。付属のレシピ集を見ないと出せない機能に、いくら払ったのかと思うことはあります。
ついでに言うと、アース線の存在も見落としていました。オーブンレンジはアース接続が必要な家電で、うちのキッチンのコンセントにはアース端子が1つしかない。冷蔵庫が既に使っていたので、分岐させる必要がありました。設置当日に気づいて、慌てて分岐タップを買いに行っています。コンセント自体の容量も確認しておくといい。オーブン運転時の消費電力は1400W前後になるので、同じ系統で電子ケトルを同時に使うとブレーカーが落ちます。実際に1回落としました。
それと重量。20kg近くあります。設置後に位置を数センチ動かすだけでも一苦労で、掃除のたびに裏に手を回すのが面倒です。この重さは、賃貸の引っ越し時にも効いてくると思います。
買う順番を間違えないこと
振り返って、正しかったのは順番でした。寸法で絞る、次に日常の使用頻度で機能を絞る、最後に価格。逆にやると、置けない機種のレビューを何時間も読むことになります。実際、最初の週末はそれで潰しました。
メジャーとメモを持ってキッチンに立ち、天板の幅・奥行き、上の棚までの高さ、扉が開く方向の余白、コンセントの位置と高さ。この5つを測って店に行けば、候補は自然に数機種まで絞れます。うちの場合、その5つの数字が最終的に機種を決めていました。
この記事は時短家電の個別レビューです。どの家電から買うべきかの優先順位は共働き家庭の時短家電|投資して後悔しなかった順に並べるにまとめています。

