ウルトラワイドモニターは開発で捗るのか|分割して1ヶ月使った

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ウルトラワイドモニターは開発が捗る。そう書いてある記事を何本も読んで、34インチのUWQHDを買いました。1ヶ月みっちり使った結論を先に書くと、「人による」です。歯切れが悪くて申し訳ないんですが、捗る場面と、むしろ悪くなった場面が両方はっきり出てきたので、どちらも数字を添えて書きます。私はFlutterとSwiftでアプリを書いていて、エディタ・シミュレータ・ブラウザ・ターミナルを常時開いておきたいタイプ。その前提での話です。

買った動機は、正直に言うと憧れだった

きっかけは去年の秋、同僚のデスク写真を見たことでした。横に長い1枚の画面に、エディタとログとブラウザが行儀よく並んでいる。デュアルモニターの継ぎ目を見慣れた目には、あれがずいぶん洗練されて見えたんですよね。そのあと2ヶ月ほど比較記事を読み漁って、34インチのUWQHDを買いました。価格は5万円台の前半。

ただ、買う前に自分がやるべきだった検証があります。いま使っているモニターの上に、幅3440px相当の枠をテープで貼って、そこにウィンドウを並べる想像をすること。これをやっていれば、後述する「3分割の1枚が意外に狭い」問題には事前に気づけたはずです。スペック表の数字は、机の上に置いたときの感覚を教えてくれません。

3440pxを3分割すると、1枚あたり1,146px

ウルトラワイドの売りは横の広さです。3440×1440。数字だけ見ると圧倒的に感じるんですが、実際に画面分割ツールで3列に割ってみると、1列あたり1,146pxしかありません。これは13インチノートPCの横幅とほぼ同じです。

1,146pxにVS Codeを置くと、サイドバーが約280px、エディタ本体が約860px。フォント13pxで80桁はぎりぎり入りますが、差分表示の2ペインは開けません。開いた瞬間に片側30桁くらいになって読めなくなる。1ヶ月使った中で、3分割を常用にできたのは「エディタ・ターミナル・Slack」の組み合わせだけでした。ターミナルとSlackは狭くても成立するからです。

結局、実用になったのは2分割でした。1,720pxずつ。左にエディタ、右にシミュレータとブラウザを重ねて置く形です。1,720pxのエディタは快適で、差分も2ペインで読めます。ただこれは、27インチの4Kをスケーリングして使ったときの作業領域と、正直そこまで変わらないんですよね。「3画面ぶん」という期待で買うと、たぶん肩透かしを食らいます。

画素密度の落差は覚悟がいる

34インチで3440×1440だと、画素密度はおよそ110ppi。27インチ4Kの163ppiから乗り換えると、文字の輪郭が明確に粗くなります。最初の3日はずっと「なんかボケてるな」と思っていました。1週間で慣れましたが、4Kから来る人はここを知らずに買うと落ち込むと思います。逆にフルHDや27インチWQHDから来るなら、密度はほぼ同じなので違和感はないはずです。

ベゼルがないことの価値は、想像より大きかった

これは買ってよかったと素直に思った点です。以前は27インチを2枚並べていて、真ん中に黒い柱が2本ぶん、合計で1.5cmほどありました。慣れれば気にならないと言われますが、視線がその柱をまたぐ瞬間、ほんのわずかに集中が切れる感覚がずっとあったんです。

ウルトラワイドはその柱がありません。エディタからシミュレータへ視線を移すのが、地続きになる。1枚のウィンドウを画面の3分の2まで広げるような、デュアルでは物理的に不可能な使い方もできます。私の場合はDBのテーブル定義を横に長いまま眺めたいことが月に数回あって、あれは2枚では絶対にできない。

あと、机の上が単純に片付きます。27インチ2枚だと横幅が合計120cmを超えて、幅120cmの机には収まりきらなかった。34インチウルトラワイドは横幅が実測で約80cmなので、両脇に余裕ができました。ケーブルも電源も1本ずつで済む。

首を振る距離が長くなって、夕方に疲れた

ここが一番の誤算でした。34インチ21:9の横幅は約80cm。中心から端までは40cmです。目から画面まで60cmで座っていると、中心から端を見るのに約34度、首か眼球を動かすことになります。

27インチ2枚のときも合計幅は広かったんですが、あのときは「右のモニターは常時見るものじゃない」という前提で、Slackやログを流しておく場所として使っていました。つまり視線がほとんど動かない。ウルトラワイドは画面が地続きな分、作業ウィンドウを端まで広げてしまうんですよね。すると本当に端まで読むことになる。

導入して10日目くらいから、夕方に首の右側が張るようになりました。対策として、集中して書くときはエディタを中央の1,720pxに寄せて、両端は「見なくてもいい情報」を置く運用に変えています。この運用にしてから疲れは消えましたが、そうすると実質的に使っている面積は27インチと大差ない。何のために買ったのか、と一瞬なりました。

Web会議の画面共有で「見づらい」と言われる

これは仕事で使う人には無視できない問題です。ウルトラワイドの画面全体を共有すると、相手の16:9のディスプレイでは上下に黒帯が入って、実際の表示は小さくなります。うちのチームで実際に「文字が読めないので拡大してほしい」と言われたのが、1ヶ月で4回。

回避策はあります。画面全体ではなくウィンドウ単位で共有すれば、相手には普通のサイズで映る。ZoomでもMeetでも選べます。ただ、複数のウィンドウを行き来しながら説明したいときは結局全体共有に戻すことになるので、そのたびにエディタの表示倍率を上げる手間が発生しました。週1回のペア作業がある人は、地味にストレスになると思います。

曲面か平面かで、店頭に3回行った

同じ34インチでも、1900Rや3800Rといった曲率のついたモデルと、完全な平面のモデルがあります。理屈のうえでは曲面が有利です。画面の端までの距離が中心と揃うので、端が遠くて見づらいという問題が軽くなる。実際、店頭で曲面を見たときは端の文字が読みやすいと感じました。

それでも私は平面を選びました。デザインカンプやUIのモックを画面に出したとき、直線が本当に直線に見えてほしかったからです。曲面だと、画面の端に置いた矩形の辺がわずかに歪んで見える。実務上の実害はほぼないと思いますが、UIの位置を1pxずつ詰める作業をしていると、その歪みが判断を邪魔しそうで怖かったんですよね。買ったのは34インチUWQHD、21:9、平面のIPSパネル、非光沢。165Hz対応ですが、仕事ではリフレッシュレートの恩恵は正直分かりません。マウスカーソルの動きが滑らかだな、と思う程度です。

KOORUIゲーミングモニター モニター ウルトラワイドモニター 曲面モニター 1000R 34インチ UWQHD3440*1440 ★16

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1ヶ月使った今の正直な感想として、平面を選んだ判断は5対5です。首の疲れは曲面のほうが軽かった可能性が高い。UIの直線にこだわらない人なら、曲面を勧めます。

短所をもう2つ。スタンドが大きくて奥行きを25cmほど食うので、モニターアームに載せ替えました。ただし34インチは重量が7kg前後あるので、アーム側の耐荷重を確認しないと首が垂れます。それと、内蔵スピーカーは付いていますが音は薄く、通知音が鳴っているのが分かる程度です。

結局、誰に向いているのか

1ヶ月使って整理すると、向いているのは「1枚の広いウィンドウを使う人」でした。タイムラインが横に長い動画編集、横スクロールの多い表計算、DBのテーブルを眺める作業。このあたりは明確に速くなります。

逆に、私のように「エディタとシミュレータを並べたい」だけなら、27インチの4Kを1枚のほうが素直です。視線移動が短く、画素密度が高く、Web会議でも困らない。憧れて買った身として認めるのは悔しいんですが、開発という一語でくくれるほど単純な話じゃなかった、というのが1ヶ月の結論です。今も使っていますが、次に買い替えるときは同じものを選ぶか、まだ決めきれていません。

この記事は開発環境の個別レビューです。モニター選びの判断基準そのものは開発用モニターの選び方|4K・WQHD・ウルトラワイドをコードを書く視点でで整理しています。

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